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ウイスキーの歴史について 五十森達哉

こんにちは、五十森達哉です。今日は、私たちを豊かな時間旅行に誘うウイスキーの歴史についてお話ししましょう。ウイスキーを口に含むと、そこには時代を超えた物語が秘められていることに気づくのです。その一口には、修道士たちの祈り、密造者の暗闇での試行錯誤、そして革新的な蒸留家たちの情熱が詰まっています。

起源の物語:修道院の「命の水」
歴史は静かに始まります。アイルランドやスコットランドの修道院では、中世の修道士たちが神への祈りの合間に「アクア・ウィタエ」(ラテン語で「命の水」)を蒸留していました。治療用、儀式用、時にはただ心を温めるための飲み物として、この蒸留酒は人々にとって神聖で特別なものだったのです。

密造と煙の風景:スコッチ・ウイスキー
時が経ち、スコットランドの地にウイスキーは根付いていきます。18世紀のスコットランドでは重税が課され、ウイスキー生産は夜の霧の中に潜んでいました。ピートを焚きつける蒸留小屋の煙は、まるで秘密を守るベールのようでした。この時代にこそ、あのピート香のスコッチが生まれ、今も我々をロマンティックな気持ちにさせるのです。

新大陸の冒険者たちとバーボンの誕生
一方、ウイスキーは海を渡り、新天地アメリカへ。入植者たちは故郷を懐かしみつつ、ウイスキーの蒸留を始めましたが、新たな環境と材料が新しいスタイルを生みました。ケンタッキー州の肥沃な土壌でトウモロコシが主原料とされ、「バーボン」が誕生。甘く、バニラやキャラメルの香りをまとったその味わいは、希望と開拓の精神を象徴するものでした。

日本:遠い東洋での革新
1920年代、日本にもウイスキーの風が吹きました。竹鶴政孝という熱き青年がスコットランドで学び、帰国して日本初のウイスキー蒸留所を設立。日本のウイスキーは、スコットランドの技術と日本の職人技が融合し、独自の品格をまとった存在に。山崎や余市は、今や世界でも名だたる銘柄です。これは情熱と探求心が結実した物語にほかなりません。

こうして、ウイスキーの一杯には数世紀にわたる歴史と冒険が詰まっているのです。次にウイスキーを楽しむ際は、その背後にある物語に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。それこそが、本当の「命の水」の味わいです。

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