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『日本国憲法と公務員~「全体の奉仕者」とは何か~』備忘録
全体の奉仕者としての公務員のあり方を考えさせられる一冊
著者は、福島大学名誉教授、専修大学名誉教授の晴山一穂氏
官の役割
官に課せられた基本的な役割は…
「政が決定した基本方針を受けて、実際の行政の場において、何が国民全体に奉仕することになるかを、みずからの専門性をふまえて判断しながら具体的職務の遂行にあたること」
「そこでは、政が決めた政策を機械的・盲目的に執行するのではなく、相手方国民が置かれた具体的事情をふまえながら、どうすれば相手方の権利の実現に最も資することになるかを具体的に判断しながら職務の遂行にあたることが求められ」る
政と官のあるべき関係
政官関係の本来あるべき姿とは…
「政と官の双方は、この相対的に異なる両者の役割を相互に尊重しあいながら、政治と行政の最終目的である国民の基本的人権の保障をめざして協力しあう」
「そこでは、政に対しては、官の意見をできるだけ尊重しながら政治をすすめることが、また、官に対しては、行政の専門家として政に意見を述べ、政の判断にそれを反映させるよう努めることが求められる」