つみろんイージーNo.1【グラフの不思議】:同じデータでも見方が変わる?
皆さんは日々の業務で様々なグラフを目にすることと思います。今回は、そんなグラフの中でも特殊な「片対数グラフ」について、ちょっと面白い話をご紹介します。
・片対数グラフって何?
片対数グラフは、縦軸または横軸のどちらかが対数目盛りになっているグラフです。医療の世界では、薬の血中濃度の変化を表すときによく使われます。
・不思議な現象
さて、ここで一つの疑問。同じデータを使って片対数グラフを描くとき、縦軸の目盛りの付け方で傾きが変わってしまうことをご存知でしょうか?
実は、縦軸に「自然対数」を使うか「常用対数」を使うかで、グラフの傾きが約2.3倍も違ってくるのです!
・なぜそうなる?
この現象は、対数の性質によるものです。
自然対数と常用対数では、数値の間隔が異なります。
しかし、グラフ上での見た目は同じになります。
結果として、実際の数値(傾き)に違いが生まれるのです。
・実務での注意点
この違いは、特に薬の効き方を調べる際に重要になります。グラフの傾きから薬の代謝速度を計算するときは、どちらの対数を使っているかをしっかり確認する必要があります。
・まとめ
同じデータでも、表現方法によって異なる結果が得られることがあります。日々の業務でグラフを扱う際は、その特性をよく理解し、正しく解釈することが大切ですね。