SAが起こす小さな現場革命 〜Part12:プロジェクトを成功に導く「段階的な機能追加」
私、えいる は2022年3月に転職して、あるベンチャー企業でソリューションアーキテクト(以後、SA)という仕事をしています。
SAはまだ知名度が低く、どんな仕事?と聞かれるマイナー職です。
しかし今後のコンサルやIT業界で必ず必要とされ、数年後は注目職の1つになると私は確信しており、SAの業務内容、必要性、活躍の事例を連載形式で紹介していくことにしました。
クライアント要望を理解しきれず、適切な見積もりや提案ができない
受注後に想定外の作業・課題が多発して案件が炎上
PMとエンジニアの会話が噛み合わない(現場が険悪)
こんな悩みを抱えている皆さん、その解決策の1つがここにあります!!
SAが実践しているプロジェクトを成功に導く5つの仕事術
これまで様々な環境やメンバーと仕事を進める中、計画の立て方・相手とのコミュニケーション・トラブル対処など、様々なシチュエーションにおいて「もっと、こうすればよくなるのでは?」と感じたことが多くありました。
これらに対して試行錯誤を繰り返しながら、最善策を模索してきました中で私が見つけた実践効果が高いと感じている5つの仕事術を連載形式で紹介してきたいと思います。
仕事術 Part1:段階的な機能追加の実践術
最初は「段階的な機能追加」についてです。
進め方としては、最初は要望を満たす最低限の機能をリリースさせ、来年度や次フェーズで段階的に機能を追加させながら、最終理想形に近づけていくアプローチ手法になります。
この手法が活かせるのは、以下のようなシチュエーションで皆さんも一度は
遭遇した場面ではないでしょうか?
新規案件の提案が、どうしても予算や納期を上回るとき
一回の対応でリリースするには作業量が多く、リスクが高い機能追加
小さな成功体験と利益の積み重ねで、徐々に拡大していきたいサービス
私の場合、特に「今期予算に限りがある一方、来期予算確保に向けた実績・足がかりがほしい」という相談が意外と多く、この時に活用しています。
失敗例:それは「場当たり的な機能追加」をやっているだけでは?!
「段階的な機能追加」については「普通のこと」「既にやっている」という意見もあるかもしれません。しかし、いざ実践している現場では
追加する機能に進むための画面導線が準備されていない
一部のリリース済みの画面に変更が発生してしまい利用者が混乱
DBに機能拡張の考慮がなく、テーブルの再設計が発生
リリース済み機能の改修とテスト工数が肥大化
このような状況を目にすることが多く、これは「場当たり的な機能追加」を行っているだけであり「段階的な機能追加」とは似て非なるものです。
「段階的な機能追加」では、リリース済みの機能に対する「影響確認」と「作り直し」の作業ロスを最小限に抑え、限られたリソースで最大限のパフォーマンス(機能追加)を発揮する工夫がされています。
それでは、具体的に「段階的な機能追加」は「場当たり的な機能追加」とは何が違って、どう進めるべきかをいくつかのNG・OK事例を元にご紹介。
実践1:急がば回れの精神で最初にしっかり全体設計を
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