フルーツプラネットハウス 12月
この惑星は「フルーツプラネットハウス」
フルーツの形をした惑星だからこの名前にした、とても安直なネーミングだ
ここには黒い不思議な生物が住み着いている
名前は「ギー」だ
その不思議な生物を観察することが毎月の楽しみである
今回のフルーツはなんだろうか
観察してみよう
夕日が空を照らしていた
その日は
早めに望遠鏡で空を眺めていた
そこにはやはり謎の生物がいて
謎の果物の惑星があった
今回は「オレンジ」の惑星らしい
ただ、
そこには
ギーはいなかった
惑星にはたくさんのアヒルのような鳥が住み着いていた
ギーは
惑星の周りを
飛んでいた
飛ぶギーを見るのは初めてだった
フルーツプラネットハウスへの移動は
飛んで行っていたのだろう
この謎の生物「ギー」は
飛んでどこかへまた行ってしまう
この生物は
とても自由で
とても楽しそうで
常にひとりだった
ひとりだったが
これからは、誰かのもとへ
飛んで行くのかもしれない
それか、
またひとり違う惑星に住まうのだろう
さて、
この観察日記はこれでおしまいにする
これからは、観察日記を片手に
話し相手を探しに行こうと思う
ギーのこれからは
ギーにしか分からない
空想でも、現実でも、幻想だったとしても
面白い観察であった
一年間、お付き合いありがとう
ではまた
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謎の生物「ギー」
記録者「???」
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絵・文:一色十秋
ここまでたどり着いていただきありがとうございます。気に入っていただけましたら幸いです。またのお越しをお待ちしております。