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6.ウマの走り方 臀筋と第三転子
ウマの瞬発力は外側系の筋肉でまかなわれるのが特長です。
この頁ではとくに後肢に注目して読み解きます。左後肢の臀筋によって瞬発力が発揮されているのが分かりますでしょうか?
臀筋の位置は下記になります。
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出典元:Instructie, paardenmassage, online trainingen | Het Soepele Paard
gluteus superficialis とあるのが浅臀筋(人間にはない。人間の大殿筋の上にかぶさっているイメージ)。
gluteus medius は中臀筋。
骨格と合わせた図は以下です。
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出典元:Horse gluteus superficialis muscle, illustration Stock Photo - Alamy
俗にウマは斜めに走ると言われますが、それは外側の筋肉に頼るがゆえの現象です。
これによる骨格上の変化は以下です。
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出典元:Horse Femur – OsteoID Bone Identification
右大腿骨。
順序は左から、「前、内側、後ろ、外側」
前から見た図の左側にある出っ張り(5cmのスケールの右上)、第三転子が発達しております。これが浅臀筋の付着するところです。人間では臀筋粗面と呼ばれます。こうした出っ張りが出来るのは、それだけ負荷がかかるところだという証です。
上記動画では体を斜めに傾けているので、左臀筋に寄りかかっている感じが分かると思います。この寄りかかりが外側の緊張をマックスにして、スパン!と跳ねの動作を生みます。馬は臀筋による瞬発力を活用し、ハムストリングス筋群を補佐的に使います。これによって脚を伸ばした状態から跳ねることが可能になりました。
尚、顕著に斜めに走らないときも臀筋の瞬発力に頼っております。ご興味のある方は以下の動画もご覧になって下さい。
ほか参考動画
Arabian horse amazing slowmotion - YouTube
Amazing Slow Motion Horse Racing | Slo Mo #19 | Earth Unplugged - YouTube
Slow Motion Horse Gaits - YouTube