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#001 同性愛が『禁断の恋』ではなくなった今。読者や視聴者が求めるBL作品とは...?

JUNE(ジュネ)

JUNEは1978年にサン出版(現:株式会社マガジン•マガジン)より創刊されていた女性向け男性同性愛の専門誌です。

BL作品に造詣が深い方はよくご存知かもしれません。

僕は1995年の休刊以降に生まれているため、残念ながら書店での取り扱いを見たことがなく、昨年はじめて、西荻窪の古書店で数冊購入し拝読しました。

JUNE創刊以前に発売されていた男性同性愛者向け商業ゲイ雑誌『薔薇族(1971年創刊)』や『アドン(1974年創刊)』とは異なり、10代から20代の女性読者をターゲットに、官能小説や漫画、はたまた映画、音楽など様々な美男子や美少年に関する情報が掲載されていました。

JUNEの創刊が今日の商業BLの発展に繋がっていると言っても過言ではないかもしれません。

さて、今回冒頭でJUNEについて触れたのは、当時掲載されていた作品の中には「禁断の愛」「危険な恋」といったフレーズが数多く使用されていたためです。

1970年代当時、ゲイの男性はおかまやホモといった差別的な言葉で、しばしフォビアの対象として見られることがありました。
また、ゲイの男性の出会いも先述したゲイ雑誌の通信欄やゲイバー、口コミで広まった公園や映画館など、マッチングアプリで気軽に出会える現代とは違い、限られたコミュニティに奇跡的に巡り逢えた人のみでした。

そうした時代背景もあり、"ゲイ=秘めた存在"であったと言えるでしょう。


一方で現在はどうでしょうか?

2015年に東京都渋谷区と世田谷区が条例を制定し、導入された同性パートナーシップ制度。
現在では多くの自治体に広まり、2024年8月時点で日本全体の人口に対するカバー率は約85%になりました。

LGBTQという言葉も広く認知され、当事者を公表している政治家、芸能人、スポーツ選手、インフルエンサーなどが各界で活躍しています。(認知はされていますが、不寛容な方がいらっしゃるのも現実です。)

民法各局では、若手俳優を主演にBL漫画の実写ドラマが毎クール1本以上放送され、最近ではNetflixのゲイの男性同士の恋愛リアリティショー『ボーイフレンド』が国内外で話題となりました。

時代は変わり、ここ数年でBL作品は大衆化され、読者や視聴者のニーズは、JUNEに掲載されていた"妖艶かつ耽美でエロティックな作品"から"日常の一部分を切り取った清爽な作品"になりつつあります。
いわゆるフェチズムや性的欲求を満たすようなBL作品は減少しているのではないでしょうか。

では、多様な社会において、シナリオライターはどうあるべきか?

これは、あくまでも僕の考えですが...

"個性は守りつつ、時代に合わせて書き手としてのスキルをアップデートする。"

そうして、BLが好きな人、気になる人、自分自身の価値観をアップデートしたい人など、様々な人に対して作品を届ける。

これが僕の目指す姿です。


★募集中★
「地方や田舎を舞台にしたBL作品」でおすすめがあれば、ぜひ教えてください。
※映画•ドラマ•小説•ショート•MVなど何でも構いません。
お待ちしております。






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