村上隆もののけ京都に行った感想→派手!
おはようございます、いすむです。
今回は村上隆もののけ京都展についての感想をお伝えしたいと思います。率直な感想としては、とにかく派手な展示だったというシンプルなものでした。
この展示は京都の京セラ美術館で開催されているのですが、先週無理やり京都への出張をスケジュールに組み込んで、この展示を見るために仕事を入れたような感じです・・・。
とにかく派手で、大規模で、多額の費用がかかっているのだろうなという印象を受けました。
展示会場に入ると、まず最初に目に飛び込んでくるのが村上隆さんの謝罪メッセージです。今回の展示では新作が多すぎて、全ての作品を間に合わせることができなかったとのこと。
現在も制作中の作品があり、完成したものから順次展示物を入れ替えていくそうです。なので、訪れるたびに異なる作品を見ることができるかもしれません。
残念ながらぼくは何度も京都に足を運ぶことはできませんが、そういった変化を楽しみにしている方もいるのではないでしょうか。
展示の始めは江戸時代から描かれてきた京都の街並みを表現した巨大な絵画「洛中洛外図」です。
その昔ながらの絵柄の中に、代表作であるフラワーモチーフが組み込まれていて、当時の日本の芸術と現代アートが融合した興味深い作品になっています。
絵画の余白部分には金箔が貼られているのですが、よく見るとそれは本物の金箔ではなく、ドクロマークが押印された金箔風の素材だったりと、細部にまでこだわりが感じられました。
通常、海外を中心に活動されているので日本国内で大規模な展示を行うことは稀だったのですが、京セラ美術館の関係者から京都で展示をしてみないかとの提案があったそうです。
せっかく京都で開催するのであれば、京都の歴史と現代アートを融合させた新しい文脈で、しかも全て新作で構成するという、かなり野心的な企画だったようで・・・。
実際に取り組み始めてからは制作が遅れがちになっているそうですが、60代にしてなおこのような挑戦を続ける情熱には頭が下がる思いです。
展示されている作品の多くは巨大で縦2メートル以上とか横にいたっては10メートルを超えるものもあります。
中でも印象的だったのは龍の絵のキャプション。とある先生から「たまには自分で絵を描いたらどうか」と言われて腹を立て、自ら筆を取ったバージョンだそうです。
村上氏の人間性がダイレクトに表れていますよね。前に村上隆さんの本を読んだことがあるのですが、そこでも包み隠さず感情を表現しているなあという印象でした。
また、NFTを知っている人は誰もが見たことあるCloneXの作品も展示されていました。表現が細かいのでやはり素晴らしい作品だとあらためて感じました。
美術館の外には大きな池があって、その中央に鎮座しているのが、高さ3〜4階建て分はあろうかという巨大なモニュメント。ルイ・ヴィトンの巨大なトランクケースの上に村上氏の代表作である金色の「FLOWER」が設置されています。
これはルイ・ヴィトンとのコラボレーション企画の際に制作されたもので、京都の金閣寺を思わせるデザインになっています。いやはや、派手です。
ポップな作品たちは原色を大胆に使用しつつも絶妙なバランスで配色されていたり、人間の視線の動きを計算して綿密に構図が練られていたり、作品づくりのこだわりをめちゃくちゃ感じます。
この点については、村上氏の著書『芸術起業論』でも詳しく語られています。日本の現代アートを切り開いてきた人だからこそ計算され尽くした作品づくりができるのだなと。
展示されている一つ一つの作品には、数千万円、数億円もの値がつくのではないでしょうか。
金箔を惜しげもなく使用した作品もあり、制作費もかなりのものだったようです。「〇億円かかっています」といった記述も。
村上氏の熱心なファンであるコレクターの方が、自身のゴッホの作品を売って、その利益を寄付して制作を依頼したというエピソードも紹介されていました。
ゴッホの作品といえば天文学的な価格がつくことでも知られていますが、それを手放してまで支援するファンの方がいらっしゃるというのは、アーティストとして本当にすばらしいことですよね。
9月までなので、ぜひ皆さんも足を運んでみてください。