フルーツプラネットハウス 11月
この惑星は「フルーツプラネットハウス」
フルーツの形をした惑星だからこの名前にした、とても安直なネーミングだ
ここには黒い不思議な生物が住み着いている
名前は「ギー」だ
その不思議な生物を観察することが毎月の楽しみである
今回のフルーツはなんだろうか
観察してみよう
ずいぶんと寒くなってきた
空はいつも上を見ればあるはずなのに
冬の空はどうしても夜空が多い
夜空は冷たく月明かりだけでは少し寂しい
そんな消えかけてしまう空を
望遠鏡で覗いて見てみると
そこにはいつもの謎の生物と
果物のような惑星が浮かんでいた
今回は「レモン」に住み着いているようだ
観察を続けていると
どうやらギーは
足を暇そうにプラプラと
揺らしていた
暇なのか、それとも、楽しんでいるのかは分からない
ただ、
今回の「フルーツプラネットハウス」は
「家」というより
「城」だ
そうか、ギーは
王様か、王女様かもしれない
そう考えると
ここへは何故一人(一匹?)でいるのか
何故次々と居場所を変えているのか
不思議に思っていたことを
「王様」だから、「王女様」だからという憶測から
何かあるかもしれないと考え、考え、考え付く限り
考えてみたが・・・
そんなことはやはり今はどうでもいい
目の前の「ギー」を観察して発見することが大事である
暇を持て余した王族のバカンスでもなんでもいい
ここで出会えたことを記録することに集中しよう
ただ、今回は
王族「かもしれない」という新しい発見があった
とても興味深い
では、
今回はこのへんで
と、言いたいところだが、
またすぐ記録をまとめなければならない
ではまた
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謎の生物「ギー」
記録者「???」
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絵・文:一色十秋
ここまでたどり着いていただきありがとうございます。気に入っていただけましたら幸いです。またのお越しをお待ちしております。