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Jリーガーセカンドキャリア〜就活〜
みなさんこんにちは。
磯村亮太です。
前回は、引退から就職活動をスタートするまでを書きましたが、今回は実際の就職活動がどのような 感じだったのかを記していきたいと思います。
もしよければ前回の記事もご覧ください。
〈自己紹介〉
名古屋グランパスユースから2009年にトップチームに昇格し、プロのサッカー選手として2022年までJリーグでプレーしました。
現在は、株式会社マイナビ アスリートキャリア事業部にて、アスリートの就労支援や人材育成に従事しています。
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エージェントとの面談
2022年12月
初めてマイナビアスリートキャリアに登録をしました。
同時に他のエージェントさんにも登録をして、エージェントサービスがどういうもなのか、全く未知の状態からスタートします。
まず、当時はエージェントサービスがどういうビジネスモデルなのか全く理解していませんでした。
ただ、なんとなく僕の中では、エージェントの方に「こいつは就職無理だ」と思われたら、その時点で終わるだろうなと勝手に思っていたので、初回の面談時に「この人なら大丈夫だ」と思われないといけないと感じていました。
実際には、その時点で終わるなんてことはありません。
しかし、キャリアアドバザーになった今、求職者・エージェント・企業、それぞれとの信頼関係があるから成り立つビジネスモデルだなと感じてます。
なので、これからエージェントサービスを使おうとしている方に少しだけアドバイスをすると、まずは信頼できるエージェントを見つけること、そしてそのエージェントに自分を信頼してもらうこと!
就職・転職活動を充実させるために、信頼してもらうことも意外と大事になります。
なので、当時のマインドセットとしては図らずも100点に近いものだったのかもしれません。
どうやったら「この人なら大丈夫だ」と思ってもらえるのか…
まずは服装は何が正解なのか...?考えました。
スーツかな⁉︎
私服でいいのかな⁉︎
正直、正解がなんなのかわからなかったので
それなりっぽく見えそうな服装を選択してみました笑
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実際には服装なんて気にする必要なかったのかもしれません。
ただ、何もわからなかったからこそ「この人なら大丈夫」と思ってもらわないといけないという一心で行動をしていたことが、結果自分を救ってくれることになります。
実際の面談がスタートします。
担当してくれたのは、社会人野球を経てマイナビに入社をした方でした。
似た境遇や経験、お互いのいろいろな想いをお話し「大事な1歩になるから、時間をかけてでもしっかりと将来と向き合っていきましょう」という言葉がとても嬉しく勇気づけられました。
その後は
企業の紹介
証明写真を撮影しに行く
履歴書・職務経歴書の作成など
初めての連続でした。
他社のエージェントさんにも同様の流れで企業を紹介して頂きました。
1年くらい時間かけながら次の道を模索することも少し頭にあったので、まずは色々な企業の面接をとにかく受けようと思いました。
名古屋と東京の企業を合わせて8社ほどにエントリーをして、いよいよ面接が始まることになります。
初めての面接
初めての面接は...
思い出したくもないくらい酷い出来でした。
自分のことを話すのは容易だと考えていたので、面接の準備もほとんどせずに当日を迎えました。
自己紹介から始まり、志望動機や入社後のビジョンなど、基本的な質問をされました。最後に、希望の年収を聞かれ「この転職活動ではお金のことは一切考えておりません」と答えました。
すると面接官から「面接は初めてですか?」と言われ、「希望の年収は考えといたほうがいいですよ」とアドバイスを頂きました。
おそらくこの質問の前から、僕の話し方や受け答えが素人すぎて、面接の経験がないことがバレていたのだと思います。
結果は...
1.5次面接に進んでいただきます。
という温情での通過(面接フローの追加)でした(笑)
面接というものを舐めており、自分の考えの甘さを痛感した1社目の面接でした。
そこからは、YouTubeを見て面接の基本的なことを調べたり、企業のHPを見て志望動機を考えたり、自分の将来と向き合い、人生全体の将来像とその企業の中で成し遂げたいことを必死に考えるようにしました。
その中で特に苦労したことは話し方です。
端的に正しい日本語でわかりやすく伝える
これがどれだけ難しいことか32歳にして初めて思い知らされました。
自分のことを「わたし」という違和感。
結論ファーストとは?
そもそも正しい日本語がわからない。
伝えたいことを端的にまとめられない。
インタビューや取材含めて公の場で話す機会はそれなりにあったかもしれません。
でも、ビジネスの場での話し方は全く違いました。
話し方一つできないことにショックを受け、また一番苦労をしました。
その後は、しっかりと対策と準備をして面接を迎えることにより、しっかりと自分の伝えたいことをまとめられるようになりました。
ただ、端的に伝えることに関しては、ずっと試行錯誤をしていました。
最終的に辿り着いた方法は①→②→③を繰り返す事故とです。
①携帯のメモ帳に、話せそうな内容(思いついたエピソードなど)をメモする
そのメモを「自己紹介」「志望動機」「ビジョン」など一つ一つ話したい内容にまとめる
②まとめた内容を実際に声に出して読み、端的に伝えられるよう文章の校正をしていく
③散歩をしながら、頭に入れる(話す内容を深掘りされた想定も考える)
これを繰り返します。
そうすると、徐々に伝えたい内容が洗練されていき、わかりやすく伝えられるようになっていきました。
面接当日は2〜3時間ほどブツブツ言いながら散歩をしていたので、すれ違った人からは変人だと思われていたかもしれません(笑)
8社エントリーしたうちの7社の面接が終わった段階で、結果的にお見送りになったのは1社のみでした。
面接官と話が盛り上がってしまい、2時間近く話していた面接もありました。
また、ある企業の面接時に、面接官の方に「磯村さんの経験は弊社では活かせないと思う」と言われたことがありました。その時に、「いや、できます!直接的な経験はないかもしれませんが、⚫︎⚫︎の観点で考えた時に、自分の経験は御社で⚫︎⚫︎のように活かせることができると考えています」と言ってみました。(ちょっとイラッときたので、どうにでもなれ!と言い返しただけだったかもですが…)
そうしたらその面接官の方に「少し嫌な言い方になってしまい申し訳ありません。それが凄く大事です。セカンドキャリアで成功する人とそうでない人の差は、発想の転換と思考の柔軟性が持てるかどうかになります」と言われました。
サッカーで行ってきたものをどうビジネスに変換するのか。
これはアスリートだけではありません。
自分の過去の経験を次の場所でどう活かせることができるのか。
その再現性を考えれる人は、どこに行っても何をやっても活躍できると思います。
今思ってみても、一番大切になる考え方を面接という場で、身を持って教えて(体験させて)頂けたことは、感謝しかありません。
マイナビの面接
マイナビの面接は一番最後に受けました。
他の企業も見たうえで判断するため
面接の精度を上げるため
志望度が高かったからこそ時間をかけてから挑戦する決断になりました。
マイナビは合否までに3回面接があります。
鬼門と言われていた一次面接は最初緊張しましたが、面接官の方が話しやすい雰囲気を作ってくれ、人柄と知性を感じ、改めてこの企業に入りたいなと思いました。
二次三次はより現場の話になり、アスリートキャリアへの想いや、これから目指す姿、スポーツ界の未来の話、それらに対する自分の想いをたくさん話しました。
面接がこんなにも楽しく、ワクワクする気持ちになったのは初めてだったので、こういうチームの一員になりたい!という気持ちがどんどん強くなりました。
就職活動の終わり
無事にマイナビから内定をもらうことができ、僕の初めての就職活動は終わりを迎えます。
後から聞いた話にはなりますが
実は僕の経歴、年齢でマイナビに入社するのは異例のことだと言われました。
ではなぜ、そもそもの書類を通過することができたのか...
それは担当のエージェントさんのおかげでした。
担当のエージェントさんが社内の色んなところに働きかけをしてくれたから一次面接を実施させてもらうことができたと聞きました。
初めての面談の前に「この人なら大丈夫」と思われないといけないと思っていたと伝えましたが、入社後、担当のエージェントさんからは「実は初回面談の時にこの人と一緒に働きたいと思ったから自分のやれることをやっただけですよ」と言ってもらいました。
改めて人生は、人の縁だなと思いました。
選手時代にお世話になった先輩に感謝を伝えたことがありました。
その時に「その気持ちは、自分の後輩に返してやれよ」と言われたことがあります。
なので、僕も今『この人のために自分のやれることは全てやる』というのをキャリアドバイザーとして、とても大切にしています。
また、縁という観点でいうと、8社エントリーした企業の面接官の一人の方と今でも個人的に仲良くして頂いてる方がいます。
面接は採用をするために行うものです。それにも関わらずその方は、面接の中で僕だけでなく磯村家の人生そのものを凄く考えてくださりました。
改めて家族と将来について、しっかりと話し合うことができ、自分の覚悟をより一層固めるきっかけとなる時間になりました。
その方にどうしてもお礼をしたかったので、マイナビに入社を決めた後に個人的に連絡をしました。
その縁で今でもよく相談に乗って頂いてます。
面接とはいえ、人と人とのコミュニケーションの場です。まさかこんな出会いがあるとは思ってもいませんでしたが、色んな方と出会い色んな考え方に触れるのも面接なのかもしれません。
前回のnoteでも書きましたが
面接を受けまくれとアドバイスを頂き、最初は懐疑的でしたが、結果的に面接をたくさん受けたことで
自分の思考が整理された
過去の経験の再現性を考えることで思考の柔軟性が育まれた
覚悟が固まってくる
面接を受けることが自分の過去と未来を考える一つのきっかけになるんだなと感じました。
もし、現役中にこういう経験をしていたら、サッカーへの向き合い方も変わったかもしれないと思うほど、とても貴重な経験でした。
結果的に受けた企業に行くか行かないかは置いておいても、人生の様々なタイミングでこういう時間を作ることは、必ずその後の人生に大きなプラスをもたらすと思っています。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
次は、入社編にいきたいと思います!