在職老齢年金(1)
さて・・・(8)の続きに戻りましょう「在職老齢年金」ですね
第2回「雇用と年金に関する研究会」資料というものを発見しました 平成14年8月28日開催って2002年なんですね・・
皆さんも宜しければclickしてご覧ください
19年前、私は42歳ですね・・年金の仕事を好きになれていなかった頃?(恥)
「どうりでアンテナが低かった」のですが・・
今だからこそヒットするテーマに感じる事はおかしいでしょうか?
19年前に「雇用と年金」がキチンと(失礼!)議論されていたんですね!
「在職老齢年金」・・公的年金を受給しながら(受給する手続きをして=裁定請求)厚生年金保険に加入しながら(保険料を納めながら)働き、報酬を得る状況にある時に「年金が減額・停止される場合がある」制度でしたね
資料2−3に以下のような記述があります
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1 在職老齢年金制度の意義
現行の在職老齢年金制度が高齢者雇用との関わりにおいて果たしている役割には、例えば次のようなものがある。
(1) 賃金が低い者について、年金との組合せによる老後の生計維持の途を開いていること。
(2) 加齢に伴う労働能力の低下や通常勤務の困難化等に伴い賃金が定年前より低下してしまう者について、在職老齢年金との組合せによる手取り収入の改善の途を開くことで、就業意欲の低下を緩和していること。
(3) 在職老齢年金を考慮した賃金水準の設定がなされると、高齢者の雇用コストが低下し、企業が高齢者を雇用し易くなること。
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「ふんふん」(ちょっと意味もなく、頷いてみる)
(1)、(2)は低賃金の高齢者が公的年金によって救われるという事のようですね
公的年金は「防貧」機能を有している・・のですから、まさしく!ですね
さて、(3)は?「年金出るんだから、少しくらいお給料安くてもいいよね?」
「ん?んんん?」(へえ・・こんな事を堂々と書いていいんだ?)
令和4年4月に「(65歳未満の)在職老齢年金の対象となる報酬額の上限額を引き上げる」という法改正が行われます。
「ん?んんん?」(全く逆の発想のように思いますが・・・)
『時代が変わった』という事ですね
以前の定年退職者は「給料は(安くても)良いんだよ、恩返しだから」と、60歳以降も働いておられました(まんまと会社側の○○にハマってますが)
今はどうでしょうか?「再雇用・高齢者雇用というだけで、給料も減らされて・・年金も減らされるんじゃ・・(損だから)働かないよ」
これを高齢者の労働意欲の低下要因(労働に対するモチベーションの低下)と国は捉えているから・・「年金を減らさないようにするから、キチンとお給料ももらって働いてね!」というメッセージに変えた訳ですよね
とても真っ当だと思います。高齢者は年金も計算式通り受け取れる。お給料も本来の労働価値に見合った額となる。保険料は給与控除されるけど・・将来の年金額は増える訳です・・
賦課方式の中で「保険料を納める世代」と「年金受給する世代」のバランスが崩れる要因である「少子高齢化」を考えれば、保険料収入が増える事はありがたい。加えて15歳以上65歳未満の「生産年齢人口」の減少(*)の中で高齢者の労働力は非常に大きなものとなる訳です。
(*)「生産年齢人口の減少」生産年齢人口/総人口割合は、1995年:69.8%→2017年:60%割れ(総務省統計局)となっています
「Win&Win」に思える「65歳未満の在職老齢年金に関する法改正」ですが、頭を抱えているのは企業側でしょうか?これは別の問題ですが、高齢者雇用の難しさもあります。その中で2021年4月からの「70歳までの雇用の努力義務化」をはじめ高齢者雇用に対して様々な対応を求められる訳です。厚生年金保険料は70歳までの従業員は自身も納める訳ですが、同額を企業も納めている訳です。大きな枠での人件費負担も増える事となります。(続く)
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