【投資】日本株も好きな理由
先日、自分がなぜ米国株が好きなのかについて議論させていただきました("なぜ米国株が好きなのか?")ので、今回は日本株についても話をさせていただきます。
日本株については、米国株と並んで当方の主要な投資対象の1つでした。というか、ほぼ米国株と日本株のみ。他の先進国や新興国の株は一部遊びで保有していたことはありましたが、自身の運用資産を牽引してきたのは米国株と日本株です。それは今後も変わらないでしょう。
なによりもまずパフォーマンス
この記事を書いている時もちょうど「日経平均株価、一時3万2000円台 取引時間中で33年ぶり高値」と、最近の日本株の堅調さを示すニュースが出ていました。中には「30年超かかってようやく戻ってきた」的な見方もありますが、そもそもバブル期の株式市場を経験してない自分からすると、日本株についても、米国株同様、ほぼ右肩上がりのイメージを持ってます。
以下は日経平均の過去20年のチャートです。リーマンショックでは大きく下落、しばらく低迷する期間(2011年の震災等もあり)がありましたが、その後は右肩上がりで上昇してきています。
実は同期間でNYダウと比較しても、この20年でもNYダウと遜色のないパフォーマンスを示しています。
皆さんの中にはひょっとして、「日本株は低迷、米国株は堅調」というイメージもあろうかと思いますが、この10年、20年でみると日本株も非常にいいパフォーマンスだったということです。
日本にいて日々日本のニュースに触れていると、経済面でネガティブなニュースも多く、「日本は今後大丈夫?」的な気分にもなります。ただそういうニュースの陰で、地道に日本企業は頑張ってきたといえます。
魅力的な個別株の投資機会
もう1つ、僕が日本株を好きな理由として、機関投資家が投資対象としない時価総額の少ない銘柄の多さが挙げられます(個別株の投資機会)。以下のグラフは、ちょっと古めのレポートになりますが、「野村資本市場クオータリー 2014 Winter」から抜粋したものです。
同レポートの要約をさらに抜粋すると:
日本の上場企業の3分の2は、時価総額300億円未満のいわゆるマイクロキャップ銘柄である。東証1部といえども約3割がマイクロキャップ銘柄である。これに対してNYSE上場企業、ロンドン証券取引所上場企業には、マイクロキャップは少ない。
上場企業の過半を占めるマイクロキャップの活性化無くして、日本の資本市場の活性化は無い。マイクロキャップには、優れた企業も多いため、こうした企業の育成につながる施策が望まれる。
時価総額300億円未満のマイクロキャップ銘柄、さらには時価総額100億円未満の超マイクロキャップ(造語です)銘柄は、時価総額が小さすぎるために、ほとんどの機関投資家は投資対象としていない、その結果としてアナリストのカバレッジの対象になってない銘柄群です。もちろん、マイクロキャップに止まっているにはそれ相応の理由があるわけで、一筋縄ではいかない銘柄群です。しかし、その玉石混交の中から、面白そうな銘柄を見つけるのも、個人投資家の楽しみではあります。機関投資家と戦う土俵が違うという意味でもいい対象です。
ただ、この見放されている銘柄群、見放されているだけあって市場が上昇する局面でも、しっかり見放されている…という特徴もあります(笑)そういうこともあり、自分自身はこれまで、日本株についてはいくつかの大型銘柄と上記の小型、マイクロキャップ銘柄の組み合わせで投資を行ってきました。
構造的な変化
最後に、今後も日本株に対する自身の前向きな姿勢が変わらないであろうと思う背景が、最近の東京証券取引所による市場の改革です。2022年4月、これまでの第一部、第二部、マザーズ、JASDAQの4つの分類を統廃合し、プライム、スタンダード、グロースの3つの区分がスタートしました。そして、対象企業にはそれぞれの市場の基準を満たすことが強く求められています。また最近では、PBRが1倍を下回っている企業に改善を求めたり、また投資家からもバランスシートに溜め込んだキャッシュを還元するよう求めたり、内から外から、さまざまな改善が行われています。
この日本株市場の変化は、後戻りすることない構造的変化として、今後の自身の日本株投資の後押しをしてくれると思っています。