新規事業を成功に導くPoCの進め方 Part4. PoCが失敗する原因とは?
新規事業のスペシャリストが成功の秘訣を伝授
私、えいるですが普段はITコンサル系企業で、皆さまのビジネスを成功に導くために日々、ITサービスにおける提案・設計・構築などをしております。
また、今の会社に転職する前は、大手IT企業で自ら新規サービスの企画立案・経営戦略策定・営業訪問・サービス構築と0→1の段階で必要なことのほぼすべてを経験してきました。
ITコンサルとしてクライアントの要望を形にしてきた経験
自分でサービス立ち上げた経験
両方の成功体験を知る私の経験から得た「新規事業を成功に導くノウハウ」を皆さんに紹介したく記事を連載しております。
今回のテーマは「PoCが失敗する原因」
第4回となる今回は「PoCが失敗する原因」をテーマに、せっかく実施したPoCで思った成果を得られず、新規事業の成功に繋げられない原因の解明と対策につい見ていこうと思います。
近年、増え続けるPoCの需要と失敗談
ちょっと前置き:近年のITサービス開発ではPoCの需要が増している
数年〜十数年前のITサービス開発では、目的となる作りたいモノに対する技術的な選択肢は「基本にはコレ」とある程度セオリーが決まっており、必然的に利用者の選択肢も限定的でした。
このような目的と手段が明確化されたプロジェクトでは、PoCなどの検証は不要で、サービスリリースに向かって無駄なく最短距離で駆け抜けるのが正解となります。
一方で、近年は生成AIを中心とした技術の高度化に伴い、ITの可能性が爆発的に広がったことで利用者の選択肢やニーズが多様化し、結果的にITサービス開発の複雑性は格段にあがりました。
このような複雑性が高い状況では、最初に「何が正解か?」を見極め、そこで見えた道筋に向かう進め方が安全といえ、それこそがPoCの役割となります。実際、ここ数年でPoCを前提とした新規事業の相談は、非常に多くなりました。
PoCの需要が増している一方で大きな問題も…
新時代のITサービス開発においてPoCを有効活用し、それを踏み台に新規事業を成功に導く進め方は非常に理にかなったプロセスです。
しかし、残念なことにPoCの需要に比例して「PoCの失敗=新規事業の失敗」の事例が増えているのも事実です。
PoCで不安要素を解消したはずなのに新規事業で問題が多発…
このような想定外の事象がなぜ起きてしまうのか?
そこにはPoCへの2つの間違った解釈と進め方があると私は考えており、この2つの原因を実際の失敗談を元に深堀りしながら、正しいPoCのあり方を紹介していきます。
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