チャンピオンになったフェルスタッペンと、スプリント優勝を譲ったノリス #カタールGP #スプリント
※全部想像の妄想です。
スプリント最終週で自らポジションスワップしたノリス
カタールGPスプリントレースは、ノリスの見事なチームプレーによってマクラーレンの勝利に終わった。スタートから19週にわたり、ノリスはチームメイトのピアストリがDRSを使って2位を死守できるようペースをコントロールし、チェッカー直前で減速しピアストリに優勝を譲った。
ドライバーズチャンピオンシップにおいて、2位のノリスは3位に21ポイント差をつけているのに対して、ピアストリは9ポイント差で4位につけている。これを踏まえたチームによる順位スワップかと思われたが、レース後インタビューにてノリスは自主的に順位を譲ったこと、チームからはスワップを止められていたことを明かした。本人曰く、サンパウロGPのスプリントのお返しがしたかったとのことだった(サンパウロGPのスプリントにて、ピアストリはノリスに優勝を譲っている)。
フェルスタッペンと対峙しても変わらなかったノリスの戦い方
今回のスワップは、フェルスタッペンならば絶対に起きなかったであろう出来事であった。実際に、ドライバーズランキング2位を争うぺレスに6位を譲れというチームオーダー対して、フェルスタッペンは従わなかった過去がある。これを引き合いに出して、ノリスの持つこの優しさや甘さがドライバーズチャンピオンになれない要因だという声もある。
だが、私にはノリスのフェルスタッペンに対する挑戦状というか、あるいは決意表明のようなものに感じた。今シーズンのフェルスタッペンは、優位性を失ったマシンに苦しみながらも、圧倒的なスキルとペナルティすれすれのドライビングでチャンピオンをもぎ取った。ノリスとの直接対決のシーンでは、ノリスがフェルスタッペンを批判するシーンも見られた。
このようにフェルスタッペンが非常にハードなドライビングをする一方で、ノリスがフェルスタッペンほどのドライビングをするシーンは見られなかったように思う(オーストリアGPも含めて)。コース外に押し出すドライビングにペナルティが出されたことも影響したかもしれないが、ノリスは自分の戦い方を大きく曲げることはしなかった。
自分らしい戦い方で、チャンピオンを勝ち取る
空想するに、ノリスにとって2歳上のフェルスタッペンは良き友であり、ライバルであり、乗り越えるべき相手だろう。しかし、ノリスはノリスであり、フェルスタッペンではない。幾度もの優勝を重ねて4回のチャンピオンとなったライバルに対して、自分は自分のやり方でチャンピオンを勝ち取ってみせるのだという意地が、今回のスワップに見えた気がした。
シーズン後半のマシンの差を見る限り、来年はマクラーレンとフェラーリのの争いに、メルセデスとレッドブルが何処まで絡めるかといったシーズンになりそうである。2026年以降の勢力図が予想できない以上、ピアストリも今シーズン以上に貪欲にチャンピオンを狙いに来るだろう。そうなればノリスとて、今のようにはいかなくなる。今シーズンはまだ終わってはいないが、早くも来年が楽しみになるようなスプリントレースであった。