「モダンタイムス」 伊坂幸太郎 書評

文庫本で上下巻に分かれている長編。

主人公渡辺の妻は過剰に浮気を嫌い、妻が過去に結婚していた2人は消えていた。
渡辺は恐妻家という言葉では足りないほど、恐ろしく謎の多い妻を持っているのにも関わらず、出来心で浮気をしてしまった。

渡辺はシステムエンジニアを仕事としていた。失踪した先輩エンジニアの仕事を引き継ぐが、その仕事は発注先と連絡が取れず、プログラムも複雑になっており、謎が多かった。
さらにプログラムに隠されたワードの組み合わせを検索した人は、失明や自殺など不幸な運命を辿っていた。
失踪した先輩が残した掲示板をたどり、主犯格と思われる大物政治家に会いに行くことになったが、そこで政治の社会の闇に触れることになり、今までの物語も全て繋がる。

社会の悪者は個人ではなく、その仕組みだということを、ワクワクするストーリーを通して投げかけている。

所々に伏線が張り巡らされ、読み返して確認したいけれど、その内容の濃さと長さにお腹いっぱいになってしまい、すぐには読み返せなそう。

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