僕を大人にしてくれた言葉 好きな曲編

これまで生きてきた中で、音楽の聴き方も随分と変わってきました。

小さい頃は両親の車で聴く音楽が全てでした。当時乗っていた車はカセットテープしか再生できず、両親がCDからダビングして作ったカセットをドライブ中繰り返し何度も聴きます。母親はKiroroや小田和正さんが好きで、両親ともにスピッツがお気に入り。何度も聴いた曲は自然と好きになっていて、今でもたまに聴きます。

小学生のころは少年野球の遠征に向かう道中、友達の車で流れるJ-POPが楽しみでよく聞いていました。ORANGE RANGE、ケツメイシ、スキマスイッチ、レミオロメン、、。当時はやっていたドラマ西遊記のMONKEY MAJIK「Around the world」や、アニメ「MAJOR」のテーマソング「心絵」は耳にタコができるんちゃうかってくらい聴いた記憶があります。

中学生になるとお年玉でウォークマンを購入し、音楽の幅が一気に拡がりました。レンタルしたCDはMP3ファイルでPCに保存するという技術を身に着けたおかげで、友達のウォークマンに入っている曲から引っ張ってきたりして、音楽生活が一変したように思います。中学生男子の僕の周りで流行っていたアーティストと言えば、アジカン、BUMP OF CHICKEN、RADWIMPS、ELLEGARDEN、マキシマム ザ ホルモンなどでしょうか。このあたりのアーティストのアルバムはだいたい皆のウォークマンに入っていた気がします。

そこから今に至るまでたくさんの音楽に触れてきたわけですが、その中でも僕の記憶に深く残り、大人にしてくれたであろう歌詞をお届けしたいと思います。それではどうぞ。

22.ほら足もとを見てごらんこれがあなたの歩む道、ほら前を見てごらんあれがあなたの未来 ー Kiroro「未来へ
5歳ごろ、車の中で。

幼な心ながら、心地よいメロディだなぁと思った記憶があります。そして、大人になってからはその歌詞の意味に胸が熱くなります。自分のキャリアや家族の進むべき方向を考える上で、焦ったり浮ついた考えをする必要はなく、未来はあくまで今まで歩んできた道と地続きになっているものだよと、僕にとってはそんな気持ちにさせてくれる曲です。

23.いつだって誰かのためにあった心はきっとそんな自分を愛したのだろう ー RADWIMPS「愛し(かなし)
14歳、思春期の自分

中学生のころ人との接し方について考えたりしていて、そのヒントになったというか、「こういう考え素敵だな」と思ったのがこのフレーズです。
人のためにある心は、自分を大事にしていないわけでは決してない。その自分を愛せるなら、それはとても尊いのではないかと、中学生ながら考えていたわけです。
ただ、修学旅行の夜に熱くこの話を友達に語ったら言葉足らずで全然伝わらず、眠たくされたことは覚えています。まぁいいんです、自分が納得してたら。笑

24.私がいつでも笑っているのは弱い自分を隠すため私が誰かに優しくするのは嫌われるのが怖いだけ ー back number「stay with me
16歳、思春期の自分②

高校に入学した僕は、同じクラスに知り合いがいないという状況が小学1年生ぶりということもあり、友達の作り方はおろか人との話し方も忘れるくらい、こじらせていました。休み時間に何をすればいいかわからな過ぎてクラスにある学級文庫?みたいな本を読んでいて、人と言葉をほぼ交わさないまま一日を終えることも。
そして、そんな当時の自分が「分かるなぁ」と大いに共感したフレーズがこちらでした。この曲自体は恋愛についての歌なので全体を通じては全くなのですが、この冒頭ワンフレーズは刺さりまくりました。
別にこの曲を聴いて変わろうと思ったわけではないですが、当時人とのかかわり方を見失っていた自分の気持ちを描写してくれて、勇気をもらったという意味では、大人にしてくれた言葉なのだと思います。

25.怖いのさ僕も君も自分を見るのも見せるのも或いは誰かを覗くのも
 ー BUMP OF CHICKEN「メーデー
21歳、就職活動中の自分

中学生のころめちゃくちゃ流行っていたバンプ。カラオケに行けば誰か1人は必ず天体観測を入れ、その流れでバンプ縛りをやったりしたこともありました。なのでこの曲自体はもっと早く知っていたのですが、大人にしてくれた言葉として認識したのはこのタイミングです。
メーデーという曲の歌詞全体を通して、自分に向き合ったり、深く潜っていくような印象を受けるのですが、それがまさに就職活動中「やりたいこと」や「自分の軸」を必死に探していた自分と重なりました。そうなんです、怖かったんですよ。自分が本当に考えていることや大事なものが何かっていうのを考えるのが。でも、面接に行くとそういうことを聞かれる。その時に思いついたことを適当に答えて逃げることはできても、それでうまくはいきませんでした。
大サビに入る前に転調し、このフレーズが入ります。怖がってはいますが、これを乗り越えるために「祈るようなメーデー」を精一杯送り、乗り越える勇気をもらったのは、この曲のおかげなのだと思います。

26.こんな幸せやっぱり夢だったかって ー RADWIMPS「ヒキコモリロリン
25歳、結婚式の後

このフレーズが、というよりはその前後も含めての意味が深いなぁと思う曲です。最初はコミカルなラップ調で、正直よく意味は分からないです。笑
ですが、サビに入ると途端にメッセージ性が強くなり、最後の大サビでのワンフレーズがとても響く曲だなと感じています。
コロナ禍で企画した結婚式、途中1度の延期をしたりと、直前までたくさんの不安を抱えた状態で開催しました。でも、来てくださった皆さんがたくさんの祝福をしてくれて、胸がはちきれるんじゃないかってくらい幸せな気持ちをもらいました。
終わった後、この曲がふと頭によぎります。式を含むあらゆる現実が「嘘」だったとしても、この幸せな感情を味わえただけでええわと、そんなことすら思う1日でした。

27.悲しみで花が咲くものか ー サンボマスター「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ
26歳、散歩中

これに関しては特に何があったというわけではないのですが、サンボマスターさんのLIVE映像を見て心が震えたのでここに入れました。悲しみで花は咲かないという言葉が、力強いボーカルと相まって心にずん、と来たんですよね。
結婚式で妻に幸せにすることを誓ったわけですけど、その誓いは日々守れてるのかと。幸せな気持ちにするよりも、幸せな状態を継続させることの方が難しいけど、大事なことなんちゃうかとこの曲を聴いて自分を奮い立たせています。
見たことのない方は、ぜひ↑のリンクからご視聴ください。

28.痛みを拭うことはできないが君を1人にはしない ー サクラメリーメン「コトノハ
27歳、妻の出産立ち会いを終えて

先日、第一子が生まれました。15時間に及ぶ出産の中で途中から9時間立ち会うことができたのですが、言葉にできない壮絶さを感じた時間でした。僕は何ができるわけではありません。勇気づけようにも気の利いた言葉をかけることもできず、無力さを感じるばかりです。それでも戦っている妻の傍にいられたことは、今になってよかったと心から思います。出てきてくれた時の感動を一番に味わうことができましたし、何より出産を終えた妻から「いてくれてありがとう」と言葉をもらえたので。
立ち会いを終えてこの曲を聞いた時、大事な人が苦しいときに、痛みをぬぐったりやわらげたりすることができなかったとしても、1人にしないこと。これだけは絶対に守ろうと思います。こんなことを思うようになれたものもこの曲のおかげです。大人にしてくれて、ありがとう。

さて、以上で好きな曲編を終わります。
気づけば50個も折り返し地点を超えました。これからも気ままに書きます。