復帰50年記念 沖縄の美
2022年6月23日〜8月21日、日本民藝館にて開催。お盆休みの民藝館は、なかなかの人出でした。
◾️沖縄の美とは
第二次大戦前、柳宗悦による沖縄の工芸の「発見」が、日本の文化の体系に沖縄を組み込む一助となったことは否定し得ないでしょう。沖縄は、独自の文化圏というより「日本の一部として」、その美が認知されることになったわけです。「民藝の100年」展では、そうした認識が仄めかされていました。
◾️琉球紅型
さて、それにしても紅型は美しい。
今回の展示品の中では、「水色地亭に松竹梅燕文様紅型衣裳」がお気に入りでした。水色の地に赤を基調とした文様が映え、燕が実に伸びやかに羽を広げています。文様はかなり図案化されていて、梅の枝は伸び、竹の葉は垂れ、合間にも雲などが散りばめられています。日本民藝館の改修記念名品展Iのホームページで、この衣裳の一部が見られるのですが、四角く切り取られた画像では、衣裳への収まりの良さが分からないでしょう。ぜひ衣裳の全身像を見ていただければと思います。
一般の人の着物と身分の高い人の着物といった違いもあるでしょうが、八重山絣の素朴さに比べると、紅型はやはり首里の「都振り」を感じさせました。
◾️バーナード・リーチの陶芸作品
併設展では、バーナード・リーチの「楽焼駆兎文皿」が、見ていて楽しい作品でした。リーチが千葉の我孫子に開いた窯で焼かれた作品ですが、兎の脚や耳の造形が、どうも異国の兎を思わせます。前回日本民藝館に来たときは、河井寛次郎の陶芸作品の魅力に気づきましたが、今回はバーナード・リーチの作品に目が行きました。(日本民藝館所蔵のリーチ作品はこちら)。
柳宗悦の「民藝仲間」の作品が見られるのも、日本民藝館を訪れる楽しみの一つですね。
◾️文字の美
前回日本民藝館に来たときにショップで見かけ、買わないで後悔した図録を、今回やっと手に入れました。
2021年に徳島県立文学書道館で開催された「文字の美」展です。この中の、中国の拓本が素晴らしい。初期の楷書の武骨さもいいのですが、洗練の極みに至った隷書に目を奪われました。
中国の3世紀末から4世紀初め、西晋の驃騎将軍だった韓壽という人の墓碣=墓石です。元の石は、現在中国の洛陽博物館にあるようです。
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