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【投資】NTT株(9432)との付き合い方
2024年5月10日(金)、当方の主力保有銘柄の1つ、日本電信電話株式会社(NTT/9432)の2023年度通期の決算が発表されました。決算自体をここで詳細に深掘りはしませんが(既にいろんなところで分析されてますし)、2023年度については増収・増益。営業収益、営業利益、当期利益は過去最高を更新。またEPS(1株あたり利益)は2023年度を最終年度とする前中期目標を達成と、良好な業績内容となりました。
ただ株価のほうですが、今年度、2024年度が増収・減益予想ということで、やや軟調な展開となってます。また今年から始まった新NISAでも人気の個別銘柄であったため年初は190円台をつけることもありましたが、現在は160円台前半。「人気なので新NISAで買ってみたけど失敗した!」と失望している個人投資家も多そうです。
個人的には「まあNTTってこんなもんだよね」って感じでむしろ今の水準では買い増しをしていますが、いい機会ですので自分のNTT株(9432)への向き合い方について整理しておきたいと思います。
NTT株(9432)に何を期待して購入したのか?
当方がNTT株(9432)を購入し始めたのは2012年12月、今から11年ちょっと前、第2次安倍政権で「アベノミクス」って言葉が流行り始めた頃です。以前のnote("なぜNTT株(9432)が好きなのか?")でも書きましたが、ポイントとしては:
安定した株主還元姿勢。配当と自社株買いでトータル6%程度の還元率。これは現時点でも変わりません。
割安な指標。これも「激安」ってほどではないですが、現時点でPERは12倍、PBRは1.3倍、一方で収益性としてはROE14%ありますので、高くはないです。
AIブーム等流行りのテーマはありますが、通信データ量は増えることはあっても減ることはないので、何が流行っても恩恵は受けるかな…
超大型時価総額であり、流動性も抜群。多めの金額を安心して投資できる銘柄。
という感じで、長期的には年率でROE(12〜14%)並みのリターンを期待してこのNTT株(9432)に投資をしています。
停滞期はありました、でも…
かれこれ11年ちょっと保有しているNTT(9432)ですが、常に安定して株価が上昇してきたわけではありません。というより、アベノミクス以降、最初は結構堅調だったのですが、2016年から2021年にかけて、実に5年程度も低迷期がありました。当時何があったかは覚えていませんが、特に後半2020年以降は当時の菅首相による携帯料金引き下げの影響は大きくありましたね。
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当銘柄に限らずどの銘柄でも、長期で保有していれば少なからず低迷期というのは来ると思います(来ないに越したことはないですが…)。もちろんそこで「他の魅力的な銘柄に乗り換えるスキルがあればそっちに乗り換える」という選択もできましたが、残念ながら当方にはそのようなスキルは備わっておらず、じっと我慢して保有するばかりでした(笑)
「なぜこの銘柄に投資をしたのか?」に常に立ち返る
もちろんこの低迷期、なにもせずにじっと我慢していただけではありません。大事なことは、迷ったときには常に「そもそも何を期待してこの銘柄に投資をしたのか?」ということを確認することです。当該期間中においても、NTT株(9432)の株主還元方針は全く変わらず、そして指標面でも当然ですが割高になることもありませんでした。そして外部環境によらず粛々とEPSを成長させてきました。要はこの銘柄を売る材料も無かったということです。
当方、株価がフェアに価格づけされていれば「長期的には株価はROE並みに上昇する」と思っています。そういった意味では、NTT株、この11年で4倍くらいになっているんですが、年率にすると13〜14%の上昇。ほぼROE並みの上昇率ですので、想定通りですね。
NTT株(9432)はセクシー/魅力的な投資テーマで投資家を惹きつけるような銘柄でもなければ(IOWNとかありますが、あまり期待してません)、決算で市場をポジティブ/ネガティブに関わらず驚かせるような銘柄でもありません。そこは元々は電電公社。ちょっとだけまだ"官"の色合いを残す、粛々と計画通りに事業を展開していく、退屈な銘柄だと考えています。新しく投資を始めこの株を買った方も、短期的なパフォーマンスに一喜一憂せずに、淡々とお付き合いすべき相手かなって思いますね。