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銘柄評価:味の素(2802) 90点

1) 会社の概況と特徴

味の素(2802)は、1925年に設立され、1949年に上場した調味料最大手の企業です。国内外で調味料や食品の製造・販売を展開しており、コーヒーや冷凍餃子も強みとしています。また、医薬用・食品用アミノ酸や電子材料なども手掛けており、事業の多角化が進んでいます。連結事業の売上比率は調味料・食品が59%、冷凍食品が20%、ヘルスケア等が20%です。特に海外市場が重要で、売上の65%を海外が占めています。企業は最高益を更新し続けており、今後も成長が期待されます。

2) 株購入における総合評価

味の素は、安定した収益基盤と高い成長性を持つ企業として評価できます。国内外での調味料や食品の需要増加が業績を支えています。ROEは11.0%、自己資本比率は45.9%と財務状況も良好です。特に冷凍食品事業の収益性向上が進んでおり、今後も成長が期待されます。配当性向も高く、株主還元を重視する姿勢が評価されます。総じて、長期的な投資先として適しており、安定した配当を期待できる点が魅力です。

3) 売上と利益、成長性

味の素の売上高は、2020年の1兆1,000億円から2024年には1兆4,392億円に増加しました。営業利益も同様に、2020年の487億円から2024年には1,466億円へと拡大しています。2025年の予測では、売上高1兆5,270億円、営業利益1,570億円と成長が見込まれます。特に調味料・食品事業と冷凍食品事業の成長が顕著で、円安や値上げの効果も寄与しています。

4) 株価と時価総額、総資産

味の素の時価総額は3兆804億円で、食品業界内で第2位に位置します。2024年1月から5月の株価は、高値が6,279円、安値が5,280円と変動しています。総資産は1兆7,745億円、自己資本比率は45.9%と健全な財務状況を維持しています。

5) キャシュフロー、現金

2024年度の営業キャッシュフローは1,680億円で、投資キャッシュフローは-1,324億円、財務キャッシュフローは-67億円です。現金等の残高は1,715億円と十分な流動性を持っています。

6) 配当性向

味の素は配当を年2回行っており、2024年度は1株あたり74円の配当が行われました。2025年度の予想配当は80円です。配当性向が高く、安定した配当が期待されます。

7) 採点と解説

  • 業績と財務(20点):18点
    安定した収益基盤と高いROE、自己資本比率が評価されますが、円安や原料高の影響を受けるリスクがあります。

  • 株価の安定性(20点):17点
    株価の変動はあるものの、全体的に上昇傾向が見られ、安定性も評価できます。

  • 成長性(20点):19点
    海外市場での事業拡大が成長を牽引しており、今後の成長性が期待されます。

  • 業界地位と競争力(20点):18点
    国内外での強固な地位と競争力を持つが、市場の競争激化に対する対策が必要です。

  • 配当性向と株主還元(20点):18点
    高い配当性向と安定した配当が評価でき、株主還元にも積極的です。

8) 総合評価:90点

味の素は、高い成長性と安定した収益基盤を持つ企業です。特に海外市場での成長が今後の業績を支える要因となり、高い配当性向も魅力的です。長期的な視点での投資に適しており、安定した配当を期待できる点も評価ポイントです。

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