「柏崎」會報 No.2 より
★(東京)菊池與志夫
懶さな自分の性格から、
恩人のあなたにも長いごぶ
さたを致して居りまして、
誠に申譯ないことだと思つ
て居ます。どうか惡しから
ず御許し下さい。先生御逝
去の後のあなたの超人的な
御精進には涙ぐましく敬服
して居ます。親代さん貞代
さんは定めし御成人のこと
と存じます。私宅は六十四
になる母も健在で、子供も
男一人、女三人出來ました
が、昨年の雛の節句の前夜
に五つになる女兒を一夜の
急病で失ひました。大森の
方へ御出かけの節は是非御
立寄り下さい。「柏崎」發
刊には双手を擧げて賛成で
す。第二の故鄕のやうな氣
持のする柏崎の消息が聽か
れることは大きな喜びです
七月が來ます。柏崎の砂丘
に咲く濱茄子と紺靑の海の
いろが眼に泌みて憶ひ出さ
れます。(六月三十日)
(柏崎くらぶ會報「柏崎」No.2
昭和十六年七月十五日發行
編輯兼發行人 藤田美代 より)
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