「@cosme」エンジニア社員インタビューVol.10 特別編白幡淳平さん&本多浩子さん(前編)~ 大規模サービスの会社で働くってどんな感じ?
日本最大級の美容系総合ポータルサイト「@cosme」のVPoE(技術部門マネジメント責任者)近藤俊太郎が、アイスタイルで活躍中のエンジニアに「突撃インタビュー」!
記念すべき第10回は、去る2023年6月8日に開催されたエンジニア向け会社説明会でのトークセッションの模様をお届けします。現場で働くエンジニア社員おふたりのリアルな声を聞いちゃいました!
近藤俊太郎(以下 近藤)
今日は現場の声をざっくばらんに聞けたらと思いまして、アイスタイルで働くエンジニアおふたりをお招きしています。白幡さん、本多さん、どうぞこちらへ!
本多浩子さん(以下 本多)&白幡淳平さん(以下 白幡)
よろしくお願いします!
複数「言語」を操る IT のバイリンガル、トリリンガル…
(近藤)でははじめに、簡単に自己紹介をお願いします。
(白幡)白幡淳平と申します。 T&C開発センターの第3開発本部プラットフォーム開発1部プラットフォーム開発1グループでマネージャーをやってます。
(近藤)ありがとうございます。以前はどんなお仕事をされてましたか?
(白幡)4社ほど経験してまして、2社でお客様のお手伝いをする SIer的なことを、そのあと事業会社2社を経て現在に至ります。アイスタイルに入る前は、ネット書店とかグルメサイトの開発に携わっていました。アイスタイル入社は2020年なので、今3年半くらいです。
(近藤)アイスタイルでは具体的にどんなことをされてますか?
(白幡)@cosme をはじめとするアイスタイルのサービスを利用されているユーザーさん情報をやり取りする API とか、会員登録・ログインなどのフロント画面、カスタマーサポートの方々が利用する会員様の情報画面など、会員に関わるさまざまなシステムの開発をやっています。
(近藤)なるほど。使用言語は?
(白幡)アイスタイルの会員基盤にはすごく長い歴史があるので、Ruby もあれば、PHP もあれば、Java もあって…
(近藤)チャンポンなんですね(笑)。
(白幡)だから、いろんな知識が必要(笑)。古いものが混じっているので、従来のままで行くのか新しいものに変えていくのか、今まさに案件として挙がっています。レガシーシステムを捨てていけるよう、刷新に向けて動いているところです。
システム絶賛リプレイス中!
(近藤)続いて本多さんお願いします!
(本多)第4開発本部のUX1部で UXシステム開発1部 ウェブ開発グループに所属してます本多浩子と申します。おもに @cosme の本体、ウェブ版の運用・開発を担当しております。
(近藤)@cosme のウェブ版ということは本丸ということですね。
(本多)そうですね(笑)。
(近藤)日々どんな言語を使って業務されてますか?
(本多)メインは PHP ですが、バックエンドの機能であれば Ruby が入っていたり、新しいものだとTypeScriptで動いているものもあるので、それぞれで対応しています。
(近藤)今は AWS(Amazon Web Services)に向けてリメイクをしているという話も聞きました。
(本多)はい。@cosme のウェブのフロント画面はもちろん、バックエンドでカスタマーサービスなど運用に携わる方々が触る画面もすごく古いので、リメイクしながら新しくしていくプロジェクトも進んでおります。
(近藤)おふたりとも古いシステムをどうにか捨てたいと(笑)。
(白幡)歴史あるシステム…
(本多)捨てたいですね…(笑)。
(近藤)切なる願い、伝わりました(笑)。
質問コーナー1「エンジニア経験が浅くても応募できる?」
(近藤)ではさっそく、この説明会に向けて事前にいただいていたご質問に答えていきたいと思います。ひとつ目は、「エンジニアとしての経験が浅いのですが、応募は可能ですか?」というものです。
(白幡)可能です。先日もプログラミングスクールを経て、エンジニア経験がない方を中途採用しました。エンジニアリングの技術や知識は未熟でも、自分が実現したい姿に向けてどういう努力をしているのか、面接や書類で熱意をお伝えいただければ、我々も一緒に働きたいと考える場合があります。経験が浅いというだけで門戸を閉じることはありません。
(近藤)技術じゃない部分を評価する場合、どういうところを見ますか?
(白幡)今回、採用に至った方について印象に残ったのはプログラミングテスト後の対応ですね。プログラミングテストの結果をフィードバックしたときに、どこがダメだったのか、次はどうしたらいいかを振り返って復習して、自分の言葉で考えてきたんですよね。
(近藤)失敗から学んで自分のものにできるというのは大切なことですね。
(白幡)すごく大切。テストの結果の良し悪しだけですべてを判断することはありません。むしろ、結果に対してどう出たか、結果をどうとらえているか、結果に対して何かアクションができているかを見ます。
質問コーナー2「アイスタイルは他社とどう違う?」
(近藤)「エンジニアという観点で、他のウェブ系企業とアイスタイルの違いは何ですか?」という質問をいただいています。
(本多)アイスタイルには、BtoC のウェブメディアや EC、実店舗のシステムがあると同時に、ブランドさん向けの BtoB のシステムもあります。いろんな業種のシステムを1社で体験できるところが特殊かなと思います。
(近藤)そうですよね。ウェブシステムから POS まで全部1社でやってる。つまりいろんな部署でありとあらゆる技術が駆使されているわけですが、ちなみにおふたりはいろんなことを広くやってみたいタイプですか? それとも一点集中でとことんやりたい?
(白幡)僕はシステムを育てたいという気持ちで入社したので、そういう意味では「一点集中でとことん」ですかね。「完璧はない」とつねに思いながら、今、自分たちが考える「完璧」に向けて、「今現在のベストを作る」を繰り返して詰めていきたいタイプですね。
(近藤)なるほど。本多さんはどうですか?
(本多)私はいろんなことをやりたいタイプかもしれません。以前、実店舗の裏側で使うシステムに関わった時は、自分とは違う分野の方たちとやり取りするのがメチャクチャ楽しかったんです。でも今は @cosme の運用の中でReborn とかデータベースの入れ替えとかいろいろあって、それはそれで興味深いですし。
(近藤)Reborn といえば、本多さんには AWS のマイグレーションなど新しい取り組みの中心となってもらってますよね。やってみてどうですか? ぶっちゃけ大変なこともあるでしょうし、逆にやり甲斐もあると思いますが。
(本多)私が今やってるシステムは20年も使ってることもあり、無駄な機能が結構多いんですね。なので、「この機能は要らないだろう」というものをまず事業サイドと話し合い、不要となれば削ぎ落として…
(近藤)断捨離みたいな?
(本多)断捨離です(笑)。そこがやり甲斐であり、楽しいところですね。
(白幡)もう使ってないのにずっとそのままになっているものもありますからね。仕様を代々引き継いではいても、現任がすべてを把握してるわけではない(笑)。だから、ソースコードを見ながら「こんな仕様あったんだ」なんて発掘作業のようなことをしつつ、「じゃあ今なら何が最適か」を考えて変えていくいいタイミングかと。
(近藤)引越しがモノを処分するいいタイミングになるのと同じですね。今回のアイスタイルでいうと大がかりな引越しだから、ここぞとばかりに捨てると(笑)。
(白幡)慎重な調整は必要ですけどね。万が一使用中のものを捨ててしまったら問題ですから。密に連絡を取り合って本当に使っていないことをテストしつつ、そのやり取りをしっかり記録して、ようやく捨てられる。捨てるのも一苦労です(笑)。これは、長年続けているシステムならではの作業ですね。
レガシーシステム…古代文字を読み解くように
(近藤)先ほど「レガシー」という言葉が出ました。古いシステムと最新システムが同居していることで発生する作業とチームワークについてもお話が聞けたところですが、逆にやり甲斐を感じるのはどんな時ですか?
(本多)今現在、どんな仕組みになっているのか、資料がなくて調べようがない中、今まさに古い画面のリメイクをしてます。作った方がすでに退社されてるケースも少なくないので、どういう経緯で今の作りになってるのかわからないことも多く、そこが一番ツライところではあるのですが…
(近藤)古代文字を解読していくような…
(本多)まさに(笑)。でも新しいものにどんどん作り変えられるので、新しい技術で何ができるのか、チームのメンバーと日々模索しながら「こういうやり方もあるね」「ロジックはこうだけど、運用の方に聞いたらもっといい方法があるかも」と、試行錯誤するのが楽しいです。
(近藤)謎解きだ。
(本多)はい。パズルというか。その結果、もっと便利になったり処理自体が軽くなったりすると嬉しいですね。でも将来は謎解きしなくていいよう、次世代に向けて仕様書を作りながらリメイクしてます(笑)。
(近藤)ありがとうございます! 今は具体的にはどんな課題に取り組んでいますか?
(本多)データベースに20年分もの蓄積したデータがありまして、検索するだけでも相当な時間がかかるんですね。それを読み解きながら新しいクエリに変えて処理時間を速くしたり、データベース上での設定がそもそもおかしい場合は変えてみたり。いろんなやり方を実践しながら改善を進めています。
(近藤)ダンジョンの中から答えを見つけるのは大変ですね…。
(本多)でも見つけた時には大きな達成感があります!
大規模サービスならではのアクシデントと醍醐味
(近藤)白幡さんはどうですか? 大規模なサービスを作る会社ならではのやり甲斐と苦悩は?
(白幡)エピソードで言うと、@cosme BEAUTY DAY というのがありまして…
(近藤)1年に1度のお祭り「コスメ欲、大解放の3日間!」ですね。
(白幡)はい。BEAUTY DAY が開催される12月に向けて、毎年6月くらいから準備を進めていくんですけど、会社の成長に合わせてお客様もアクセスも増えているのに、前年のアクセス数を目安に準備してしまったがために、当日、初速時に処理遅延を起こしてしまうというアクシデントでご迷惑をおかけしてしまった過去がありまして。
(近藤)実は、昨年、5回目にして初めて落ちなかったんですよね。
(白幡)そうなんです(笑)。
(近藤)あの時は、「やったぁ!! ようやく…(嗚咽)」と社内ですごく盛り上がりましたよね。
(白幡)そうでしたね! データベース化の流れがある中で全部を一新するのは難しかったので、本当にアクセスが集中する一部のみをクラウドに持っていくことで結果的には問題なく初速を乗り越えられました。システムがダウンしないか、売り上げが伸びていくのを横目で監視してました。あれはスリル満点で楽しかったです(笑)。
編集後記
今まさに進行中の大規模なリプレイス作業。その現場のリアルな悲鳴(!?)とともに、チームで助け合いながら難問を乗り越えている姿を垣間見ることができました。後編では、説明会の視聴者の皆さまからいただいたご質問に引き続きお応えしつつ、アイスタイルってどんな会社か、どんな人が合うかを考えていきます!
過去インタビュー記事まとめ
過去記事や取材記事などはこちらにまとまってます!