見出し画像

[#17] 語学学校で出会った14人の個性的な先生たち〜留学前期編〜

イギリスはブライトン(正確にはホーヴ)にある語学学校【The English Laguage Centre Brighton(通称:ELC)】にて語学学校生として過ごした20週間で、私は14人の先生から授業を受けました。
担任の先生が休暇や体調不良などで不在の時に、代打で教えてくれた1回だけの授業もありましたが、それぞれが異なるティーチングスタイルを持っていたことが印象的でした。(たぶん研修とかないんだと思います。だからそれぞれが独自のスタイルを持つことになるんだと今思いました。)

この記事では、その14人の先生たちを3回に分けて紹介していきたいと思います。

1.Peter(ピーター)
私がELCに通い始めて一番最初についてくれた先生で、B1レベルでの4週間、彼にお世話になりました。

(このご時世、見た目がどうこうはナンセンスかもしれませんが)ピーターは見た目も中身も純ブリティッシュ!という感じの人でした。発音も非常にポッシュ、RP的なブリティッシュアクセントを持っていて、自虐的なジョークを連発するけど目の奥は笑っていない、そんな先生でした。
ちなみにRPとはReceived Pronunciation(容認発音)の略で、教養のある人が使うイギリス英語と言われています。日本で例えるならNHKのアナウンサーが使う日本語という感じでしょうか。

ピーターは過去に西日本のとある女子大で英語の教師(おそらくALT)をやっていたことがあり、日本の地理と文化を知っていて、任天堂は本当に素晴らしい企業だと言っていました。よく授業の中で日本を上げる話をし、私にも同意を求めてくるので嬉し恥ずかしな気持ちで返事をしていましたが、他国の生徒がボソッと「なんでイギリスに来て日本の話を聞かにゃならんのじゃ」的なことを言っていたのが聞こえた時、ちょっと気まずかったです。

あとピーターは人を褒める時によく両手をサムズアップしながらウインクしてくれたのですが、ウインクがド下手で口がいつも大きく開いていました。

4週間の授業のあと、ピーターからの勧めもあって私はB2クラスに移動することになりピーターとはここでおさらばしました。

2.Zack(ザック)
B2クラスにいた8週間のうち最初の2〜3週間習った、インドにルーツがあると言っていた先生。私にとって、ELCで出会った中で最も相性が合わなかった先生です。

毎日思いつきで進む授業スタイルで、テキストからよく脱線しては自分の過去話や説法みたいなものを長々喋ったりするため、真剣に聞くべき話なのか聞き流していい話なのか判断がつかず、すごく疲れました。
しかし本人はいつでも真剣で、一切のジョークが通じないくらいド真面目な顔をして喋るため、和やかな雰囲気もありませんでした。

2日連続で同じ内容のプリントを解かされたり(ザックは覚えておらず、これ昨日やったよと指摘したら、復習になるからやってって言われました)、宿題で書いた英作文を提出して戻ってこないこともありました。
授業中は板書を一切せず座ったまま喋るのでメリハリがなく、どこまでがテキストの内容で、どこからが彼のトークなのかわからないことが多々ありました。
自分(ザック)はベジタリアンだという話から「地上で一番大きい生き物は草食動物の象なんだからベジタリアンこそ正しい姿。インターネットは嘘で溢れている、真実を見極めろ!」みたいな話を90分ある授業のうち45分以上聞かされたこともありましたし、英語の弱点を自分の力で克服するんだ!と言われ、90分まるまるPC室で自習になったこともありました。

流石に、安くない授業料を払って相性の悪い先生の授業を我慢して受けた上で、自習は酷すぎるだろうと思い、意を決して校長にクラス移動(または先生替え)を申し出に行くことにしました。するとクラスメイトたちも同じように不満を募らせていたことがわかり、複数人で校長にクレームを言いに行きました。今思えば、英語で自己主張をしたいい経験になったと思います。(今思えばね。当時は必死でした。)

クレームの結果、残念ながらすぐに先生の交代やクラス移動は難しいとの回答だったので、私はこの時期にザックから逃れるために、翌月開講になるケンブリッジ英検コースへの転換を申し込みました。

もともとザックは頻繁に休む先生でしたが、このクレーム事件の翌日から長めの休みをとることになり(理由は不明ですが、我々のクレームが原因ではないらしく数週間後に復帰してました)、ケンブリッジ英検コースに移るまでの期間で怒涛の代打先生ラッシュが始まりました。

3.Leyla(レイラ)
ザックが長期休みに入る前、ザックが休んだ時に来てくれた代打の先生。
たまたまその頃の授業のトピックが食べ物(それも未来の代替食)についてだったのですが、イギリスの伝統的な発酵食品「マーマイト」を自前で持ってきて、マーマイトを知らない生徒に食用コオロギのペーストだと偽って食べさせ、生徒が大騒ぎしているところでドッキリでした〜と種明かしをするお茶目な先生でした。

マーマイトが気になる方はこちらからどうぞ。
塩辛くて独特な強烈な味がします。
イギリス人の中でも好き嫌いが分かれるそうです。


4.Ed(エド)

エドもザックが長期休みに入る前、ザックが休んだ時に来てくれた代打の先生で副校長でした。

さすが副校長、声も張っていて教え方に緩急があり、生徒のレベルを判断して、そこから少しだけ難しいレベルの質問をし、ポイントを説明してくれる感じでティーチングがとても上手でした。
驚いたのは、私が在籍している間にエドは副学長の職を辞し、大学に再入学したことです。おそらくエドは40歳前後だったと思うのですが、イギリスではそういうキャリア形成もあるのか、と衝撃を受けました。

今回はここまでです。
紹介したい先生がまだ10人もいますが、次の記事もぜひお付き合いください。
ではまた。

いいなと思ったら応援しよう!