No,142.好きの反対「好きの反対は嫌い!ではなく無関心がもたらす結果-レジ袋有料化のアンケートからの考察-」
※この記事は2分程度で読めます(^^)
風が柔らかい季節になりましたね。
優しい風に癒されると、色んな事が気になる今日この頃です。
気になるのでいろいろ調べたいな〜と思った時が吉日。
アイブリッジという会社が、「Freeasy」というリサーチ事業をおこなっている。この会社は自主的にいろんなアンケートを取っているみたいで、その結果が欲しくて連絡したら手に入いりました。
もらったデータで分析してみようと試みるも、『無論・無料・objection』なので大まかな比率(パーセンテージ)しか手に入らなかったです(無料なんで当たり前ですが)。
アイブリッジ株式会社です👇
ちなみに、以前数社にアンケート調査(学術調査)を依頼するも、質問内容がかなりナイーブな事柄であったため数社に断られました。そんな中、アイブリッジ株式会社は快く引き受けてくれました。
《自主調査レポート》レジ袋有料化関するアンケート
属性
[居住地]:全国※都道府県の結果からの詳細は不可
[年齢]:20歳以上 69歳以下※年齢の結果からの詳細は不可
[性別]:男女(n=1000)※男女の結果からの詳細は可能
その中で質問項目は10問みたいです。
最低限、分析に使えそうな順序尺度は4問なので調べてみた。
「尺度って何ぞや?」と興味ある方は載せておきますので見てください👇
質問項目
質問1.「あなたは「環境問題」(地球温暖化・省エネ・省資源・リサイクルなど)について、どの程度の関心をお持ちですか」の問いに対して
1=とても関心がある, 2=関心がある, 3=どちらでもない, 4=あまり関心がない, 5=関心がない
質問2.「あなたのご家庭でのプラスチックごみの分別状況について教えてください」の問いに対して
1=必ず分別している, 2=大体分別している, 3=あまり分別していない, 4=分別していない, 5=わからない
質問3.「あなたは、2020年7月1日から全国で一律にプラスチック製買物袋(レジ袋)の有料化が開始されることを知っていますか」の問いに対して
1=よく知っている, 2=ある程度知っている, 3=聞いたことがある程度, 4=知らない
質問4.「あなたは、2020年7月1日から全国で一律にプラスチック製買物袋(レジ袋)の有料化が開始されることについてどう思いますか」
1=賛成, 2=反対, 3=どちらともいえない
じつのところ、このアンケートに興味があった訳ではありません。
質問4の回答欄に「どちらともいえない」といった曖昧な回答があったからです。
そこで、仮説を立ててみました。
仮説
レジ袋有料化について賛否ではなく「どちらともいえない」と答えた人ほど、環境問題に関心がないだろう。
分析
仮説の検証をおこなうため、「あなたは「環境問題」(地球温暖化・省エネ・省資源・リサイクルなど)について、どの程度の関心をお持ちですか(質問1)」を従属変数として、「あなたは、2020年7月1日から全国で一律にプラスチック製買物袋(レジ袋)の有料化が開始されることについてどう思いますか(質問4)」(賛成・反対・どちらともいえない)の一元配置分散分析を行った。
結果
賛成・反対の人より、どちらともいえない人ほど環境問題に関心がないことが示された(棒グラフが大きいほど環境問題に関心がないことを示しています)。
つまり仮説は支持されたことになる。
図1.環境問題とレジ袋有料化について
筆者作成(F2,997=1821.075,p<.001)
賛成の人は環境問題に関心があることは理解できますし、反対の人も賛成の人よりも関心が薄いのも何らかの理由からの選択だと思います。
現に私も、レジ袋有料化と環境問題の関係性はまったくないと思っています。なので個人的には「反対」です。
どちらともいえないと答えた人は環境問題に関心がないっていうよりは、そもそも何とも思わない、考えていない、感じない。
つまり、環境問題に無関心じゃないだろうか?
「どちらともいえない」って無関心のこと?
ってことで題目の「好きの反対は嫌い!ではなく無関心」について。
石田(2016)は「どちらともいえない」という回答について検証している。その結果、男性サンプルでは、政治的な質問に対して無関心な人ほど「どちらともいえない」と選択すると述べている。
つまり「どちらともいえない」と回答した人はその事柄に関して無関心である可能性が高い。
ついでにもう1つの分析から面白い結果
ついでに「あなたは「環境問題」(地球温暖化・省エネ・省資源・リサイクルなど)について、どの程度の関心をお持ちですか(質問1)」と「あなたのご家庭でのプラスチックごみの分別状況について教えてください(質問2)」について調べてみた(回答に偏りが多くて分析が出来なかったため単純に棒グラフを作成しました)
図2.環境問題と家庭ごみの分別状況について
「どちらともいえない」と答えた人は家庭ごみ分別もしていないんですね。
まあ環境問題とか無関心なんで当たり前か。
関心を持つ重要性
何事にも関心をもって、自分の狭い世界を可能な限り広くしていきましょう。(私)
レジ袋有料化からかなり強引な意見になりましたがあしからず。
最後まで読んでいただきありがとうございます( *´艸`)
参考文献
石田賢示(2016)「どちらともいえない」と「わからない」は何を意味しているのか-定住外国人の受け入れに対する態度を事例として-」『東京大学社会科学研究所パネル調査プロジェクトディスカッションペーパーシリーズ』No.97、pp1-18