「金閣寺」 三島由紀夫 書評

多数の死者を出した歌舞伎町の火事や、飛行機のハイジャック事件など記憶が風化し、世代が変わり、大きくても忘れ去られる事件はある。

金閣寺の火事もそのような事件のひとつに数えられてもおかしくないのを三島由紀夫がこの小説を通して語り継いでいる。

しかしそのようなジャーナリズム的な視点だけでなく、金閣を焼いた主人公の精神を書き出しているのがすごい。

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