13.ウマの基本的な運動構造 外側優位
四肢には外側の力と内側の力があります。ウマの場合、外側に体を預けるのが特徴です。外側の力感は、見ていて非常に力強さを感じるものです。分かりやすい特徴としては、後肢では臀筋、前肢では三角筋に体を預けるところです。
0:13〜 ウマの剛力がよく分かります。頭を振り下ろし、前肢に荷重を掛けております。その前肢では、三角筋が壁の如く力を受けております。三角筋は外側系の筋肉です。
3:24〜 外側系ではないのですが、項靭帯活用が分かりやすいのでピックアップしました。頭を振り下ろし、項靭帯を伸ばし、それが棘上靭帯に伝わり、背骨全体をビヨーンと引きつけております。これはイヌ、ウシ、そして人間の特性でもあります。
1:01〜 臀筋の踏ん張りがよく分かります。これも外側系の筋肉です。臀筋を非常に強く使うため、ウマは第三転子が発達しております。
1:39〜 人間と綱引き。これも臀筋の踏ん張りがよく分かります。さきほどの1:01〜では目一杯外側で踏ん張り、三関節伸展系の筋肉も利いておりましたが、綱引きではそこまでやってはおりません。
9:23〜 再び三角筋に掛かる場面。
ウマの上腕骨
出典元:Horse Humerus – OsteoID Bone Identification
一番左の左側上から1/3のところの出っ張りが三角筋粗面です。もはや粗面というレベルではありません。同じ奇蹄目のサイも大きな三角筋粗面を持っております。しかしウシなどにはここまでの特徴はありません。ウシをはじめ、偶蹄目は内側優位だからです。
⇓こちらでは大腿骨の方を論じております。