今週の医クラニュース速報 #2
どうも、まろ@医学生です。
段々と寒くなっていて、冬の訪れを感じる頃ですが、今週も医クラ界隈では、いろんなニュースがありました。中には、この寒さを忘れるほど炎上したニュースも。
今回のラインナップはこちら。
産婦人科、安全対策に前のめりすぎ
これは産婦人科医ブチギレ案件です。
最近、ある弁護士が「産科は医療安全に前のめりすぎている」という主張を展開したところ、これがXで大きな反響を呼び、炎上する事態となりました。
この弁護士の意見は、産科における医療安全の取り組みが他の診療科に比べて過剰であるというものです。
この主張に対して、産婦人科医や関連する医療従事者から強い反発が起きています。
私はただの学生の身ではありますが、世間一般の方よりは医療業界について若干の知識はあるつもりです。
GradeAの帝王切開では、産婦人科医だけでなく麻酔科医、小児科医、医療スタッフ総出で、母体の安全確保と胎児の摘出を目指します。
このときの緊張感は半端ないです。下手すると、人が2人亡くなってしまうのだから。
この発言が、 分娩費用の保険適用化などを検討する「妊娠・出産・産後における妊産婦等の支援策等に関する検討会」で出てきているのですから、驚きですね。暴論も暴論です。9時5時で気軽にサクッと分娩できると思っているのでしょうか。
産婦人科は訴訟リスクも高く、24時間365日、いつ訪れるか分からない分娩に備えて対策を練っています。保険点数化されていない背景にある努力を考えると、関係各所から反発があるのも無理はありません。
今回の発言しかり、医療機関に不利な判決を出し続けて世間からのヘイトを買うなど、法曹業界と医療業界の溝は相変わらず深いですね。
医者、まさかのオワコン化
今週は特に目立ちましたね。「医者はもうオワコンだ」という声が、どこからともなく発生しては、絶え間なくタイムラインを賑わせていました。
【医者はオワコンの意見抜粋】
不安を煽るポストが目立ちますが、本当に医者がオワコンなのか、ちょっと考察してみたいと思います。
「医者はオワコンだ」と言われる背景には、医療を取り巻く環境の変化や、医師の役割に対する期待値の変動、社会保険料の増大が影響しているようです。しかし、これを単純に「オワコン」と片付けてしまうのは早計ではないでしょうか。
オワコンだなんだと唱えられるときに、決まって不足しているのが数値的なデータ。そして「社会保険の崩壊」「需要と供給のバランスの崩壊」など表面的なことしか見えていない気がします。
個人的には、医者ほど働き方が自由でしかも安定しているのは、この日本、いや世界的に見てもないなと確信しています。
そのくらい、ものすごく恵まれているんですよ、医者は。だから医学生の皆さんは、こうした意見に惑わされず、
くらいのマインドでいきましょう。
今後も、「医者はオワコン」は小さい子の風邪みたいに、定期的にぶり返すと思います。なので、ここで終止符を打ちます。医者はオワコン説の答えです。
以上。
初志貫徹、進化し続けるかっちょいい医者を目指そうぜ☆
高額医療療養費、上限額引き上げか
現在、高額療養費制度の自己負担上限額の引き上げが検討されています。厚生労働省は2024年11月21日に開催された社会保障審議会の医療保険部会で、上限額の引き上げ案を提示しました。
医療費の自己負担額が高額になった場合に一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が後から支払われますが、その上限額を引き上げよう、つまり実質的に個人で負担する医療費が高くなるということです。
この制度の問題点は、社会保険料を多く支払っている人の上限額がめちゃくちゃ高い点です。
所得が低い人ほど最高峰の医療を格安で受けられて、所得が一定以上ある人ほど社会保険料と医療費でダブルで取られるこの制度。
今回は改正が検討されていて、さらに上限額が上がるのでより一層現役世代、特に収入がある人が苦しい状況に陥ります。
しかも、「低所得者の受診控えにつながらないよう、十分配慮したい」とのこと。
おーい!中流層以上は無視かよー!
財務省・厚生労働省の高所得者イジメの流れは、今後も加速し続けるでしょうね。
手術するも地獄、手術しないも地獄
先日、とあるポストが話題に。
ポストの投稿主は、祖父に進行大腸癌が見つかり手術を受けたらしいです。そのとき、手術を受けないリスクを強調され、その圧に負けて(???)手術を受けることになったら、合併症で寝たきりになったとのこと。
これってうすうす気付いている方もいるかもしれませんが、手術するも地獄、手術しないも地獄なんですよね。
この状況で医者はどうしろと……まさに八方塞がりです。
ガッチガチの同意書を作るしかないんですかね。
まとめ
今週もカオスでした。
来週はどんなカオスが待っているのでしょうか。
次回もお楽しみに。