デルタ株の危険度
新型コロナウイルスについては、変異株の話題が多くなってきました。これまで、海外で感染拡大しているとされてきたインド型のデルタ株も、日本で感染が広がってきているようです。
従来の新型コロナウイルスの「1.78倍」。
インドで確認された新型コロナウイルスの変異ウイルスのうち、最も拡大している「デルタ株」の国内での感染力についての分析結果です。専門家は「今後の対策には(デルタ株の)感染力の高さを想定する必要がある」と注意を呼びかけています。
※NHK News Web「変異ウイルス“デルタ株” 感染力は1.78倍 都内でクラスターも」2021年6月10日より引用
従来の新型コロナウイルスの1.78倍の感染力があるとのことで、こうした報道に触れ、不安を覚える人も多いのではないかと思います。
こんな感染力が高い変異株が流行り始めてしまったら、まだまだ自粛生活から抜け出すこともできません。ワクチンを接種した国々では、いまやこのデルタ株の方が感染の主流になっており、日本の今後の感染状況に対して、不安を覚えるのは無理もありません。
ところで、このデルタ株、実際はどういうものなのでしょうか。ちょっと気になるこんな動画がありました。
5万人従業員を抱える巨大病院グループのオーナー医師と話したんですね。
コロナどうですかって言ったら、インド株、感染力が強いと言いますよね。感染力が強いっていうことは、即ち軽症なんですよっていうことを教えてくれたんです。
重症化したら、やばいやばいって気づくから、そんなに他人にうつさない。ところが軽症だと自分がコロナにかかったって分からないから、普通に買い物とかしちゃうわけですよね。だから広がるんですよ。で、軽症だからもっと広がるわけですよね。
かつての新型コロナっていうのは、急に高熱が出る、倦怠感が強くて、味覚がなくなる。血中の酸素濃度がバーッと減っていって、肺炎みたいになって、意識が混濁したり、非常に怖い症状が言われてましたよね。
ところがインド株に関しては、熱出ない、味覚失われない、めまいもふらふらもない。え?どんな症状出るんですか?って聞いたら、鼻水だけだって言ってました。それって普通の風邪でしょ?って言われましたよね。
これ聞く限り、もうデルタ株(インド株)なんて、気にすることなくないですか?ただの風邪?
デルタ株の危険性については、カナダ人ニュースさんの動画でも取り上げられていました。
この動画をみていただければ分かることですが、ソースはイギリス政府の発表資料をまとめている「GOV.UK」というサイトに掲載されているこちらのドキュメントのようです。
まず注目していただきたいのが、こちらの表です。
カナダ人ニュースさんによると、イギリスでの新型コロナウイルス全体での致死率は2.56%だといいます。それに対して、デルタ株の致死率は0.2%と桁一つ小さくなっているのが分かります。これを見る限り、デルタ株の危険度は、だいぶ低いのではないかと読み取れるわけです。
さきほどの「ただの風邪」を裏付けるような数字に見えます。無用に大騒ぎしたくはないものです。
しかし、メディアはデルタ株の恐怖を煽り、そしてワクチンの接種を迫ります。
ZOE調査に携わっているキングズ・カレッジ・ロンドンのティム・スペクター教授によれば、このアプリによって英国で収集されたデータは、デルタ株のおもな症状が、従来の症状とは若干異なる可能性を示唆しているという。
(中略)
だが、スペクターによれば、デルタ株が主流になっている英国では、頭痛、のどの痛み、鼻水がもっとも多くなっているようだという。
(中略)
「(デルタ株でも)二度の接種をしていれば、リスクは少なくとも5分の1から10分の1になる。ZOEアプリのデータからわかっているかぎりでは、感染しても、(接種していない場合と比べて)はるかに軽く、短期間で治るため、入院する可能性は大幅に低くなる。これは、二度の接種を受ける十分な理由になる」
※Newsweek「インド型変異株(デルタ株)は従来株と症状が違うので要注意」2021年6月15日より引用
今は、とにかくメディアは、ワクチン接種に向けて必死です。ただ、先ほどのドキュメントを見てみると、ワクチンの接種が必ずしも死亡率の低下には繋がっていないようにも受け取れます。
この表をみると、たしかに重傷者は未接種の方が多いようです。ここではワクチンが効いている可能性があります。
しかし、ワクチン接種者の死亡者が150人を超えているのに対して、未接種者は100人にもなっていません。このあたりの数字については、母集団の規模や条件にもよるので、一概には結論づけられません。
ただし、上掲の記事が言う通り、ワクチン接種で「リスクは少なくとも5分の1から10分の1になる」というのが、本当かどうかはだいぶ疑わしいように思います。
ただいずれにせよ、デルタ株はただの風邪のようなものである可能性は否定できません。
ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英首相は5日、イングランドで新型コロナウイルス対策として導入されているマスク着用義務やソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)などの規制の大半を今月19日に解除すると発表した。政府の命令ではなく、個人の自己責任により感染を防ぐよう訴えた。
※AFP BB News「英イングランド、マスク義務など解除へ 自己責任のコロナ対策訴え」2021年7月6日より引用
実際、イギリスはそれが分かっていて、規制を解除してきている可能性はあると思います。仮にそうだとしたら、日本での報道は、ただただ危機を煽るだけで、問題の本質を見失わせているとしか言いようがありません。
ワクチンを打たせるための報道ということなら、分からないでもないですが・・・。