農業だけの一日
自分は神奈川に家があるので、山梨の農園に行くときは、基本的に日帰りしています。
しかし今は、一週間の短期留学中。
この日は、都内への勤務もなく、朝から私が教えを受けている「軍曹殿」について回りました。
まずは朝一、地元の方に呼ばれました。
なにやら、稲刈りに出ようと思ったのだけど、稲刈り機の調子が悪いらしい・・・こういうトラブルがあると、どうしようもないですよね。
キャブ(キャブレター?)の取り付け方が間違っていて、ギアがうまく入らなくなっていたようです。
「軍曹殿」、キャブレターをチャチャ―っと外して、うまくはまるようにそれを分解します。
ギアが入るようにしたうえで、キャブレターを元の位置に取り付けました。ところが、キャブレターを取り付けるためのネジが、ひとつ足りないことが判明。
「あー、ネジ足りねぇなぁ」とおっしゃりながら、軽トラックに戻った「軍曹殿」は、ネジがわんさと入った袋を持ってきて、見事にそれを取り付けました。
右側のネジが、「軍曹殿」が持ってきたネジ。ピカピカです。
てか、なんで軽トラにそんなものが積んであるんだ!?「軍曹殿」の軽トラは、ほぼドラえもんのポケット状態なのでした。
朝から、農業機械の手入れや整備の重要性を思い知らされます。そして、この分野、相変わらず自信がなくて、自分は別のことで貢献しなければいけないであろうことを思い知るのです。
で、私が貢献できること・・・必殺マルチ剥がし!!!
既に収穫が終わった落花生の畑。マルチがそのまま被せてあったので、それを剥がすお手伝いです。そう、これなら私にもできるのです。
徐々に・・・徐々にですよ。
そして、約3週間前に植えたほうれん草、生えてきていました。
分かりにくいですが、何となくラインに沿って芽を出しているのが、それです。
何だか変わった形をしていますよね?細い葉と広い葉が、組み合わさっています。この細い葉は、徐々に広い葉に変わっていくそうです。
そして今、「軍曹殿」が増やしているイチゴも立派です。
ランナーという茎を大きくして、そこからイチゴの苗を増やしていくのだそうです。
こちらがそのイチゴ。小さめではありますが、香りがあって、とても甘いです。イチゴが、キレイにこのかたちに育つには、虫に受粉させるのがいいそうで、そのあたりも課題なのだそう・・・奥が深いっす。
作業の合間に、ついつい食べてしまうのがこちらのトマト。
収穫を目指しているというよりも、何となくハウスのなかで育てている、みたいな感じなので、作業の合間に適当に食べてしまうのですが、コレが半端なく美味なのであります。
最近、スーパーで売っているトマトって、味が水っぽくないです?それに比べて、ここでおやつとして食べるトマトは、めっちゃ美味しいのです。こういうトマトを作るのもいいですよねぇ。
で、この日のラストは、「はざ掛け」した稲の水分量を測る作業です。
まずは干してある稲のなかで、とくに乾きにくい場所のものをサンプルとして採取します。
それを赤いゴムっぽい容器に入れて・・・
ぐりぐりぐりぃぃぃ~~。
こうして、もみ殻が外れた玄米の状態にします。
玄米ができたら、それをピンセットで一粒ずつ検査用のプレートに入れます。
玄米を入れる目安は、底一面が見えなくなるくらい、です。
玄米を入れ終えたら、それを水分計にセットします。
セットしたら、ハンドルを回します。どうやらこの時、玄米を潰しているみたいです。
で、選択ボタンで「玄米」にオン。
計測をすると、「14.7%」となりました。
大体15%を下回ると、次の工程である脱穀にいけるそうです。ということで、こちらのおコメは見事合格です。
雨が降らなければ、週末にでも脱穀かなぁ、という感じのようです。
・・・と、そんな農業だらけの生活をしていたら、世の中が大変な状況にあることを忘れそうになりますね。
自分の信念を貫くと、職場を追われるような社会になってきているようです。こういうことは、日本人にとっても、けっして対岸の火事では済まされないと思っています。
そしてもし、こんなふうに職場を追われるような事態にでもなったら、さっさと農業でも始めましょう。
もちろん、農業の道はそんなに簡単ではありません。けれども、たとえ職場を追われたとしても、それで終わりではありません。農業には、その後の人生において取り組むべきテーマが、たくさん詰まっていると思うのです。
前を向いていきましょう。