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AIよりも真剣に遊ぶべし
イマーシブ・フォート東京に行ってきました。
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ご存じの方もいらっしゃると思いますが、ここは元々、ヴィーナスフォートというショッピングセンターだったところです。
天井には青空が描かれており、2階にあたる場所は、ちょっとサイズを小さくした作りになっています。そうした視覚効果もあって、屋内にいながら、外国で散歩をしているような気分で買い物ができる商業施設でした。
今回、そこがイマーシブ・フォート東京になって以降、初めて行ってみました。自由に人が行きかっていたはずの1階フロアは、完全にふさがれていて、2階からしか出入りができないようになっていました。
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へぇぇぇぇ、こんな感じね???
なかに入ってみたら、もっとビックリです。
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もはや廃れたシャッター街です(苦笑)。
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ショッピングセンターの面影はあるものの、お店はどこも閉まったままで、素通りするのみです。
ところで今回、ここにやってきたのは「江戸花魁奇譚」というアトラクションを体験するためでした。
入場料とあわせて15,000円という、なかなかにかわいくない価格設定になっています・・・が、こういうものを体験しておくことが必要ということで、今回は、わざわざこのためだけに、平日に関西から大手のクライアントさんをお呼びして、お仕事として行ってきたのでした。けっして、接待ではありません。
アトラクションの内容は、上の記事にも書かれている通り、誓約書にサインをしていて、一切口外できないため何も書けません。ただひとつ言えることは、こういうところに接待ではなく、真剣にクライアントさんをお連れして、遊びに行くというお仕事に価値があるということです。
さて、ここからが本題です。
近年、AI(人工知能)分野への投資が活発化してきています。遠くない将来、人間がしている数多くの仕事は、AIがこなしてくれるようになるでしょう。それはただ、人間の代わりになるなどという生易しいものではありません。超ウルトラスーパー優秀な頭脳ができあがるわけです。人間は、その下僕に成り下がる可能性だってあります。
それ以来、AIによる「絶滅」の脅威に関する報道は加速している。
この公開書簡では、「いずれ我々を数で超え、能力で超え、我々を陳腐な存在にし、我々に取って代わるかもしれない非人間的な知能を開発する」べきなのかと疑問を呈している。
BBC News Japan
2023年5月31日より引用
進化し続けるAIに対して、人間が敵わなくなる未来がくることは、想像に難しくありません。むしろ必然とさえいえます。
ただ、ここでひとつ考えておきたいことがあります。それは、AIはオバケ計算機だということです。人間の脳を左脳と右脳とに分けて考えた場合、AIが得意なのは、主として計算などを司るとされる左脳の機能であるともいえるわけです。
反対に左脳は、『言語・論理脳』の働きを持つと言われています。
・冷静・筋道立てて考える
・決断する力
・分析力
・計算
このように、理的に考えることに長けているのが、左脳です。
一から始めるそろばん教室
2023年9月16日より引用
そう考えると、AIなどというのは、頭脳全体ではなく、「超ウルトラスーパー優秀な左脳」と言い換えられるかもしれません。
逆にいえば、右脳の分野に限っていうと、AIがどんなに発達しようとも、人間の優位性は崩れないかもしれないということです。
右脳は主に、『イメージ・感性脳(非言語)』の働きを持つと言われています。
・イメージ・想像する力
・記憶する力
・ひらめき
・感情のコントロール
<非言語>という言葉が、まさにしっくりきますね。
映画や音楽を聴いて感動したり音や色などの違いなどが分かるのは、この右脳の働きによるものです。
一から始めるそろばん教室
2023年9月16日より引用
右脳に関しては、「イメージ・感性脳(非言語)」と捉えられるといいます。具体的には、例えば絵画や音楽といった芸術的な分野を司るということです。それらは、たしかにイメージや想像、ひらめきといった計算では導き出されないものから生まれてくるものです。
最近のAIでは、絵を描いたり、作曲をしたりするものもあります。こうした創造性に関するテストがあったりもします。
しかし、それらについても、機械学習によって習得されたパターンから導き出された計算の結果であって、いわゆる人間が感じる、ひらめきといったものから生まれたものではないと考えられます。つまり、それらも結局は、「超ウルトラスーパー優秀な左脳」の産物であるとも考えられるわけです。
あとでご紹介する動画のなかでは、このように言われています。
私たち人間の特徴は、ほんのわずかな情報のゆらぎによって今までなかった行動を生み出すこと。新しい展開を生み出し、変化するところです。ルール化し、感性を演算している、予定の中に組み込まれた人工知能による主観では、それは起こらない。
そういうことなのです。
そうなると私たちが鍛えるべきは、徹底的に右脳だということになります。とてもではないですが、オバケ計算機には勝てません。逆に、右脳的機能であれば、私たち人間の価値があるかもしれないという点は重要です。そして、その右脳を鍛えるというのは、イメージ力や感性を豊かにするということにほかなりません。
イメージ力や感性を豊かにするとは?
それは新しい体験をして、それらを楽しむ・・・要は遊ぶということです。閉じこもったところで、どんなに計算や論理的思考を重ねたところで、新しいイメージは湧いてきませんし、豊かな感性も育ちません。
ここで冒頭の話題に戻ってきます。
今回、わざわざ関西からクライアントさんをお呼びして、イマーシブ・フォート東京まで遊びに行ったのは、新しい体験をして、それらを楽しんで、右脳を鍛えるということなのです。その結果、イメージ力や感性が高められて、AIにはできない創造的な仕事ができるようになるということです。
だから、お仕事として真面目に遊ばないといけないということになります。今回のクライアントさんも、その重要性を十分に理解しておられます。
デスクワークは大切です。報告書作りも必要でしょう。しかし今、そうした仕事ばかりに終始してしまっては、将来における自分の存在価値を失うことになりかねません。AIに飲み込まれてしまいます。
生真面目なデスクワークはそこそこにしておきつつ、外に出て楽しんで遊ぶというのは、勇気がいることでしょう。でも、これからの時代、力強く生き残っていくためにも勇気を出して、遊んだほうがいいと思うのであります。
最後にこちらの動画をご紹介しておきます。
人工知能が人間を超えられない理由。それは、人工知能は心を痛めないから。人工知能は死なないし、生まないから。だから人工知能が人類を超える日はやってこない。
人工知能が人間を超えられない理由は、人間は心を痛める(人工知能は心を痛めない)からだそうです。
これも矛盾しません。心を痛めたら辛いです・・・そしたらどうします?遊ばないとやってられません。楽しいことがなかったら心を保つことができません。だから遊ぶ!でもいいのです。そうした心の運動のなかから、新しい発想やひらめきが生まれるということです。
ということで、AIよりも真剣に遊びましょうよ。