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東海カーボン(5301) 75点

1. 会社の概況と特徴(300文字以内)

東海カーボンは1918年に設立され、1949年に上場しました。主力事業は炭素製品の製造で、タイヤ用カーボンブラック、ファインカーボン、黒鉛電極、工業炉関連製品などを扱っています。カーボンブラックが売上の41%、ファインカーボンが12%、S&Lが23%を占めています。海外市場が売上の79%を占め、グローバル展開が強みです。鉄鋼市況やアルミ需要の影響を受けやすいものの、安定した需要が見込まれ、長期投資に適しています。

2. 安定した成長の有無

財務状況は健全で、自己資本比率は52.5%と安定しています。ただし、黒鉛電極やカソード事業の需要減が利益を圧迫しており、減益が続いています。株主還元としては安定した配当を維持しており、今後も構造改革を通じて利益改善が見込まれます。売上は堅調ですが、一部事業の縮小が成長性に影響を与えています。

3. 直近の売上高、営業利益

2023年12月期の売上高は3,639億円、営業利益は387億円となっていますが、2024年の予測では減益が見込まれており、売上高は3,650億円、営業利益は220億円に減少する見通しです。今後の成長は構造改革の進展次第であり、黒鉛電極の生産能力削減などの戦略が重要です。時価総額は1,998億円、総資産は6,950億円です。

4. 現在の株価

時価総額は1,998億円、総資産は6,950億円、自己資本は3,647億円です。株価は2024年8月に741.5円から1,071円で推移しており、需要の影響を強く受けやすい状況にありますが、長期的な見通しは安定しています。

5. キャッシュフロー、現金

営業キャッシュフローは620億円で、堅実な資金運用が行われています。投資キャッシュフローは-476億円であり、設備投資や研究開発に積極的に取り組んでいます。財務キャッシュフローは-145億円で、財務体質も安定しており、現金及び現金同等物は564億円を保有しています。

6. 配当性向

2023年12月期には1株あたり18円の配当を実施しており、2024年と2025年には15円の配当が見込まれています。減益を受けて配当金は減少傾向にあるものの、今後も安定した配当が期待されます。株主還元に対しては堅実な姿勢を見せています。

7. 採点と解説

  • 業績と財務: 14/20
    黒鉛電極やカソード事業の需要減により減益が続いていますが、カーボンブラックやファインカーボンは堅調です。

  • 株価の安定性: 15/20
    株価は安定して推移していますが、鉄鋼市況やアルミ需要に依存するため変動のリスクがあります。

  • 成長性: 13/20
    事業縮小や需要減が成長を抑制しており、成長性に課題が残りますが、構造改革に期待がかかります。

  • 業界地位と競争力: 17/20
    カーボン製品分野での国内外での地位は強固で、特に炭素ブラックやファインカーボン分野で競争力があります。

  • 配当性向と株主還元: 16/20
    安定した配当を維持していますが、減益に伴い減配のリスクもあり、今後の株主還元に注目です。

8. 総合評価(100点満点中)

総合評価: 75点
東海カーボンは、炭素製品市場において強固な地位を築いており、構造改革を進めることで将来的な成長が期待されますが、黒鉛電極やカソード事業の需要減少が業績に悪影響を与えています。

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