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【投資】REITもこのままではいられない - REIT、放置された利益相反問題 アクティビスト侵入招く(日本経済新聞)

今朝(2025年2月21日)の日本経済新聞記事。先日、アクティビストとして知られる投資ファンド3Dインベストメントが、NTT都市開発リート投資法人に対しTOBを仕掛け、「利害関係者取引が多いという課題を一定程度抱えている」と指摘。REITスキームにおける利益相反問題、改めて注目されてきました。


REITにおける利益相反とは?

記事中にもあるとおり、REITにおける利益相反とは、スポンサー(不動産企業といった物件オーナー)が持つ物件を高値で売却する受け皿にREITを使っているというもの。これは2001年の市場創設当初から指摘されていたようで、「REITはゴミ箱」とレッテルを貼られる背景になっています。

記事ではREIT各社は投資家の信頼を得るため、コンプライアンス体制や情報開示の強化に腐心、「スポンサーの物件を高値で押しつけるような露骨な利益相反は今ではほぼない」と言っています。とはいえ、"露骨な"ものはもうないかもしれませんが、だいたい世の中の不正、表向きには"コンプライアンス体制"や"情報開示"がしっかりしていると謳っているのに起こっていますので、全く無いわけではないと思います。

一方で、物件取得もそんなに簡単なことではありません。上場株式ではいつでもどのタイミングでも好きな株が買えますが、不動産って一期一会ですからね。スポンサーとのつながりがプラスになるのはそうだと思いますし、当方もそれ自体は大きな問題だとも思っていません。

REITにおける隠れた利益相反

今回の記事で改めて脚光が当たって欲しいと思っているのは、記事にもある"隠れた利益相反"について。当方もこの部分については、あまり意識をしたことがなかったので(まあそこまで深く考えずに投資をしてしまっていたわけですが)、勉強になりました。

賃料引き上げ交渉ができるのか?

まず1つ目の隠れた利益相反が、利害関係者/グループ会社がテナントとして入る物件が多いため、賃上げ交渉しづらいという問題。結局、スポンサーも運用会社も、テナントも全てグループ企業/利害関係者によって成り立っているので、賃上げ交渉にしても、REIT投資家の利益が優先されないのでは?という疑問は残ります。

運用成績悪いのに運用報酬伸びている?

もう1つの隠れた問題が、REITの相場が低迷、パフォーマンスが悪いにもかかわらず運用報酬は増えているということ。ここはあまり細かく見ていなかったところなので、盲点でしたね。あとで自分が投資をしているREITについても、時価総額(パフォーマンス)と運用報酬の推移を確認してみたいと思いますし、半年に1回、REITから送られてくる決算資料、もうちょっと真剣に確認してみようという気にもなりました。

日本経済新聞記事より抜粋

ツッコミどころ満載のスキーム→改善の余地があるということ

上記の利益相反問題。「だからREITは信用ならないので投資をしない」という考えもわかります。他にも投資対象はいっぱいありますからね。

当方はすでに投資をしているので、このツッコミどころ満載のスキームについては、アクティビストがカタリストとなり「今後改善の余地がいっぱいある」、つまり投資家利益の改善が進むとプラスに捉えています。投資というのは、それが企業の株であろうとREITであろうと、「いい企業が高く評価されている」から儲かるのではなく、「本来はいいはずなのに、さまざまな理由で評価されていなかったのが、改善する過程で価格が上がる」から儲かるもの。そう言った意味では、上記2つの「隠れた利益相反」は改善できるものではありますし、もっと(他のアクティビストも含め)注目されることを期待しています。

#日経COMEMO #NIKKEI

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