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【晴れ、ときどきアスペルガー】6月10日:違和感のある言葉

引き続き転職活動中。午後から電力系コールセンターオペレーターの面接に行ってきた。

時間どおり13:30のきっちり5分前に到着。担当者に促されて会議室に入ってみると、2人がけの事務机が6つならんだ部屋には、すでに6名の面接希望者が席について書類を記入している。

時間になると、ちょっとふくよかな感じの中年女性がひとり、試験官としてやってきた。

自身もコールセンターで電話を受けていたベテランらしく、滑舌が良くてハキハキした喋り方だが、百貨店の化粧品売り場の店員のような馬鹿丁寧な感じで、若干鼻につく話し方でもあった。

特に僕が気になったのは、というか、いままでずっと気になっていたことだが、使い方が不自然に感じられる言葉を連発していた。

それは「なるほどですね」という言葉だ。

僕はこれまで約15年間、その大部分を派遣社員として過ごしてきたため、派遣会社の社員と接する機会が多かったのだが、そうした人々が電話で話すときにやたらこの言葉を使っていたことを思い出した。

「なるほど」という言葉は漢字では「成程」と書き、物事に対する確信や理解が深まった時の表現であるらしい。

だがその一方で、そのまま使うと「上から目線」の言葉に聞こえてしまうため、みなこの言葉の後ろに「ですね」と丁寧語をつけてしまうようだ。

でも、いくらなんでも「なるほど」に「ですね」をくっつけたところで、聞いている方はさほど丁寧な感じは受けないし、かえって滑稽にさえ思えてくる。しかも、あまり使いすぎると「この人、人の話を真剣に聞いているんかな?」という疑問を抱かせることになり、逆効果だと思うのだが。

コールセンターでさぞ好成績を出し経験も豊富であったろうその試験官の女性でさえ、そうした言葉の使い方に対し注意を払えていない詰めの甘さが、とても残念に思えた一日だった。


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