ニコン(7731) 84点
1. 会社の概況と特徴(300文字以内)
ニコンは1917年に設立され、1949年に上場しました。主にカメラやレンズなどの映像製品、半導体や液晶製造装置などの精機機器、医療機器に力を入れている精密機器メーカーです。主要事業は映像(39%、利益率17%)、精機(31%、利益率7%)、ヘルスケア(15%、利益率5%)などです。カメラ事業においてキヤノンと競争し、半導体露光装置では世界的な競争力を持っています。株購入に関しては、事業の多様化と技術力による長期成長が期待できるものの、研究開発費やカメラ市場の変動がリスク要因です。
2. 安定した成長の有無
ニコンの財務は健全で、自己資本比率は59.0%と高いです。株主還元も積極的で、増配を続けています。ただし、カメラ市場の縮小や研究開発費が業績に影響を与えています。売上は安定して増加傾向にあり、特にヘルスケアや精機分野での成長が期待されています。
3. 直近の売上高、営業利益
2024年3月期の売上高は7,172億円、営業利益は397億円です。過去数年間で成長率は3.6%と緩やかで、将来的にはヘルスケア分野や新規事業の拡大が予測されています。時価総額は約5,518億円、総資産は1.19兆円です。
4. 現在の株価
ニコンの時価総額は約5,518億円、総資産は1.19兆円、自己資本は約7,045億円です。2024年には株価が1,763円まで上昇しましたが、カメラ市場の影響を受けやすいため、長期的な成長にリスクがあります。
5. キャッシュフロー、現金
営業キャッシュフローは307億円と安定していますが、投資キャッシュフローは-414億円と設備投資が大きな割合を占めています。財務キャッシュフローは-89億円で、現金及び現金同等物は2,066億円あります。
6. 配当性向
過去数年間、ニコンは安定した配当を続けており、2024年3月期には50円の配当を実施しました。2025年には55円への増配が予測されており、配当性向は改善傾向にあります。株主還元に対する姿勢が評価されています。
7. 採点と理由
業績と財務(17/20)
事業の多様化と強力な財務基盤が安定した業績を支えていますが、一部市場の変動リスクがあります。株価の安定性(15/20)
株価はカメラ市場や半導体需要に影響されやすく、やや不安定な部分があります。成長性(16/20)
ヘルスケアや新規事業が今後の成長を支えますが、カメラ事業の低迷が懸念点です。業界地位と競争力(18/20)
半導体露光装置分野での強力な競争力とカメラ事業でのブランド力を持っています。配当性向と株主還元(18/20)
配当の増額が続いており、株主還元に積極的な姿勢が見られます。
8. 総合評価(100点満点中)
総合評価: 84点
ニコンは安定した財務基盤と競争力のある事業を持ち、特に半導体やヘルスケア分野での成長が期待されますが、カメラ市場の影響を受けやすいため、リスク管理が必要です。