私はオタクが恥ずかしかった
私はオタクが恥ずかしかった。
恥ずかしい、というのは自分が"オタク"であることでも、もちろん推しを推していることでもない。
夢も目標もない私が誰かの努力や経験にしがみついて、自分の人生を豊かにしているのが恥ずかしかった。
それに付随して、恥ずかしさはいろんな場面で顔を出す。
そしてそれは時に自虐ネタにして笑ったり、逆に斜に構えてしまったり、あまり良い相乗効果はない。
このnoteは過去の推しへの懺悔と、同じ気持ちのオタクに向けての発信と、私の大好きなOWV(オウブ)の宣伝を込めて書いていく。
「趣味は?」
質問界隈の中で2番目に聞かれたら困る質問だ。
(ちなみに1番聞かれたら困るのは「犬派?猫派?」である)
アイドルを好きであること以外、特に趣味はない。
私は札幌在住のため、ちょっとオタクを隠したいときは「旅行」と答えていた。
もちろん旅行と書いて遠征と読むので行き先はほとんど東京である。
話が全く広がらないのでいつからかやめた。
「アイドルが好きで……」
そう答えると大抵、「へ〜、誰が好きなの?」と展開していく。
これまた困る質問だ。
このテンションで聞いてくる人はほとんどの場合アイドルに興味はない。
ここで例の恥ずかしさが出てくる。
私がOWVに出会う前は相手の様子を伺いながら適当にぼかしたりしていた。
言ったところで「全然わからない」となるのが目に見えているから。
職場のおじさんとの世間話で、某事務所のJr.が好きだったときは適当にデビューしてるグループの名前を挙げたりした。
K-POPアイドルが好きだったときは最初に「韓国のアイドルで……」と言うと大体わからないと身を引いてくれる。
とにかく、その瞬間がいつも恥ずかしかった。
私は楽しいと思ってアイドルを応援してるはずなのに、堂々と言えない自分が恥ずかしかった。
それと同時に、推しへの罪悪感すら感じていた。
パッと名前を出して一発でわかってもらえるアイドルを好きになったことがない。
語弊を恐れずに言うと、まだOWVもそのフェーズではないと思う。
それでも今の私は少し違っていて、質問②の「誰が好きなの?」に対してはっきりOWVと答えるようになった。
わからないと返されたら、すかさず説明を加えるようにしている。
吉本所属で、4人組で、私と同世代で、仲が良くて、おもしろくて。
オールスター感謝祭の赤坂マラソンわかりますか?それで優勝したことあるメンバーがいて。
27時間テレビの100キロマラソンで2位だったり……。
(本田くん並みに文哉の走り仕事擦ってる)
ひとりでも多くのひとにOWVを知ってもらいたい。
私は趣味を聞かれることも、OWVを広めるチャンスだと思うようになった。
どこかでOWVの名前を見かけたときに、そういえば誰かが好きって言ってたな、ってすこしでも頭の片隅に残るように。
せっかくOWVが興味を持ってもらえるフックをたくさん用意してくれているのだ。
私たちがそれを使って宣伝しないでどうする。
次からは学園祭がコンセプトのファンミーティングで、ファンとメンバーが本当の合唱をしたことも説明に加えようと思っている。
王舞学園 王舞祭2024
私はオタクが恥ずかしくなくなった。
私はこれまでにメンバーの舞台、リリースイベント、サンリオピューロランドのDJイベントでOWVの活動を見たことはあるが、単独ライブは初めての参加だった。
2024年11月10日@立川ステージガーデン
大阪公演は11/23(土)、お時間ある方は是非。
制服こそ着なかったものの、私はプリーツのミニスカートにビビットなイエローのグッズTシャツを着て、ツインテールで立川の地を踏み締めた。
今年で27歳、不思議と羞恥心はなかった。
私が今まで感じていた恥ずかしさはここでも表れていた。
推しのメンバーカラーを身につけると会場ですぐに誰の推しかバレてしまうので極力控えていたし、ツインテールだって高校で封印したはずだ。
もちろん今回のコンセプトが学園祭ということもあり、会場は制服やメンバーカラーのジャージを着たファンで溢れていた。
その中での私は特段おもしろくもない仕上がりではあったが、私にとっては割と大きな一歩だった。
あの会場で360度見渡して、心底いい環境だなと思ったのだ。
王舞祭の開催が発表され、彼らの学ラン着用が決まる前から本田くんは「別に皆さんの服は何でもいいです(制服じゃなくていいよの意)」と言ってくれていた。
それでも学園祭コンセプトを汲み取り、全力で制服やジャージを着て参加した多くのファン。
楽しむことに全振りしていて本当に良かった。
もちろん私服のファンもいる。
私も私服側だった。
何がいいって、この両者が共存できている空間があたたかかったのだ。
本当にお祭りのようで、会うフォロワーと「写真撮ろう!」となる度に、楽しくなかった高校時代の学祭の記憶が上書きされていく。
各々が自分らしい楽しみ方をできる環境で、それをOWVとファン、そしてファン同士受け入れ合いながら王舞祭は作られていた。
誰もが楽しめる空気感を、あの会場にいた全員が無意識に作り上げていたように思う。
そこに年齢も性別もファン歴も関係ない。
私は開演前から「来て良かった」と、心から思っていた。
これからも自分のそのとき着たい服を着て、したい髪型でライブに行こうと思えた。
開場後も席の近いフォロワーと手を振り合ったり、同行した友だちと胸躍らせたり。
そわそわしている中でライブ恒例の注意事項アナウンスが流れる。
王舞学園の注意事項は"校則"としてアナウンスされた。
世界観の作り方がOWVらしくて、いよいよ始まるのかと客席のボルテージも上がっていく。
今回の王舞祭は歌って踊ってのライブパートはありつつも、ベースはファンミーティングなので彼らが私たちを楽しませようと長い間企画してくれたであろうコーナーが続いた。
その中のひとつに"合唱コンクール"がある。
突如投稿された合唱練習の動画にはさすがのファンも戸惑いを隠せなかった。
東京の1部で『3月9日』、大阪の1部で『旅立ちの日に』。
私も家でこの動画を流しながら何度も練習をした。
どういうコーナーになるのだろう。
立ち上がったファンと、始まるBGM。
会場が一体になった瞬間だった。
先ほど服装の話をしたが、こういうコンセプトが定まっているイベントに関わらず、ライブでは来場者の数だけ個性がある。
それこそ今回はより一層ひとりひとりの個性が表れたファンが集まっている中で、完全にひとつになったのが"合唱コンクール"だった。
正直、本当に申し訳ない、OWVの声は聞こえなかったけど……
それくらいファンが本気で楽しむために準備をしてきたのだと思うと、改めてOWVに出会えたことを感謝した。
OWVもあまりの完成度に驚いて褒めてくれた。
あの時間、何よりも尊くてあたたかかったなあ。
1部も2部も内容は全く違っていながら、どのコーナーも需要を的確にわかっていて、悔しいくらい楽しかった。
し、たぶんOWV自身もとても楽しんでいた。
秀太が「次のコーナーはこちら!」と紹介してくれる度に、悲鳴のような歓声のような絶叫をあげた。
ライブパートが始まってからも、ワーとかフーとかキャーとか言いながらその場を目一杯楽しんだ。
楽しんだもん勝ちである。
ただ、今まではこれも恥ずかしさによってイマイチ楽しみきれていない部分があった。
曲中に歓声をあげるような、参加型での楽しみ方を遠ざけていたのだ。
もちろん界隈によってはそれが良しとされづらい文化もあるとは思うが。
2020年からコロナが流行し、徐々にライブが解禁されていく中でも声出しは禁止のまま。
私はそのときに行っていたライブで、自分はこっちの方が楽しみやすいなとすら思っていたくらいだ。
その名残を抱えたまま、歓声OKになってもなかなか声は出なかった。
出てこなかった。
OWVとそのファンは、今くらいはバカになってはしゃいで楽しもうよと言ってくれているように感じた。
恥ずかしがってる方が恥ずかしいのだと、気づかされたような気分で。
これに関連して、私は今までアンコールもまともに声を出せたことがない。
手を叩くのが精一杯だった。
元気がある人が頑張って……私は声も低いし……と、なんともひどい思考である。
ちなみに学生時代、体育の準備体操でも声を出さなかったタイプだ。
ところがどっこい、王舞祭では終始「OWV!王舞!OWV!王舞!」と声を出し続けた自分がいた。
寿司拍手をしながら。
本編が終わってもまだ会場は暗かったし、アンコールがあるというのは確実だったものの、それは当たり前ではない。
そして何より、私はまだ終わってほしくなかった。
最初から最後までアンコールをし続けたのは、本当に中学生のときに行ったHey!Say!JUMPのコンサートが最後だと思う。
またOWVにステージに立ってほしい。
そんなに言うなら仕方ないな、と戻ってきてほしい。
ただその一心だった。
王舞祭のOWVは一生懸命全力で私たちを楽しませようとしてくれた。
それならば、それに対して全力で彼らの名前を叫ぶまで。
OWVが再びステージに戻ってきたとき、私は今まで感じていた"オタク"への恥ずかしさがすべて払拭されたように思う。
そしてここで発表された来年のツアー『VERSUS』、幕張メッセで開催される5周年ライブ『SUPERNOVA』。
終演後モニターにデカデカと映った幕張メッセの文字を見て、涙が止まらなかった。
まだOWVを知って約半年しか経っていない私が、おいおいと涙を流し続けてしまった。
相変わらず私自身の夢も目標もないけれど、OWVの幕張メッセを埋めるということを、彼らと一緒に目指そうと思った。
もう私はオタクでも恥ずかしさを感じていない。
OWVのことが好きで、彼らに出会えた自分を誇らしいとすら思う。
OWVの幕張メッセ、楽しくないわけがない。
赤、紫、黄、青に光ったペンライトの海が、全員でOWVの名前を呼ぶ瞬間に、絶対に立ち会いたい。
恥ずかしさを捨てられたのは私が吹っ切れたからではない。
彼らと同じ方向を向いて、戦うと決めたからだ。
OWVには、人を巻き込む力がある。
それならば、存分に巻き込まれてやろう。
私はオタクで良かったと自分を褒めた。
手を繋いでマイクなしで、「以上、OWVでした!」と叫ぶ4人がどれだけちいさくなっても見逃さないように。
私はこれからもオタクとして、元気に胸張って早口で喋り倒していこうと思う。
ありがとうOWV、私をQWVにしてくれて。
絶対にー幕張埋めようねー ウンッ
(ヨネダ2000さんのオマージュ)
ちゃま
補足
誤解のないように補足するが、ライブ中やアンコールで声を出すか否かは善悪にはつながらない。
私が応援して13年目になるゴールデンボンバーはライブの序盤で「棒立ち大歓迎!椅子があるから座ってもいい!」と言ってくれる。
楽しみ方は十人十色である。
今回私は声を出して楽しみたいのに恥ずかしくてできなかった、というのが前提であることを忘れないでほしい。
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