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関西電力(9503) 85点

1. 会社の概況と特徴(300文字以内)

関西電力は1951年に設立され、同年に上場されました。電力供給を基盤とし、国内では東京電力に次ぐ業界2位の規模を誇ります。主な事業はエネルギー供給(82%の売上比率、16%の利益率)で、他には送配電(8%)、情報通信(6%)および生活・ビジネスソリューション事業(4%)があります。原子力発電への依存度が高く、またガスや不動産事業にも展開していることが特徴です。株式購入における総合評価としては、エネルギーセクターでの安定した収益基盤が魅力ですが、エネルギー市場の変動や規制の影響を受けやすい点には留意が必要です。

2. 安定した成長の有無

関西電力は、財務状況の健全性が高く、安定した成長を続けています。原子力発電の再稼働が進んだことで収益性が改善しており、今後も成長が期待されています。株主還元としても、配当金は安定しており、2024年には60円の配当が見込まれています。売上高と利益は年々増加しており、成長性の面でも評価できる企業です。

3. 直近の売上高、営業利益

2024年3月期の売上高は約4兆593億円、営業利益は約7,289億円を記録しました。過去数年間での成長率は安定しており、原子力発電所の再稼働によるコスト削減が収益に寄与しています。将来の予測でも、2025年には売上高4兆4,500億円、営業利益3,300億円が見込まれています。時価総額は約2兆3,599億円、総資産は約9兆円に達します。

4. 現在の株価

関西電力の時価総額は約2兆3,599億円、総資産は約8兆9,870億円、自己資本は約2兆4,036億円です。株価は2024年には最高値2,929円を記録し、直近では2,133.5円まで下落しています。今後の市場動向により、さらなる変動が予想されます。

5. キャッシュフロー、現金

営業キャッシュフローは1兆1,549億円、投資キャッシュフローは-4,280億円、財務キャッシュフローは-4,889億円です。特に設備投資が大きな割合を占めていますが、財務の健全性は保たれており、現金及び現金同等物は約5,644億円です。

6. 配当性向

過去数年間、配当金は安定しており、2022年から2024年にかけて50円から60円に増加しました。2025年には60円から70円の配当が予想されており、配当性向も堅実な水準を維持しています。株主還元に対する意識が高く、配当利回りも魅力的です。

7. 採点

  • 業績と財務(20点中18点)
    原子力発電の再稼働により安定した利益を確保しており、財務も健全です。

  • 株価の安定性(20点中15点)
    株価は市場の変動やエネルギー政策の影響を受けやすいため、やや不安定です。

  • 成長性(20点中17点)
    エネルギー需要の安定と原子力発電の再稼働により、今後も成長が期待されます。

  • 業界地位と競争力(20点中18点)
    業界2位の地位を持ち、特に原子力発電への依存度が高いですが、競争力は十分です。

  • 配当性向と株主還元(20点中17点)
    配当は安定しており、株主還元にも積極的な姿勢が見られます。

8. 総合評価(100点満点中85点)

関西電力は、安定した収益基盤と成長余地を持つ企業です。特に原子力発電所の再稼働による収益改善が見込まれる一方で、エネルギー政策の影響を受けやすいため、リスク管理が重要です。長期投資に適した選択肢として評価できます。

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