三菱ケミカルグループ(4188) 83点
1. 会社の概況と特徴(300文字以内)
三菱ケミカルグループは、2005年に設立され、同年10月に上場した総合化学企業です。化学、レイヨン、樹脂を中心に事業を展開し、製薬や産業ガスにも力を入れています。主要事業セグメントは、スペシャリティ(27%)、産業ガス(28%)、ヘルスケア(10%)、MMA(6%)、ベーシック(23%)で、利益率の高い産業ガスとヘルスケアが注目されています。株購入の総合評価としては、幅広い事業ポートフォリオと堅実な事業再編により、安定した成長が期待できる企業です。
2. 安定した成長の有無
三菱ケミカルは安定した財務状況を維持しています。自己資本比率は29.6%とやや低いものの、ROEは7.2%と平均的な成長を示しています。株主還元として、安定した配当金を支払っており、今後も増配が期待されます。売上と利益は一部セグメントでの改善により成長が見込まれていますが、業界全体の影響を受けやすい状況もあります。
3. 直近の売上高、営業利益
2024年3月期の売上高は4兆3,872億円、営業利益は2,618億円となり、前年から改善しています。過去数年間での成長は安定しており、今後も4兆6,500億円の売上高を見込んでいます。時価総額は1兆2,667億円、総資産は約6兆2,910億円です。
4. 現在の株価
2024年8月時点で、株価は735円から935円の範囲で推移しています。時価総額は1兆2,667億円、自己資本比率は29.6%です。総資産は約6兆2,910億円で、規模の大きな企業としての安定感がありますが、株価のボラティリティは高い傾向にあります。
5. キャッシュフロー、現金
営業キャッシュフローは4,651億円、投資キャッシュフローは-2,460億円、財務キャッシュフローは-2,417億円です。現金及び現金同等物は2,949億円で、十分なキャッシュリソースを保有しています。大規模な設備投資と研究開発への投資が進んでおり、将来的な成長に向けた基盤が整えられています。
6. 配当性向
配当金は安定しており、2024年3月期の年間配当は32円でした。今後も増配が予定されており、2025年には32円、2026年には34円が見込まれています。安定した配当政策は、株主還元を重視した姿勢を反映しています。
7. 採点と解説
業績と財務: 16/20
安定した業績を維持し、将来の成長に向けた設備投資も進められていますが、ROAはやや低いです。株価の安定性: 14/20
株価のボラティリティが高く、外部環境の影響を受けやすい面があります。成長性: 17/20
成長分野であるヘルスケアや産業ガスの拡大に期待が持てます。事業再編も進行中で、さらなる成長が期待されます。業界地位と競争力: 18/20
総合化学業界でのリーダーシップと、広範な事業領域での競争力を保持しています。配当性向と株主還元: 18/20
安定した配当と増配が期待され、株主還元の面で評価が高いです。
8. 総合評価(100点満点中)
総合評価: 83点
三菱ケミカルグループは、幅広い事業ポートフォリオを持ち、安定した業績と成長性を併せ持つ企業です。配当政策も安定しており、長期的な投資先として魅力がありますが、株価の変動リスクには注意が必要です。