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【投資】米、景気後退の予兆か 「逆イールド」2年ぶり解消 - 日本経済新聞

今朝(2024年9月13日)の日本経済新聞記事。米国のイールドカーブ(利回り曲線)の逆イールド状態(短期金利が長期金利より高い状態)が2年ぶりに解消、米国の景気後退が懸念されるという内容です。


そもそも何故利上げをしてきたのか?

当方、中長期的(3年から5年くらいの期間)な景気の見通しを立てる際には、このイールドカーブ(利回り曲線)の形状を参照しています。以前このnoteにも書きましたが:

  • 過去6回の逆イールド、だいたい1年半で終了。その後米国は景気後退入り。株価は下落。

  • そもそも過熱する景気を冷やすために中央銀行は利上げを行う。利上げサイクルがピークを迎える現状(それがイールドカーブの逆イールド化)、その米国の景気が冷やされ、後退するのは当然

  • そしてその後は利下げに向かうので、それを織り込んで短期金利は低下、逆イールドは解消に向かう。

  • 為替は中長期的には2国間の金利差に連動する。上記の背景を受け、これまでの円安・ドル高トレンドは終了。今後は円高バイアスがかかる。

上記のポイントを受け、年初から海外資産(米国株・ニュージーランド不動産)を日本円に回金。日本株、特に円高メリット銘柄やJ-REIT(物流中心)を増やしてきたのは、このnoteで時々議論してきたとおりです。

短期の見通し/コメントに惑わされない

そもそも3年から5年といった中長期の視点にたてば、景気の先行きの予想はそれほど難しくはないと思います。ただ世の中の投資家の全てがそれと同じターム(期間)で相場を見ているわけではありません。この先1年はどうなんだ?2024年の年末までだとどうだ?ってなると途端に予想は困難になります。

逆イールドの解消も、過去の例ではだいたい1年半で解消されていたのが、今回は約2年と、これまで以上に長く逆イールドの状態が続きました。1年ごとのパフォーマンスが勝負の運用者、機関投資家にとっては、見通しが半年ずれることは死活問題。

結果として足元のような相場転換期には、メディアに強気・弱気双方の見方が入り乱れます。今回の記事中にも、短期的な見通しを立てることの難しさを示唆するコメントが挙げられてます。

ただ、今回の逆イールド解消はそう長くは続かないとの見方も少なくない。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の井上健太シニア債券ストラテジストは「景気の減速感はあるが、景気後退を示すような悪材料はない。行き過ぎた利下げの織り込みが修正されれば、2年金利が上昇し徐々に逆イールドに戻りやすい」と話す。

みずほ証券の上家秀裕シニア債券ストラテジストは「短期間の利下げで政策金利を3%程度まで引き下げるなどの動きがないと解消はされづらい」と話す。足元の政策金利は5.25~5.5%と高水準だ。3%程度に引き下げるにはハイペースでの利下げが必要となる。

上記はあくまでも短期的な見通しに基づいて、まだまだ逆イールドの完全解消というには慎重姿勢を見せています。当方も「今年の年末までどうなっていますか?」と問われれば、「まあちょっとどちらに行くかよくわかりませんね」という感じ。

ただ今後3年〜5年で見たらどうでしょうか?と問われると、個人的には米国は今後利下げサイクル入りするので、最終的には上記のみずほ証券のストラテジストが言うように、政策金利が3%程度(何か突発的なリスクが発生したらそれ以下も)を目指していく蓋然性が高いと考えています。

利下げ、順イールド化の先へ

さらに言えば、まだまだ数年先の話ですが「利下げサイクル終了後」のシナリオも実は今のうちから想定しています。

今後数年間は、米国の景気後退が鮮明になり、中央銀行は利下げを継続的に実施。株価は利下げ初期は景気後退の影響を受け大きく下落しますが、その後は利下げを恩恵を受けて回復。為替(ドル円)は利下げサイクル中は円高傾向を想定しているのは何度か言及した通り。

そして数年後利下げ打ち止めとなった先には:

  • その後の景気回復、あるいはさらに先の景気再過熱を想定し、今度は資金を円から米ドルにシフト。

  • 米国株のみならず、その後の金利差拡大を期待したFXでのドル買い(レバレッジをかけた高金利通貨買い)なども検討。

というのを今のうちから計画しているところです。もちろんその通りになるかどうかは誰にもわかりませんが、あらかじめ先々のシナリオを想定しておき、「そうなったらどうするか?」のプランを立てておくことは重要なことかなと思っています。

事が起こった時に慌てないようにするためにも。

#日経COMEMO #NIKKEI

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