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【投資】マネックス証券主催「マネックス・アクティビスト・フォーラム2025」に参加してきました
2025年2月1日(土)、普段利用しているマネックス証券が主催する「マネックス・アクティビスト・フォーラム2025」に参加してきました。会場はベルサール秋葉原。久しぶりに行った秋葉原ですが、昔のイメージとは様変わり。人出も多く、活気のある感じがありましたね。
自身もこれまで時価総額の小さい超小型の日本株に対し、アクティビストほどではないですが、株主総会等で経営陣との対話・エンゲージメントを通し企業価値の向上を期待する投資を志向してきました。
自分のこれまでの緩い感じのスタイルを変えるつもりはないですが、資金の多いアクティビストの考え方には学ぶところも多いと思っています。
マネックス証券も、アクティビストとしての活動に積極的に取り組み、2020年には個人投資家向けのアクティビスト・ファンド「マネックス・アクティビスト・ファンド(通称"MAF")」を設定、当方も勉強のために投資しています。また今回のアクティビスト・フォーラムも2019年から開催しているということ。早くから積極的に取り組んでいるんですね。
本noteでは、フォーラムで自身がとったノートを備忘録として残しておきたいと思います。
楠木・松本が考える日本企業への処方箋
経営学者楠木健氏とマネックス証券ファウンダー松本大氏との対談。
アクティビストは必要か?
人間(つまり、経営陣、組織)とは弱いもの。したがって規律が必要。ビジネスには競争という規律があり、人材には雇用市場という規律ある。経営にも資本市場からの規律が必要。
直接的なステークホルダーじゃないと規律を与えるのは難しい。だから株主(直接的なステークホルダー)としての規律プロバイダー(提供者)という役割。
日本企業が長期利益を獲得するためには?
個別性が高いので"日本企業"と一括りにはできない。
AIといった追い風であるOpportunity(機会)に対し、追い風じゃなくても利益を出せるStrategy(戦略)が大事。独自性を示せるか(何をやって何をやらないか)が鍵。
良い経営者とは?
コンセンサスはいらない。重要な経営判断はトップダウン。
企業の多くは、「身体は動いている(現場はよく働いている)が、頭(経営)は寝ている」。頭を目覚めさせないとダメ。
ここでのキーメッセージとして自分が理解したのは、アクティビストの役割は「ダメな子を良くする」ことではなく、「本来いいものを持っている子なのに、親や先生のせいでそれを発揮できないでいる子に、本当の実力を発揮してもらう」こと。個人投資家としてもその視点は勘違いしてはいけないなと思いましたね。
日本企業変革のカタリストは一人ひとりの個人投資家(わたしたち)
マネックス証券チーフストラテジスト広木隆氏と、マネックス・アクティビスト・ファンド(MAF)の運用会社であるカタリスト投資顧問株式会社の草刈貴弘氏の対談。基本的にはMAFの紹介。
従来の運用ように株価の上昇をただ待つのではなく、対話により企業が本来持っている潜在的な価値の創出を目指す。そして、それを他の人(他の投資家)にも評価してもらわないと株価の上昇にはつながらない。
MAFのスクリーニングとしては、1)時価総額、流動性、2)保有資産、資本構成、3)EV/EBITDA、FCFイールドといった項目をみて、50〜100銘柄くらいの候補に絞り込む。
この対談の中で、「東証の上場基準を満たせそうにないので名証に重複上場する企業についてどう思うか?」という参加者からの事前質問に対し、「そういったところに逃げる企業は放っておけばいいし、逆にいうと東証の改革が効果を発揮しているということ」とコメントがありました。
EV/EBITDAやFCFイールドは当方が一義的にスクリーニングする際には見ていないのですが、今後検討してみたいと思います。
インデックスだけではない!アクティブ投資の魅力
最後のパネルディスカッションは、アクティビストに関する議論ではなく、アクティブ vs. パッシブ(インデックス)の議論。個人的にはちょっと飛躍しているかなって感じはしますが、証券会社的にはアクティブ・ファンドも売らないと商売にならないので、展開をこういう方向に持っていくのも仕方ないですかね。
キーメッセージとしては、「いまは誰もが"インデックス""インデックス"と言う時代、そういう時こそアクティブ運用のチャンス」ということ。またそのアクティブについても100銘柄、200銘柄に投資をし、インデックス対比でセクターとちょっとオーバーウェイト/アンダーウェイとしましたとか言っている(たいしてリスクをとっていない)擬似アクティブではなく、20〜30銘柄に絞って投資をするアクティブの方が断然いいと。それについては僕も同意します。
パネリストの中には海外の大手アクティビストであるダルトン・アドバイザリーの西田真澄氏も参加。彼のコメントはもうちょっと聞きたかったですね。
「日本株はこの50年で一番面白い」(ダルトン創業者)
東証のイニシアチブによる構造的改革(Structral Change)と円安により日本株の相対的魅力度が高い。
"Greenhouse Effect(温室効果)"の変化。温室効果とは、1)政策保有株(物言わない株主)、2)社外取締役の欠如、3)「同意なき買収」ができない環境、これらの要因がどんどん変化してきている。
最後はアクティビストというよりは、アクティブ運用の宣伝みたいになっていましたが、内容の濃い3時間でした。毎年開催しているようですので、来年も楽しみにしています。