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登山ほぼ未経験者が、毎週山に行くようになるまで(後編)

前編からの続き)

4. 初の丹沢大山


ウエアから靴まで全部新品で、誰がみても初心者と分かる格好で小田急伊勢原駅に向かいます。こんな突然の思いつきに誘える人もいないので当然一人です。電車の中をよく見ると、これから山に登りそうな服装の人がちらほら。後で知ったのですが、小田急線沿いには丹沢山系の登山口がたくさんあるのですね。伊勢原駅から大山ケーブルまでのバスになると、ほぼ全員が登山客で、いよいよ自分も山に登るんだという実感が湧いてきます。

大山ケーブルバス停に着いたところで周りを見渡してみますが、なぜかケーブルカーが見当たりません。仕方なく皆が歩いていった方についていくと、けっこうな坂道と階段の先にようやく大山ケーブル駅を発見しました。しかし、ちょうど直前のケーブルカーが出発した後で、次の発車は20分後・・・。ちょっと坂道を歩いてテンションも上がっていたので、そのまま歩いて登っていくことにしました。

と、いきなり大きな石で作られた荒々しい階段が出現します。初心者の私からすれば階段というより岩場と表現したくなるような光景だったのですが、何も知らないので「あ〜登山ってこんな感じのところを登っていくのか〜」と変に納得して登り始めました。しかしこれがめちゃくちゃきつい。本当にこれで初心者向けの山なのか?と若干疑問を感じつつ、ペース配分も分からないので汗だくになりながら登り続けました。

そんなこんなで、やっとの思いで阿夫利神社の下社にたどり着きました。ケーブルカーに乗っていれば景色を眺めながら座って来れたところです。笑 ここには「さくらや」という茶屋があります。この時点でかなりヘトヘトだったし、9月でとにかく暑かったのでソフトクリームを食べたのですが、これが本当に美味しかった。何の変哲もないただのソフトクリームなんですけどね。座って休めたのもあって完全に回復し、頂上に向けて登る気力が湧いてきました。

そこから1時間半くらいの登山道が続くのですが、時折視界が開けるポイントがあり、徐々に標高が上がってきていることを感じられ、そのたびに元気が出ました。そして最後の階段の先に鳥居が見えたときの嬉しさといったらなかったです。10年以上前の高尾山は何も分からないまま引率してもらっただけなので、はじめて自分の足で山に登りきったという実感と、深い達成感がありました。

ひと通り頂上の景色を楽しんだあとは、比較的緩い下り坂のルートで下山していきます。途中には景色のよい見晴台があったり、御神木のような巨木、小さな滝などもあり、わずか何時間かの間にこんなにいろんな景色に出会えたことで感動が追いつかないくらいでした。あとは下社の先に女坂という比較的易しいルートがあることも発見しました。笑


5. 再び大山へ、そして沼落ち


初の登山翌日は、学生以来かというような猛烈な筋肉痛に見舞われました。笑 それでも思いきって山に登ってみてよかったという気持ちのほうが断然強くて、ちゃんと登山ができるようになりたいという気持ちが芽生えてきました。これまでいくつかの趣味をやってきた経験から、新たな技能を習得する最初の段階では「比較的易しい課題を繰り返し」練習するのがよいことを知っていましたので、翌週に再び大山へ向かうことにしました。

短いインターバルで再び登ってみると、明らかに前回より楽に登れることが実感できました。勢いで登っていくのではなく、少し抑えて一定のペースを維持したほうが、結果的に速く登れることが分かったのは意外でした。景色を楽しむ余裕も出てきて、頂上についた達成感だけでなく登っている最中もけっこう楽しいことに気がついたりもしました。

こうなると、他にももっと素晴らしい山があるのではないかという思いが湧いてきます。幸いなことに、丹沢は登山道がよく整備されていて景色も良い山が多くあります。そうして新しい山に登るたびに、さらに山の魅力に引き込まれるという調子で、完全に沼落ちしてしまいました・・・笑 ここから2か月の間に登った山はこんな感じです。

  • 塔ノ岳、丹沢山

  • 檜洞丸

  • 燕岳

  • 硫黄岳、天狗岳(東西)

  • 谷川岳

  • 大菩薩嶺

特に11月は地球温暖化の恩恵を存分に受けて笑、例年なら雪で閉ざされてしまうような山にも行くことができました。このあたりの山行記は、気が向いたらまた別に載せたいと思います。特に燕岳と八ヶ岳は素晴らしかったので、来年登れるようになったらぜひまた行きたいですね。

登山のいいところは、こんなに楽しいレジャーなのに人混みに巻き込まれることが圧倒的に少ないことだと感じています。もちろん行き帰りは遠くて大変ですけど、山に入ってしまえば基本的には自分(たち)だけ。人が少ないと、たまにすれ違う人にも自然と親近感が湧いてきます。人が多過ぎて皆が自分のスペースを確保するのに必死な都会のことを考えると、人間って本来これくらいの密度で生活してたほうが健康的なのかもなあと思ったりもします。

あとやはり YAMAP の存在は大きいと思います。登山中の GPS 機能のおかげで分かりにくい登山道でも迷わず進むことができますし、SNS 機能が充実しているのが楽しいんですよね。Twitter みたいなジェネラルな SNS では、登山愛好者(とりわけソロ登山者)は何かと迫害されがちなので、同じ趣味をもつ人が集まれる「安全な場所」があるというのは、とても大事なことなんだなあと感じました。

今は雪山も多い季節になってきたので以前のようなペースでは登れませんが、山岳会の研修に参加したり、普段行かないツアーに申し込んでみたりして、新たな境地にもチャレンジできればと思っています!



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ぺんすけ
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