建設業のDX王道パターン
こんばんわ。it-daxです。
本日は建設業のDX王道パターンというタイトル通り、建設業(主にゼネコン)でほぼ全社が検討、実施をしているDXパターンをご紹介します。
業界全体の課題
建設業はいまや大人材不足時代。
若手の入社は減り、ベテランは引退し、とにかく人が足りない状況です。
本社が営業して案件を取ってきて、社内で施工開始の準備だけしてあとは現場に丸投げしているのが現状です。
人が足りていない今、このままでは担当できる案件数がただただ減っていく一方となり会社全体の売上が下がる大きな要因となってしまいます。
売上を上げるには現場の生産性向上や省人化がなによりも重要となってきております。
DXポイント1 デジタル化
まず最初のステップとして踏むべきDXのポイントは以下の4つです。
書類管理のデジタル化
安全・品質パトロールのデジタル化
写真整理のデジタル化
工程管理のデジタル化
いわゆるデジタライゼーションというものになります。
いままで紙や手作業で行ってきたアナログ作業だったものを、デジタルに置き換えることが最初のステップとなります。
当たり前じゃん、こんなんもうやってるでしょ、と思うかもしれません。しかし現実は今もアナログで作業を実施しているところが沢山あります。
それはなぜか
各社によって作業内容や項目が変わってくるので、SaaSなどでの手軽な導入というのが難しいというのと、現場への浸透が難しいことが大きな理由として挙げられます。
特に現場への浸透が難関ですが、私の場合はコンサルながら足しげく現場へ通い、課題のヒアリングや雑談などをして期待値をマイナスから徐々にプラスにしていき「こんなん現場で使えねえよ」から「いつから現場で使ってみようか」と言ってくれるまで現場との信頼性を構築したことで徐々に導入を成功することができました。
アプリケーションに関しても常にオンラインではない現場をされている企業もあるので、ネットワークからなにから汎用的なものになるよう想定しハードウェアからアプリケーションまで現場で使えるものを構築しました。
DXポイント2 IoT・AIによる自動化
次のステップはIoTやAIを活用した現場データの収集です。
デジタル化しただけでは省人化や生産性の向上といった根本の解決へのアプローチとはなっていません。
書類への入力情報や日々の進捗管理など、人が入力しなくとも自動的にレポートしてくれる仕組みの構築が重要です。
例えば
建機のデータをIoTを活用して収集して書類を自動で出力する
ロボット犬で遠隔から現場を巡視・パトロールする
ドローンで測量する
日々のデータから工程の予測をする
など。
工種や現場に合わせて作業の自動化を行います。
これによりようやく省人化、生産性の向上の第一歩となるのです。
DXポイント3 本社サポート体制構築
遠隔からでもデータが取得・閲覧できるようになったことで、現場がやらないとできなかったことが遠隔でもできるようになります。
そこで本社によるサポート体制を構築し、現場業務の負担を本社が一部請け負うことで現場の省人化を加速することができます。
いままでの体制では、下記のように現場業務は現場に任せきりでした。
これでは1つの現場に対して必要な人数が変わらないので、人材が減るにつれて売上が下がる仕組みとなってしまいます。
この関係性を脱却し、現場と本社一体となって工事を進めていくこと。
これこそがこれからの建設業のビジネスモデルとなります。
現場スタッフの作業量が減ることで複数現場を担当することが可能となります。
将来的には現場の人員が減ったとしても現場数の拡大が可能なサポートを検討していくことが重要です。
DXポイント4 BIM/CIM連携
ようやくか、と思われた方もいるかもしれません。
直轄事業のBIM/CIMの原則適用が義務付けられ、今後も拡大していくことが予想されています。
BIM/CIMを中心にあらゆるシステムが接続され、現場の状況が可視化される未来がすぐそこにあると思っています。
乗り遅れれば多大な損失は免れません。
申し訳ありませんが、わたしはまだこのステップをコンサルティングをしたことがありませんのでお伝えできることは少ないです。
つい先日、CSPI-EXPOにいってきましたがAR/VRと連携して現場を仮想空間で見れるようになサービスや、建機と連携して現場の様子が3Dでリアルタイムに表現されているサービスなどがあり、凄まじいスピードで進化をしていると思いました。
検討次第では低コストで導入できるものもあると思うので、大手ゼネコンでないからと諦めずに道を模索することでビジネスの活路が開けるはずです。
おわり
初めての記事は建設業のDXポイントについて書いてみました。
DXコンサルとして数々の企業と接してきましたが、建設業は特に難しいですね…。
次はITコンサルの基礎スキルである要求分析について書いていこうと思います。
AsIsの調査やToBeの描き方について詳しく書きたいです。
Twitterのほうにメッセージやコメントいただければご質問などお答えしますので、お気軽にどうぞ。
ありがとうございました。