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【育休体験談vol.11】大事にしたいものが増えて人生がより豊かになっている

「ひとりひとりの声や体験は、誰かの希望につながる」との考えから、パパママの声や体験談などを「LINEで1日1問育児クイズパパ力検定」でのアンケートなどを通して募集し社会へ発信しています。

育休取得体験談のコーナー第11回。
今回は、不動産関係の企業にお勤めで、育休を1年間取得したパパさんのお話です。

「共育て社会」へのはじめの一歩
育休取得体験談


お名前 M.Sさん
育休中の所属等 :不動産関係
家族構成 :妻、長男(2023年生まれ)
取得期間:およそ1年間(2023年2月〜2024月1月)
 

ピックアップ
子どもが誕生してからの最初の1年は成長著しく、本当に貴重な期間です。その1年間を子どもと過ごすことができたのは、私たち家族にとって大変幸運なことでした。また、同時にそれは苦労の多い時期でもあります。家族で協力して乗り越え、喜びを分かち合うことで、絆が深まったと感じています。妻には本当に感謝しています。

育休準備編

【取得しようと思った理由】

共働きで、それぞれの実家が遠く、両親の援助が受けづらい状況でした。あまり親に負担をかけたくないという気持ちが互いにあり、結婚当初から話し合い、妻と私の二人とも育休を1年間取得して頑張ってみようということになりました。

【取得にあたって準備したこと(仕事面)】

育休取得の希望を職場へ伝える時には、かなり緊張しました。「(職場や同僚に)迷惑をかけちゃうなぁ、気まずいなぁ」という思いがありました。ですが、実際に話してみると、みなさん好意的に受け止めてくださり、ありがたかったです。
会社の上司には、結婚当初から「子どもを授かったら育休を取得したい」という希望は伝えていました。改めて上司に伝えたのは安定期に入ってからで、同僚にも少しずつ育休取得について話していきました。
私の会社では、男性で1年間の育休取得は初めてのケースでしたが、前々から会社に希望を伝えていたことに加え、近年、短期間ではありますが男性が育休を取得している事例が増えてきており、そうした方々が雰囲気を醸成してくださったおかげで、取得がかなったのではないかと思います。

【取得にあたって準備したこと(家庭・子育て面)】

妻も私も、産休育休に入る前までは目一杯働いていたため、なかなか準備が進められませんでしたが、帰宅後の夜に相談する時間を設け、既存の準備品リストなどを参考に少しずつ準備を進めました。

育休真っただ中編

【楽しかったこと】

家族3人でゆっくり散歩をすることにしみじみと幸せを感じました。近所の公園や大学などに行き、新緑や紅葉など季節の移り変わりを楽しむことができました。今までの人生で一番穏やかな時間だったと思います。
 
それから、互いの両親が本当に喜んでおり、孫である息子を可愛がってくれている姿を見て、私も妻も嬉しくなっています。両親達は我々に対して過干渉になるのではなく、ひたすら息子を可愛がってくれています。孫が生まれて両親達が生き生きとしているのを見ると、こちらも本当に温かい気持ちになります。

【価値観がアップデートしたと思ったこと】 

かつて「子どもが産まれると価値観が変わる」と聞いたことがあり、当時は半信半疑だったのですが、本当に変わりますね(笑)。
女性は出産時に「子どもが一番」というスイッチが入るのでしょうか。男性の私は子どもが生まれてすぐにというわけにはいきませんでしたが、はっきり変わっていった自覚があります。例えば、子どもの事故のニュースに接すると、それが息子だったらと想像してしまい、心の傷みが深くなりました。また、自分にとって優先したいものとして子どもが上位に来るようになり、大事にしたいものが増えて人生がより豊かになっている感覚が生まれています。
 

【しんどかったこと】

完全母乳育児だったので、妻に負担が偏ってしまっていたことが心苦しかったですね。おなかを空かせて息子が泣くと、何もできなくて無力感に苛まれていました。また、妻は夜間授乳で睡眠不足に陥り、体力的に本当にしんどかったと思います。代われるものなら代わってあげたかったですが、妻が頑張って搾乳しても哺乳瓶は嫌がって飲まなかったので、授乳は妻が100%頑張ってくれていました。
その分、私が家事や買い物など一通りやるように心がけていましたが、それでも割に合わないように感じていました。
 
また、子どもの寝かしつけが本当に大変でした。私は暑がりなので、夏場に子どもを抱っこし続けていると暑くてとてもしんどくて。抱っこしていても30分以上泣き続けて暴れて寝てくれないと、途方に暮れました。
妻と話し合いながら寝かしつけの方法を試行錯誤していき、その甲斐あって、今では布団に寝かせてトントンしているだけで寝てくれるようになり、助かっています。

【印象に残っていること】

「立ち上がった」「3本目の歯が見えてきた」とか大きなイベントはもちろんなのですが、日々の小さな成長、小さなイベントを余さず見られたことがよかったです。昨日までできなかったことが今日はできるようになっている、発語が増えている…そういうものの集合体がすべて、良い思い出になっています。

育休後

【取得期間について】

約1年間の育休をいただいて、最近職場に復帰しました。仕事の手順を忘れてしまっていたり、やり方が変わっていたりで、追いつくのが大変ですが、なんとか頑張っています。これ以上長く育休を取得していたら社会復帰が難しかったかもしれませんね(笑)。
逆に、もっと短期取得の方がよかったかというとそうでもありません。
息子は生後10か月頃がとても大変な時期だったので、その前に復帰していたら家庭はかなり大変だったんじゃないかと思います。1歳が近づいてだんだんと落ち着いてきたタイミングで育休から復帰できたので、自分としてはちょうどよい長さだったと思っています。
 

【復帰してから大変だったこと】

早めに帰って家事育児をしなければならず、さらに子どもが保育園に入ったらお迎えを担当することになっているのであまり残業ができず、限られた時間の中で膨大な仕事をやらないといけないのがストレスになっています。
子どもが産まれる前は、「残業すればいいや」と思っていたのが、今はできないので以前よりも集中力が求められます。残業はできませんが早出は可能なので、工夫して少しずつ効率化を図りたいと思っています。
リモートワークに関してはできないことはないのですが、いろいろと課題があり、今後、環境を整備していきたいなと思います。
妻とは復帰時期をずらしたので、今は、家のことは妻が主にみてくれていて安心していますし感謝しています。自分にとって、そして家庭にとっての、良いペースを模索していきたいですね。

【M.Sさんにとっての「育休」とは】
子どもが誕生してからの最初の1年は成長著しく、本当に貴重な期間です。その1年間を子どもと過ごすことができたのは、私たち家族にとって大変幸運なことでした。育休を取得できる環境にある方には、ぜひおすすめしたいです。
また、最初の1年は、苦労の多い時期でもあります。家族で協力して乗り越え、喜びを分かち合うことで、絆が深まったと感じています。日々細かい衝突はあるし、意見の対立もありますが、それでも、これからもちゃんと乗り越えていけるだろうと思っています。妻にはいつも感謝しています。

【パートナーより】
育休中、夫は家事をほぼすべて担ってくれましたが、とくに、毎日3食美味しいごはんを作ってくれたことが、とてもありがたかったです。私はひとりだと食を疎かにしがちなので、夫がいてくれなかったら、息子に栄養のある母乳を与えられなかったと思います。離乳食も、ずっと夫が作ってくれています。夫のおかげで、息子は健やかに成長してくれました。
息子は夫のことが大好きで、仕事から帰ってくると嬉しそうに声を上げます。その笑顔を見るたびに、夫にも育休を取ってもらって本当に良かったと感じます。
この1年、息子の成長を片時も見逃すことなく夫と喜び合い、いとおしく、かけがえのないときを過ごさせていただきました。夫にはもちろんですが、ご理解とご協力をいただいた双方の職場の皆様や、育休制度の整備と運用に携わられているすべての皆様に、心から感謝申し上げたいです。


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この記事を書いた人

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「こどもまんなかアクション」とは
こどもの意見を聴き、その意見を尊重し、こどもや若者にとってよいことは何かを考え、自分ができるアクションを実践していくことです。どんなこどものことも考えていきます。
こどもまんなかアクションの展開について
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こども家庭庁のHPよりhttps://www.cfa.go.jp/mannaka-mark/

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