大臣によるデマ指摘を考える

新型コロナウイルスのワクチンについて、河野太郎大臣から「ワクチンデマについて」という記事が投稿されました。

大臣が何をデマと言っているのか、ちょっと気になります。ということで、さっそくその具体的な内容をみてみたいと思います。

まず最初にこちらです。

「ワクチン接種された実験用のネズミが2年で全て死んだ」

私はこの話は聞いたことがありませんが、たしかにその通りだと思います。ネズミが2年も生きていれば十分ではないかという気がするので、ほぼスルーでいいでしょう。

続いてこちら。

その後、「ワクチン接種された実験用のネコが全て死亡した」というデマに替わってきていますが、ヒトに関する研究の前段階としての動物実験でネコは一般的に使われません。
現に、ファイザー社のワクチンの研究でネコが使用されたことはありません

たしかに、ネコでそのようなことが起こったのかどうかはわかりません。ただし、アメリカ・テキサス州上院の聴聞会で、動物実験で動物が死亡し続けたために実験が中止になったという話はありました。

先週、テキサス州上院の州務委員会は、テキサス州における強制的なワクチン接種とワクチンパスポートについて、テキサス州の医師から証言を得ました
(中略)
COVID-19ワクチンの動物実験が死亡し続けたために中止されたという衝撃的な事実が、上院聴聞会の途中で明らかになりました。
※Great Game India「COVID Vaccine Trials In Animals Were Stopped Because They Kept Dying, Revealed In Texas Senate Hearing」2021年5月16日より引用(機械翻訳)

この動物実験がファイザーのものではないかもしれませんし、使われた動物がネコではないかもしれません。よく分かりません

ただ、サルは使われているかもしれません。以下の記事は、ファイザー社の元副社長・元科学主任であるイードン博士が、欧州医薬品庁(EMA)に提出した安全懸念の嘆願書に関するものです。

ADEはコロナウイルスワクチンの深刻な課題であり、多くのワクチンが初期の体外試験や動物試験で失敗した主な理由でもあります。例えば、SARS-CoVウイルスのスパイクタンパクを接種したアカゲザルは、SARS-CoVにチャレンジした際に重篤な急性肺障害を示したが、ワクチンを接種しなかったサルには見られなかった。同様に、4種類のSARS-CoVワクチンのうち1種類で免疫したマウスは、SARS-CoVウイルスにチャレンジした後、肺に好酸球の浸潤を伴う病理組織学的変化が見られた。
※Dryburgh.com「Dr Yeadon’s (former Pfizer VP) Coronavirus Vaccine Safety Petition」2020年12月4日より引用(機械翻訳)

また、この記事では、新型コロナウイルスというよりも、広く「コロナウイルスワクチン」の課題として、ADE(抗体依存性感染増強)が挙げられています。ここで問題とされているADEに関する言説についても、河野大臣はデマだとして、次のように述べています。

ワクチンや過去の感染により作られる抗体が、ウイルスの感染を増強してしまうことをADEといいます。
デング熱ワクチンやSARSワクチンでこのようなことが起きたことがあります。
ファイザー社とモデルナ社のmRNAワクチンでは、高い中和作用がある抗体とバランスのよいリンパ球の動きが確認され、動物実験でもADEは観察されず大規模な治験においてもADEの報告はないことから、新型コロナワクチンに関して、ADEの可能性は考えにくいとされています。

河野大臣は、「動物実験でもADEは観察されず、大規模な治験においてもADEの報告はない」ので、ADEの可能性は低いと述べています。しかし、「観察されない、報告がない」ということが、即、新型コロナワクチンでADEの可能性が低いことに繋がるかどうかは分かりません

大阪大学の研究チームによるADEに関する記事には、次のようにあります。

最近の変異株には、中和抗体の認識部位に変異があり中和抗体が十分作用しない株も存在するため、中和抗体の防御効果より、感染増強抗体の増悪効果が高くなってしまう可能性も考えられる。
非感染者において低レベルの感染増強抗体を持っている人が明らかになった。既に感染増強抗体を持っている人では、感染やワクチンの接種感染増強抗体の産生が高まる可能性が考えられる。
※国立研究開発法人日本医療研究開発機構「新型コロナウイルスの感染を増強する抗体を発見―COVID-19の重症化に関与する可能性―」より引用

ADEはワクチンに限らず、ウイルスに感染するだけでも引き起こされる可能性があるとされています。さらに感染増強抗体の増悪効果は、変異株との関連性も見る必要があるようです。河野大臣が言われるような「観察」や「治験」では、そうしたことを十分に検証できる期間を取っていないことは明白です。

そもそも、まだ正式な治験が終わってもいないワクチンについて、「観察されていない、報告がない=可能性がない」と結論づけるのは、安直に過ぎると言わざるを得ません。

それ以外にも、デマの内容としては、以下のようなものが挙げられています。

-不妊が起きるという科学的な根拠は全くない
-卵巣にコロナワクチンの成分が大量に蓄積するというのは誤り
-mRNAワクチンが遺伝子に組み込まれる可能性はない
-コロナワクチンの長期的な安全性について特段の不安はない
 ※mRNAは半日から数日で分解され、スパイク蛋白も約2週間以内でほとんどがなくなります。

このあたりについては、私もまだよく分からないというのが正直なところです。

例えば、不妊に関するものを問題とする根拠として、ファイザーの公式文書が挙げられていました。「新型コロナ騒動の情報サイト」さんの資料では、その文書にある次のような内容が紹介されています。

画像1

ところが、実際にこの元文書を確認してみると、今、このページの後半部分「妊娠前および・・・」が削除されています。さらに、以下で示されている動物実験に関する資料も、リンク切れになってしまっているようです。

画像2

この不妊に関する情報は、比較的大きく取り上げられたため、政府が情報公開を止めたのかもしれません。分かりません。

卵巣にコロナワクチンがたまるという話についても、こんな指摘があります。

出した証拠に疑いが生じれば、必要であれば裁判所が調べてくれますが、私がつけている物は、厚労省の外郭団体が発表しているものです。正当な公式文書なのです。K野大臣は48時間がピークとブログで書いていますが、48時間までしか計測していません。下がった記録がないのにそんなことは誰も言えません。
しかも、同じくPMDAから厚労省への報告書では、「本剤及び発現したタンパク質は消失すると推察された」と書かれています。誰も《いつ》なくなるのかは知らないし《本当に》なくなるのかは分かっていません。
※熊八「返事がきません」2021年6月26日より引用

このあたりの情報については、議論の応酬をみながら、最終的に何が正しいのか判断をしていけばいいのだと思います。少なくとも、大臣が「デマ」だと言ったからということを理由に、「デマ」と決めつける必要もないと思います。

こうした技術的な部分は、正直、分からないことが多いです。今後、いろいろと情報が出てくるかもしれません。引き続き、情報を追っていきたいと思います。

ところで、こんな記事の最後の方でぶち上げるのも何なのですが・・・、実は私、政府が何を言っても信じないです。

というか、信じられないのです。信じてもいない政府が「デマ」だと言おうが、言うまいが、実はあまり関係ありません。参考情報くらいです。こんなに書いてきたのに、ごめんなさい・・・。

信じるに足る情報かどうかは、自分で選びます政府からの情報だけを信じていたら、命がいくつあっても足りません

私たちは、既に知ってしまいました。いかに立派な科学者であろうとも、いかに高名な専門家であろうとも、利権構造に組み込まれてしまった人々は、それに巻き取られて、平気で噓をつくのです。

それは政府も同じです。これまでだったら、信じられないことですが、今、政府がやっていることは滅茶苦茶です。

大勢の命を救えるはずのイベルメクチンを抑え込んで、正式な治験も終わっていないワクチンを打たせようとするなんてありえません。山のように疑わしい有害事象があっても、それらすべてを「因果関係不明」で片づける政府が、本当に国民の命を考えているなどと思える方が異常です。

政府関係者は、ワクチンデマについての記事を投稿する前に、極めて高い安全性かつ有効性が認められているイベルメクチンを積極的に使わない理由について、合理的に説明する情報を発信しなければなりません。

この動画は、Youtubeから追放されました。今、ニコニコ動画には上がっていますが、これもいつ消されるか分かりません。デマだから?

河野大臣には、私たちのデマかもしれない疑問について、テーマを選んで反論するのではなく、こうした技術的でない、根本的な疑問について、きちんと答えていただきたいものです。

けれども、そんなことを質問したら、きっとこの人はこう言うんでしょうね。

「次の質問どうぞ」

あーあ、結局、今回もそんな話になっちゃった・・・。

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