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【育休体験談vol.06】「妻に楽しんでもらえる育休期間になった」

「ひとりひとりの声や体験は、誰かの希望につながる」との考えから、パパママの声や体験談などを「LINEで1日1問育児クイズパパ力検定」でのアンケートなどを通して募集し社会へ発信しています。

育休取得体験談のコーナー第6回。
今回は、高等学校教諭で育休を取得したパパさんのお話です。

「共育て社会」へのはじめの一歩
育休取得体験談

Yさん
育休中の所属等 :教職員  
家族構成 :妻、長女(2018年生まれ)、長男(2020年生まれ) 
取得期間:第1子 産休2日・育休3日/第2子 産休4日・育休5日

ピックアップ

高校教師なので、自分が育休を取得することで「みんなも取っていいんだよ」と生徒たちに言いたかったという気持ちもあります。

育休準備編

【取得しようと思った理由】

岐阜県大垣市の子育て支援施設に、パパ向けの本がありました。その本の中で、「欧米では育休を取らないと白い目で見られる、日本では育休を取ると白い目で見られる」という記述があり、日本は古いんだなと思ったことが発端です。
高校教師なので、自分が育休を取得することで「みんなも取っていいんだよ」と生徒たちに言いたかったという気持ちもあります。男子がほとんどの高校なので、将来の奥さんの負担を減らしてあげてほしいし、男性が育児するのが当たり前だよという感覚を持ってほしいと思っています。自分ができなかったことを「やれ」と言っても生徒には響きません。自らが育休を取得し、手本となる姿を見せたうえで「取得するといいよ」と伝えることができてよかったです。
 

【取得にあたって準備したこと(仕事面)】

まず、仕事が忙しくない時期を選んで取得しました。
1年のうちに、忙しい時期と余裕がある時期はわかっています。ですから、業務が忙しくない時期に取得することで、自分にも周りにも負担が少なかったと思っています。
また、普段から「子どもの面倒をみている」ということを自分から発信していました。そうすることで、「大変だね」「がんばってください」と理解・応援が得られます。

【取得にあたって準備したこと(家庭・子育て面)】

「育休中に何をするか」を事前に考えてから取得することが大切だと思います。何も考えずに育休に入ってしまうと、何をしたら良いかわからないままに終わってしまいます。
育休取得期間が短くても、子どもと一緒に児童館に行って妻がひとりになれる時間を作ろうとか、妻に旅行に行ってもらおうといったことを考えていました。
ぼくが育休を取得したのは、第1子の時には生後5か月頃、第2子の時には生後7か月頃でした。生まれた直後に育休を取得するのは仕事上難しく、他の先生にも生徒たちにも影響が大きいので選択できませんでした。ですが、妻の体調も少し落ち着いてきた頃に取得できたため、妻に楽しんでもらえる育休が取得できたと思います。

育休真っただなか編

【印象に残っていること】

全てのママに敬意と感謝を払わないといけないと強く思いました。着替えやご飯を食べさせることにしても、なんでも大変です。大人がすべてやってしまえれば簡単にいく部分もありますが、子どもがやりたいと言えばその意志を尊重したい気持ちもありますし、尊重しないと癇癪に発展してしまうこともあり大変です。
世の中のママさんたちは本当にすごいです。
ぼくは電車通勤をしていますが、ベビーカーで移動している方を見かけたら、「段差はお手伝いします」など声をかけるようになりました。

【しんどかったこと】

ぼくが一所懸命子どもに関わっていても、「ママがいい!」とぐずられてしまうことが多かったので弱っていました。お風呂に入れるとき、ご飯を食べるときも、「ママがいい」と言われてしまうと、「弱ったな」と思います。日頃、子どもたちと関わる時間が少なかったので、できないことが多くて難儀しました。靴下がどこにあって、必要なプリントがどこにあって、ということも一つ一つクリアしていかないといけなかったことがしんどかったですね。

【楽しかったこと】

平日に子どもと一緒に遊べたことがよかったです。子どもに「パパ、お仕事に行かなくていいの?」と聞かれ、「今日は休みなんだよ」と言うと、「わーい」と言われたのは、とても嬉しかったですね。
児童館に行ったり、公園に行ったり。何気ない近所の公園でもすごく楽しくて。平日の昼間は車も少なくて安心なので、公園にはワゴンカーに子どもたちを乗せて引っ張っていったりもしました。いつもは荷物を運ぶために使うだけで、自分たちは乗れないのに、特別に乗ることができて子どもたちは嬉しそうにして気に入っていましたね。
そうして遊びに行くと、途中で街の人に話しかけられたりもしました。子ども同士が公園で遊び始めるとすぐにお友達もできました。そうしたやり取りの一つ一つが幸せでした。

育休を終えて

【取得期間について】

取れるならもっと長い日数を取りたいですが、業務を考えると難しいですね。長く取得するなら、1年単位の方が取りやすい職種だと思います。例えば代わりの人を1か月間頼むのは難しいので、1年間まるまる代わってもらう方が休みやすいのです。ふたごが生まれて育休を取得した、同僚の男性教師はそうしていました。

【復帰してから大変だと感じたこと】

仕事では、長期休みの期間を活用できたので大変だと感じたことは特にありませんでしたが、家庭の方では、子どもが風邪を引いた時などが大変ですね。妻と交代で面倒をみたりもしますが、両親の助けを借りられる環境にあり、とても助かっています。

【これから育休取得する男性へのメッセージ】

出産は大怪我と同じだと本でも読みましたが、産後のママは本当に大変なので育休を取得できるならぜひ取れたら良いと思います。育休を取得すると、ママの大変さを一部はわかってあげられます。「トイレに行く暇もない」と言われたことがあり、最初はピンと来なかったのですが、育休を取得していた期間に実感としてわかってあげられました。妻が疲れた顔をしている時にも、育休を取得していれば少しはわかってあげられます。それはお互いの夫婦関係にも良いことだと感じています。特にまる1日、ワンオペで育児をする経験は非常に大事です。
また、育休を取得するとなったら、その期間にやりたいことは事前に計画しておいた方が良いですね。そうしておかないとあっという間に1日1日が過ぎていきます。
その期間の過ごし方も、夫婦での対話が大切だと思います。

【パートナーより】
「コレをやる!」という目的意識を持ってくれたので、安心して子どもを任せられました。男性(パパ)が育休を取るときは、女性(ママ)も育休中であることが多いと思います。そうなると、パパは「育休中のママのサポート」と考えてしまう人も多いと聞きました。

夫は「サポート」という気持ちではなく主体的に「あれをやろう」「あそこに行こう」と行動していた点に感謝です。子どもを任せている間は、自分一人でだけで買い物をしたり、ボーっとしたり・・・・・・些細なことのようですが、子どもと一緒ではゼッタイにできないことができてとてもいい気分転換となりました。

そもそも、育休を取る前から子どもたちと関わってくれていたのがよかったと思います。周りの人の話ですが、普段何も育児をしていない人は、いざ育休を取得しても「何をしたらいいかわからない」「どうすればいいかわからない」となってしまいます。
これから取得する人にとって、パパ、ママ、子どもにとっても素晴らしい育休になることを願っています。



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この記事を書いた人

私たちは、こども家庭庁が推進している「こどもまんなかアクション」に取り組んでいます。

「こどもまんなかアクション」とは
こどもの意見を聴き、その意見を尊重し、こどもや若者にとってよいことは何かを考え、自分ができるアクションを実践していくことです。どんなこどものことも考えていきます。
こどもまんなかアクションの展開について
こどもや子育て中の方々が気兼ねなく様々な制度やサービスを利用できるよう、地域社会、企業など様々な場で、年齢、性別を問わず、全ての人がこどもや子育て中の方々を応援するといった社会全体の意識改革を進めるための取組です。

こども家庭庁のHPよりhttps://www.cfa.go.jp/mannaka-mark/


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