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その4【ストーリーボード編】〜新卒初クライアントワーク奮闘記〜

「よーし、アイデアが出てきたからこの出てきたアイデアを全部盛り込んでUIを作るぞ!」
・・・素人目に見てもすごい不安になる台詞ですね。。。
なんか十徳ナイフみたいになって結局誰も使わなそうな。。。

どうもゆめみの磯崎です。
引き続き「エンドユーザー向けのサービスのコンセプト策定」(要約)という問い合わせから始まった私の初めての案件について書く
『ゆめみのクライアントワーク;サービスデザイン』第4弾です!

前回はバリュープロポジションキャンバスを作成しました。前回の記事はこちらになります。

冒頭のセリフのようにアイデアが出てきてそれをいきなり形にしようと、見切り発車をしたことは私(ゆめみ新卒1年目)ももちろんあります。特にまだ学生の頃、きちんとサービスデザインやUXデザインのノウハウを学び始める以前はこの見切り発車が多く、せっかく出てきた良いアイデア(機能)を残念な形(プロダクト)にしてしまうことがザラでした。

しかしこの案件ではストーリーボードを使ってユーザーの生活、業務の中でどのタイミングでこのアイデアが使われるのか?また使われるとしたらどのようなデバイスが望ましいのか?を考えていくことで、適切なUI作成とプロダクトへつなげることができました。

そして、今回の『ストーリーボードの策定』は丸々私がワークショップを設計させてもらいました。なので今回は少し肉厚に何をしたのかだけにとどまらず、どうしてこのように設計をしたのかも含めて書いていくので、少々長いかも知れませんが何卒お付き合いください。
また、引き続きリリース前の案件ですので詳細をぼやかしながらのお話しになります。
では、初めて任されたワークショップの設計とそれをクライアント様と一緒に実践するリアルな体験をお楽しみください。

目次

1.Pugh Concept Evaluation

まず最初にストーリーボードの作成をする前に出てきたアイデアをブラッシュアップさせるため『Pugh Concept Evaluation』を使用しました。
『Pugh Concept Evaluation』は5つの評価項目を設定して、その5つの項目をそれぞれのアイデア同士で相対評価してアイデアの良いところと悪いところを可視化させ、悪いとこをどうやったら良くできるか?よくするためにアイデアを進化させるか?もしくはアイデア同士を融合させるか?を考える手法です。

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これは初めて使う手法でした。先輩デザイナーさんからストーリーボードの前にこれをやると良いよ!とオススメしてもらい、緊張しながらも実践とファシリテーションしました。反省点はあげればキリがありません。

ワークの最初に、前回のワークショップから出てきた山盛りのアイデアからどのアイデアを評価し合うかいくつか選ぶのですが「ここであまり時間をかける必要はないかな」と思い「自分のお気に入りのアイデアを2つ選びシールを貼ってください」とワーク始めました。しかし、票が割れて同票のアイデアに優劣を決める手立てがなくまた投票をすることになりむしろ時間がかかってしまいました。1番良いと思うものには2枚貼り、2番目に良いと思ったものには1枚貼ってもらうなどして同票が出来にくくするべきでした。実際に自分が設計をしてファシリテーターをして、ワークショップの設計には小さなことまで準備を怠らないことが大切だと身に染みました。

しかし、その後の評価はスムーズに進み、選抜されたアイデアの中でも特に優れた注力したいものや融合させることでとても面白いと思えるアイデアが出来上がりました。


また、クライアント様とアイデアを選ぶというのが新鮮で「このアイデアはどうでしょう?」と顔色を伺いながらクライアント様が喜びそうな良さげなアイデアを選ぶことがなく、一緒にアイデアを選び、考えることで本当に良いものを作ろうと私たちはもちろんクライアント様も参加者みんなが熱意を持ってワークに望めました。クライアント様も一緒に考えたことでアイデアに熱意を持って頂けて、開発・実現に向けての発言も積極的にしてくれるようになりプロジェクトが加速していくようでした。「クライアント様と一緒に」という『ゆめみの流儀』が垣間見えた瞬間です。


2.ストーリーボード

そして、ようやく出てきたアイデアがどういった場面で使われるか、そしてその場面ではどのように使われることが適切かをストーリーボードを使って考えていきます。

ここからは完全に私が設計した部分です。先輩デザイナーがオススメしてくれた『Puah Concept Evolution』に続いて『ゆめみの流儀』を炸裂させたいトコロです...!

2-1.現状のユーザーの生活を洗い出す

まずは現状のユーザーの「朝起きて夜寝るまで」どのような1日を過ごしているかを前々回作成したペルソナを見ながら考えていきます。今回の案件はエンドユーザー向けで業務中の問題を解決してあげるものだったので、ストーリーの中で特に業務中の困っているシーンを蜜に描いていきました。

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進めるにあたり、参加者の皆さんにはユーザーの行動を付箋に書いて大きい模造紙に貼っていってもらったのですが、私はその付箋の内容を逐一イラストにして時系列に沿って描いていきました。とても大変でしたがクライアント様から「分かりやすい」と言って頂き、特に場面を思い描きやすく「この場面ならこんな問題も起きるんじゃないか?」とイラスト/ビジュアルを頼りにユーザーの課題を想起できて非常に良かったです。

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2-2.出てきたアイデアがユーザーの一日のどのようなタイミングにアプローチするかを考える


洗い出されたユーザーの行動のどの場面に私たちが考えたアイデアがアプローチするのかを考え、ユーザーの行動/場面の付箋の上に重ねて貼っていきます。
もしこの時、張り出すことのできないアイデアがあった時には「もしかしたら、このアイデアはユーザーにとって嬉しいものではないのではないか?」アイデアの有用性の判断をすることが出来ます。今回の案件でも、「これ面白いけどユーザーが使う場面がないね」と消えていったアイデアがありました。

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続いて、アイデアの付箋が貼られた場面では「アイデアはどのデバイスで使われるのが適切か?」を考えました。例えば場面が『外』か『屋内』かで『PC』が適切なのか『スマホ』が適切なのか考えます。このように、場面 /状況に応じた最適なデバイスを考えていきました。

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この案件ではクライアント様からは「スマホアプリを考えて欲しい」と案件開始の当初言われていたのですが、徐々にワークショップを重ねコンセプトの片鱗が見えるにつれて「スマホアプリ」が適切なのか?と考えるようになり、ストーリーボードのワークにこの『デバイスを考える』ステップを加えました。このステップを抜かして「スマホよりこっちのデバイスの方がよくないですか?」と提案していたら…。もしかしたら、差し戻しやワークショップのやり直しなんてこともあったかも知れません。

このステップで「クライアント様と一緒に考え」ながら「クライアント様の要望を越えていく」ことが出来たかな?と思い、『ゆめみの流儀』を私も小さく体現できた!と感じました。

2-3. アイデア(デバイス)がある理想のユーザーの1日を考える


考えられたアイデア(デバイス)がサービスとしてリリースされた時の理想のユーザーの1日を考えます。1-1.と同じく参加者から付箋を受け取り私がイラストにしていきます。

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こうして出来た2-3.アイデア(デバイス)がある理想のユーザーの1日と1-1.現状のユーザーの生活を比べてみると完成されたサービスがどれだけユーザーにとって有用なものになるのかを生活の変化から判断することが出来ました。

4 . UI制作につなげる

なんとか緊張をしながらもワークショップを取り仕切りながらストーリーボードを駆使して、出てきたアイデアの妥当性やプロダクトの形態を選ぶことが出来ました。

しかし、それだけでなく実はUI制作にもつながるよう設計を試みました。
ストーリーボードの中でユーザーの行動(タスク)とデバイスが描かれたので『OO分析』というものが出来るようになりました。
『OO分析』の詳しい詳細は次回お話ししますが、ゆめみの『OOUI専門家』(別に専門でやってるわけじゃないけど)をゲストに招いた社内ワークショップの様子をお届けしますので是非読んで頂きたいです。

5. 続きます


今回でちょうど折り返し!
残り3回(実は増えてる)になりますが、是非次回もお楽しみに!

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