検証!"目利き王"の目は利いていたか?(BPLS4 IIDX部門)
視聴者は勝敗を予想できていたのか?
BPLS4のIIDX部門では、レギュラーステージの全試合が放映されセミファイナルへ進出するチームが決定しました。
ところで、今期のBPLでは「目利き王キャンペーン」という催しが行われていました。事前に勝敗を予想し、的中した視聴者にプレゼントが与えられるというものです。そして集計された勝敗予想データは試合直前に公開されていました。公開のタイミングに趣味の悪さを感じなくもないですが、ともかくこれらのデータと実際の試合結果を比較してみようというのが本記事の目指すところです。
当然ながらレギュラーステージの結果のネタバレが大量に含まれますので気をつけて読み進めていただければと思います。
データの取り方
BPL公式Xアカウントに対して「目利き王」で検索をかけると予想データの集計を掲載したポストが見られます。検索コマンドはこちら。
”ラウワンまさかの敗退”が数値にも
ずばり、このように予想されていました
数値が高い、つまりは勝利を多く予想されていた箇所を赤く、逆に負けを多く予想されていた箇所を青くします。
ラウワンのレギュラーシーズン敗退は多くの人にとって予想外だったというのが”目利き王”からもわかります。1位通過となったレジャーランドは「そこそこやるとは思っていたがここまで勝つとは」という感じでしょうか。
GiGOが勝つと予想された試合はゼロ、シルクハットが勝つと予想をされたのもGiGO戦のみであることもわかります。期待度で言えばレジャ・ゲパ・アピナが高く、ラウワントラッズがそこそこ、シルク・ギゴへは低調だったと言えるでしょう。
さて、上記の数値はあくまで予想です。これを実際の勝敗と照らし合わせてみましょう。この表を実際の勝敗で塗り分けてみます
視聴者の予想に反する結果となった試合は6試合ありました。以下、それらの試合を、ランキング形式で振り返ります。ランキング順位は(勝利予想%-対戦相手の勝利予想%)の数値がよりマイナスに振れた順としています。
予想を裏切った試合ベスト6
予想外ランキング第6位 APINA vs GAMEPANIC (第20試合)
事前予想はアピナが6%優勢でした(アピナ勝利予想39%とゲパ勝利予想33%の差、以下同様)。
オーダーを見ても読みにくい試合で大将のWELLOW(相手はTAKA.S)だけが若干優勢か?くらいしかわからない予想の難しい試合です。
実際はMIKAMOがCHP*1Eを撃破、TAKA.Sがストラテジーカードで抽選されたBROKENを制し勝利。とはいえ事前予想の差はわずかであり「予想を裏切った」とまでは言えないようにも思います。
第5位 ROUND1 vs Tradz (第15試合)
事前予想は約12%ラウワン優勢。KKM*の大将戦をまたずにラウワンが決着をつけるという予想が多かったものと思われます。実際はKENTANが1-PINのストラテジーカード攻勢を跳ね返す魂のプレーでKKM*に繋ぎ、トラッズが勝利しました。
第4位 GiGO vs SILKHAT (第19試合)
事前予想はシルクハットが30%ほど優勢。オーダーを見ると大将Lv12NOTESのSEIRYUが目を引きますが、中堅のVELVET(相手はLOOT)もなかなか堅そうです。
実際は先鋒NIKE.がKIDO.を撃破、LOOTとCORI-が自選曲を守ってGiGOの勝利。
dicadicaがNOTESジャンルに入っているために大将戦の引き分けが濃厚であることが、BPLマニアには予想がついていたでしょう。しかし課題曲リストまで漏れなくチェックしているのはコア層であって、多くの人はSEIRYUがパワーで押しつぶす展開を予想したのかもしれません。
第3位 GAMEPANIC vs ROUND1 (第18試合)
事前予想は38%ほどラウワン優勢。大将U*TAKAの迫力が反映されています。
実際の試合は先鋒のPEACEがいつも通りと言わんばかりの2タテ。FRIPが自選を守りきり、TAKA.SがU*TAKAから一本をとる劇的な勝利をおさめました。第20試合(ゲパvsアピナ)もそうでしたが、今期はTAKA.SがBPLを面白くしたといっても過言ではないでしょう。
第2位 GiGO vs Tradz (第11試合)
事前予想はトラッズが44%の優勢。おそらく多くの人はKKM*の2タテを予想したうえで、8$.もしくはKUREIが1曲は取るだろうと読んだのでしょう。実際はGiGOが先鋒戦でストラテジーカードを打つ戦略がハマり、大将戦を待たずに勝利を決めました。
KKM*の圧倒的パワーは多くの視聴者に知れ渡っており、目利き王においてはKKM*が出場すると30~40%ほど勝利への期待が高まるようです。
第1位 レジャーランド vs GAMEPANIC (第13試合)
事前予想は圧倒的にゲーパニ優位、なんと60%も差がありました。それもそのはずで中堅Lv11スクラッチにPEACE、大将Lv12ソフランにMIKAMOという絶望の”みかピー”コンビがレジャランに立ちはだかりました。
ただでさえ最強のPEACEがストラテジーカードを使うなどゲーパニも大勝負をかけた試合でしたが、大将のMIKAMOが大誤算。DINASOが強烈なカウンターパンチを決めて奇跡の逆転勝利に至った試合が予想外度NO.1となりました。
まとめ:BPLは思ったより予想できない
ところで、全21試合のうち視聴者の勝敗予想をひっくり返したのは6試合だったことになります。シルクvsラウワンの引き分けも視聴者の予想とは乖離していると考えれば合計7試合。つまり3分の1の試合は視聴者の予想を裏切るということになります。
筆者はBPLの試合方式は予測可能性が高すぎる(オーダーから結果が見えやすすぎる)と仮説を立ててこのデータを集めました。が、実際に集計をして考えを改めました。思ったより良いバランスで設計されていると思います。
もちろん、依然として対戦方式にはいくつかの問題が残っているのはご承知のとおりです。(選曲レベルの不均一、強豪のぶつかり合いが起こりにくい制度設計etc)しかし、リーグ戦という長期戦のなかでスリルのある勝負を提供し続けるという点ではルールが意図通り機能していると言えそうです。
【追記】セミファイナル・ファイナルの”目利き王”について
(2024/10/4に追記)
セミファイナル以降も”目利き王キャンペーン”があるようなので、データが取得可能であればこの記事も更新します。その更新についてはファイナルがYoutubeで配信されたあとに行おうと思います。
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