見出し画像

【育休体験談vol.8】「妻の好きなことを全部やろうと考えた」

「ひとりひとりの声や体験は、誰かの希望につながる」との考えから、パパママの声や体験談などを「LINEで1日1問育児クイズパパ力検定」でのアンケートなどを通して募集し社会へ発信しています。

育休取得体験談のコーナー第8回。
今回は、製造業の管理職で、育休を取得したパパさんのお話です。

「共育て社会」へのはじめの一歩
育休取得体験談

足立雅樹さん
育休中の所属等 :製造業
家族構成 :妻、長男(2017年生まれ)、次男(2018年生まれ)、三男(2021年生まれ)
取得期間:三男が生まれた時に9日間

ピックアップ

「ちゃんと成果を出す」などといった堅苦しい考えは横に置いて、まずは妻のため・家族のためという意識を中心に置いて考えていくと、自ずと充実した時間が過ごせるはずです。

育休準備編

【取得しようと思った理由】

ぼくが3代目となる会社で、2021年3月に育休制度を導入したことが始まりでした。育休取得の推進ではなく「義務」として、男性の育休取得を会社のルールにしました。
はじめての子どもを授かった同僚が疲弊しており、彼の奥様も参ってしまっているという話を聞き、何か力になれないかと考え、育休制度を会社に導入したのです。導入後、育休を取得した社員は口を揃えて「取得できて良かった。特に奥さんが喜んでいる」と言ってくれます。
職場への配慮も必要だと考え、育休を取得した人には、育休後の出社初日に、全体朝礼で育休の思い出を話してもらうことにしています。子どもの微笑ましい話でその場が和やかになり、復帰しやすい雰囲気作りにもつながっていると感じています。
 
ぼく自身は、長男と次男の時には仕事が忙しくて、出産後にも病院に行けないほどでした。三男の時には育休制度を導入後だったので、上司であるぼくはなんとしても取らないと、と思っていました。

【取得にあたって準備したこと(仕事面)】

ぼくが抱えている仕事が、本当に自分がやらないといけないことなのか、誰かにお願いできることなのかといった業務の整理をすることができました。自分でなくてもよい業務はマニュアルを作って他の人に任せたり、業務を管理職間で共有したりといったこともできました。また、業務の棚卸しができたことで、効率的な別のやり方が見えてくることもありました。 ぼくが育休取得を決めたことで、多少なりとも業務の共有と整理に繋がったと感じています。

【取得にあたって準備したこと(家庭・子育て面)】

もともとは生まれてすぐに取得しようとしていたのですが、仕事で取得がかなわず、妻には不安な思いをさせてしまいました。結局、生後半年ぐらいで取得しました。
仕事で取得できないとなってからは、このまま取れないのかと不安にもなりましたが、会社の管理職の方々が「なんとしても取りなさい」と背中を押してくださり、育休取得が叶いました。
生後半年ごろの取得で、妻の体もだいぶ回復していたので、育休中は妻の好きなことを全部やろうと考えて準備しました。
ちなみに産後はベビーシッターさんに来てもらったり、妻のご両親に助けてもらったりしました。内閣府のベビーシッター制度を会社として取り入れ、実際に利用してみたのですが、非常に助かりました。

育休まっただなか編

【楽しかったこと】

しんどかったことは何もなく、楽しかったことはすごくたくさんありました。平日に赤ちゃんや子どもたち、妻とずっと一緒にいられるのも楽しかったです。
一番嬉しかったのが、上の子の送迎ができたことです。朝、幼稚園のバスのバス停まで送っていき、帰りには待っていました。それはふだんはできないことで、上の子も喜んでくれて本当に幸せな思い出です。
 
また、ふだんは外食をほとんどしないのですが、育休期間中は外食をたくさんしました。妻が食べたいものがあれば食べに行きました。当然お金はかかりますが、外食をすれば食事の用意もしなくていいし、片付けもしなくていい。育休期間は、妻の希望をことごとく叶えるために使う、と決めていました。

【価値観がアップデートしたと思ったこと】 

育休というものに対してのイメージが変わりました。取得前までは、育休に対して少し堅苦しい印象を抱いていました。「育休を取るからには育児をすごく頑張らないといけない」とか「成果を上げないといけない」とか「ルールに則って生活しなければならない」とか、そのようなイメージがあったのです。
世間のさまざまな声を見聞きしていて、「子どもをきちんと面倒見られないと取る意味がない」「妻を休ませるために夫は家事育児を一手に背負わねばならない」「取るだけ育休」なんていう言葉に触れていたので、肩に力が入っていたように思います。
 
ですが、育休を取得してみて、そのイメージが180度変わりました。ぼくの育休はしんどいことは何もなく、全部がとにかく楽しくて幸せな経験でした。
「育休を取るならばこうしなければならない」という義務感は完全な思い込みで、育休をうまく使えば、家族との幸せで有意義な時間を過ごせるということがわかったのです。

育休後

【取得期間について】

もちろんもっと育休を取得したいとは思いますが、大事なことは育休取得「0」を「1」にしたことだと思っています。ぼくの会社で育休を普及していく第一歩としては、9日間というのは良い期間だったなと思います。その9日間の間で、妻に代わって日々のさまざまなことを夫が行うだけでも、妻に対して日頃の感謝が生まれます。

【復帰してから大変だったこと】

引き継いだ仕事は円滑に回っていたので、大変だったことはありませんでした。最も響いたのは、出費です。育休は妻の希望を全て叶えるために使ったので、出費がかさみました。育休を充実したものにするためにもお金は大事だなと思ったので、ぼくが取得したあとは、会社からの出産祝いの2万円を10万円に引き上げました。そのお金を受け取って、どう使うはその家庭の自由ですが、個人的には、日頃の疲れを癒し、明日への力にするために、美味しいものを食べたり温泉に行って体を休めたりするのもありかなと思っています。

【これから育休取得する男性へのメッセージ】

育休に入る前に、夫婦で育休中に何をしたいかを話し合って、妻と家族の希望を決めておくと良いと思います。わが家は、子どもと妻の希望が一緒だったので、その通りにしました。家族の希望がかなう育休期間になると、この期間は本当に楽しく、充実したものになると思います。
「ちゃんと成果を出す」などといった堅苦しい考えは横に置いて、まずは妻のため・家族のためという意識を中心に置いて考えていくと、自ずと充実した時間が過ごせるはずです。

【パートナーからの感想、当時を思い出してのコメント】
当時私も主人も子育てと仕事が忙しい中で、日々をこなしていくのにいっぱいいっぱいでした。『リフレッシュ』という言葉も頭から浮かんでこないほど。 その中、育休はもうとれないなと諦めかけていたところの取得だったので『本当にとれたの??』と、何度も聞いたほどでした。
思いがけない“9日間の主人の休暇”といったところが、当時の印象です。
私は「育休」というワードで女性が休まるイメージがありませんでした。家事と育児は止まりませんから。
主人が育休をとってくれたのは3月の終わりで、上の子供たちの幼稚園の春休み期間に重なるところでした。 母親にとって、子供たちの休暇はすごく忙しい期間です。その期間中での育休取得でとても助かりました。
いつもなら行けない様な温泉へつれていってくれたり、食事もなるべく作らなくて良いように配慮してくれたり、子供たちの毎日のお風呂や、遊び相手になってくれたり。 私たちの場合9日間という限られた期間の中でしたが、私も子供たちも、そして主人もできるかぎりゆっくり過ごせるような配慮をしてもらいました。
育休が明けたあと、私のイメージであった "9日間の主人の休暇"が、"家族全員がリフレッシュできる期間"に変わりました。 育休のイメージが変わり、『4人目ができて、また育休とれたらなにして過ごす?』等と冗談も交えたほどです。 そんな育休制度がもっと普及して、少子化も少しずつ改善することを祈るばかりです。


LINEで1日1問クイズを配信している「育児クイズパパ力検定」は、
産後・育児中における孤立感や不安感を軽くし、親子の絆の土台づくりを目指して生まれたコンテンツです。
専門家監修の、0〜1歳半の育児に必要な知識をLINEで1日1問配信。
第17回 キッズデザイン賞奨励賞を受賞しました!

この記事を書いた人


私たちは、こども家庭庁が推進している「こどもまんなかアクション」に取り組んでいます。

「こどもまんなかアクション」とは
こどもの意見を聴き、その意見を尊重し、こどもや若者にとってよいことは何かを考え、自分ができるアクションを実践していくことです。どんなこどものことも考えていきます。
こどもまんなかアクションの展開について
こどもや子育て中の方々が気兼ねなく様々な制度やサービスを利用できるよう、地域社会、企業など様々な場で、年齢、性別を問わず、全ての人がこどもや子育て中の方々を応援するといった社会全体の意識改革を進めるための取組です。

こども家庭庁のHPよりhttps://www.cfa.go.jp/mannaka-mark/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?