賦課方式(保険)と積立方式(貯蓄)・・
さて・・保険じゃなければ、貯蓄か?
これは賦課方式でなければ積立方式か?
そんな議論になってしまうと思います
制度的な背景とは別に現実的な側面で考えると・・
令和2年度の老齢基礎年金額はご存知でしょうか?
「満額で」781,700円となっています。
「満額」というのは20歳から60歳までの40年間
国民年金保険料を納めた(保険料納付済期間)方に対する年金額です
実際は月数で考えますので480ヶ月の納付ですね
余談ですが・・仮に保険料納付済期間が20年の場合の年金額は
・・781,700円×240ヶ月/480ヶ月=390,850円と計算されます
一方で、国民年金保険料:令和2年度は16,540円/月です
国民年金保険料も年金額と同様に毎年度見直されています
積立方式の場合、40年間(480ヶ月)16,540円積み立てますと・・
16,540円×480ヶ月=7,939,200円となります
令和3年度の満額の老齢基礎年金額:781,700円で割りますと
7,939,200円/781,700円≒10.85年分となります
65歳から11年で積立は枯渇してしまう計算となります
ただ平成21年4月以降分からは老齢基礎年金額の1/2が国庫負担です
積立額の半額が国庫負担であれば、枯渇する年数も倍となり22年となります
65歳から受給開始としますと・・枯渇年齢は87歳となります
さて・・長寿リスクには対応できるのでしょうか?
令和元年度の生命表から65歳時の平均余命を確認しますと (平均余命:ある年齢の方が「あと何年生きられるか」という数値。0歳時の平均余命が平均寿命となります)
男性: 65歳+19.83年・・・85歳まで生きられる
女性: 65歳+24.63年・・・90歳まで生きられる
どうでしょうか?お断りしておきますが「平均」です
老後のネガティブキャンペーンの数値は「平均」で表されているものが多い
それは年金額等の収入も支出額も・・そして年齢も・・
平均寿命(平均余命も)は、確実に伸びています
これからも続きます
粗い試算ではありますが、これ一つ見ても賦課方式たる「保険機能」で
私達の老後リスクは大きく軽減されているのです・・・(続く)