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【投資】芝浦電子(6957)へのTOB - 株価はTOB価格を上回る…

さて昨日のnoteにも書きましたが、当方保有銘柄の1つ温度センサーの最大手、芝浦電子(6975)が台湾の電子部品メーカー、ヤゲオから4,300円でTOBがかかった件の続報。

現在、株価は2日連続でストップ高気配。4,535円と、なんとTOB価格4,300円を上回っている状況です。

芝浦電子の板状況 from マネックス証券

今回は現在の株価(寄ってませんが)がTOB価格を上回る、その背景について少し考察してみたいと思います。


3月末の配当を考慮

芝浦電子(6957)の決算期は3月末。現在のところ1株あたり150円の配当が予想されています。ヤゲオによるTOB開始は、3月末の権利確定後5月7日からなので、株主から見ると150円の配当金を確定後に4,300円でヤゲオが買ってくれるということになり、実質4,450円の価値があるということになります。

もちろん1株あたり150円の配当は確定ではありません。12月末、第3四半期の決算発表はこれからですので、業績の動向によっては増配、あるいは減配のリスクはあります。他の要因がなければ、市場は増配も期待しているという解釈なのかなって思います。

TOB防衛策への期待

現時点では、ヤゲオからのTOB公表を受け、芝浦電子サイドで彼らの見解を公表すべく検討されている段階です。ボールは芝浦電子にあるということ。

個人的には4,300円ですら安いと思ってますし、また経営陣もすんなりと「TOBには賛成ですので、株主の皆さん、TOBに応募してください」って見解にはならないと思います。

そうすると、このTOBから防衛するためのなんらかの施策がとられるはず…という期待はありますね。当方は、こういう買収からの防衛策等に関する専門家ではないので、どういう手段があるかはよく理解できませんが、例えば3月末確定の配当を増やしたり(手元流動性も結構あるので)自社株買いを行い、株価を4,300円以上に釣り上げるということはあり得るのかなって思ってます。

ヤゲオ側が本当に芝浦電子のことを買収したければ、それに対抗しTOB価格を引き上げる…なんて展開もあるかもしれません。

ホワイトナイトの登場

ホワイトナイトとは、敵対的買収から企業を守るための買収防衛策のひとつで、友好的な買収者(白馬の騎士)のことをいいます。

EVやデータセンターへの需要を背景に、温度センサーへの需要も今後堅調に続いていくと思われます。例えばダイキン工業(6367)のような関連企業から見ると必要な技術です。

当方はこのダイキン工業(6367)がホワイトナイト候補だと勝手に期待しています。芝浦電子(6957)の主要販売先です。時価総額4.8兆円、前年売上高4.4兆円、手元現預金7,000億円超。ヤゲオに余裕で対抗できる規模、手元流動性です。

あとはヤゲオの競合他社。ちょっとググってみると日本で言えば村田製作所(6981)ですかね。時価総額5兆円、前年売上高1.6兆円、手元現預金4,000億円超とこちらも対抗するには十分な規模です。

技術力の高い日本のメーカーが海外企業に買収されるくらいなら、日本のメーカーに…という展開は当然あろうかと思いますね。

(余談)外資系証券出身の社外取締役

ところで上記のテーマと外れますが、直近(2024年3月期)の有価証券報告書によると、芝浦電子(6957)には岸波みさわ氏という社外取締役がいらっしゃるようです。日本興業銀行からゴールドマン・サックス証券、UBS証券の投資銀行部門を渡り歩き、2022年から芝浦電子の社外取締役に就任しています。

芝浦電子の有価証券報告書より抜粋

今回のTOBに関し、ヤゲオ側の公表によれば昨年の9月から芝浦電子側に面談を申し入れるが全て拒否。そして12月末には買収提案を行うも、それに対しても反応がなかったということで、その間芝浦電子の取締役会での議論やこの社外取締役、岸波みさわ氏の貢献、ヤゲオに関してどう議論に関わり、経営にアドバイスしてきたのか気になるところです。そして(お飾りの社外取締役でないのであれば)今回のTOBに関して氏の芝浦電子サイドでの活躍は期待したいところです。保有株数はゼロのようですが…

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