【きまぐれエッセイ】日本人の愉しみ:「時代劇はジジイのもの」って誰がいった?
日曜の夜のお楽しみは?
日曜日の午後7時、みなさんはなにをして過ごしているだろうか。
おそらくテレビで「サザエさん」を見て、「ああ、明日からまたしごとかぁ」なんて、ユウウツな気持ちになりながら家族と食卓を囲んだりしているのだろう。
勝手に決めてかかっている自分はというと、唯一テレビを見る日が日曜日と決まっている。午後6時から始まるNHKBSの「大河ドラマ」とそのあとにつづく「BS時代劇」を見るのだ。
ちょうどきょうから、池波正太郎原作の「雲霧仁左衛門」の再放送が開始された。自分は一度みてストーリーと結末が分かっているが、それでもやっぱりみてしまった。
子供の頃からずっと大河ドラマを見続けてきた。もともと日本史がとてもすきなので、毎年見ていても飽きないのだ。
最近はとくに、バソコンの前に座ったままテレビを見て、自分の知らない歴史上の人物が出てくると、すかさずウィキペディアで調べて納得するようになった。
ところで、その大河ドラマにつづくのが、地上波ではあまり見られなくなった「時代劇」だ。
時代劇というと、民放のBSで真っ昼間に放送しているだけのオワコンなジャンルと思われているようだ。わざわざチャンネルをあわせて見ているのはおそらく高齢者だけだろう。
しかし、NHKのBS時代劇はなかなかどうしてよくできており、緩急をつけたストーリー運びで最後まで視聴者をひきつける。
民放の時代劇とたいして変わらないはずのBS時代劇の魅力はなんなのか。そのポイントを3つにまとめてみた。
役者が芸達者ぞろい
なんといっても出演する俳優陣がベテラン揃いだ。今夜の「雲霧仁左衛門4」に出演している役者は、ざっとつぎのようないい意味でクセのある役者ばかりだ。
雲霧仁左衛門(雲霧一党棟梁):中井貴一
安部式部(火付盗賊改方長官):國村隼
七化けのお千代(雲霧一党):内山理名
三坪の伝次郎(雲霧一党):近藤芳正
山田藤兵衛(火付盗賊改方):村田雄浩
天一坊(吉宗の隠し子):永山絢斗
赤川大膳(天一坊後見人):佐野史郎
柏屋清兵衛(米問屋):イッセー尾形
近藤芳正は時代劇の常連であるし、村田雄浩はコミカルな役からシリアスな役まで器用にこなす役者だ。
出演者のいづれも本当に演技のうまい役者さんばかりで、場違いなアイドル・タレントが混じっていたりしないので、安心してみていられるのも魅力のひとつだ。
江戸の街の風物詩を楽しめる
時代劇をみていると、江戸の町というのは現代の日本とは大違いだ。
活気はあれど貧乏長屋に住んでいるひとも多く、富が一部の権力者や大商人に集中している。
いまとおなじ「圧倒的な社会格差」が存在していたこともわかり、歴史の勉強にもなる。
内山理名がきれいすぎる
ポイントの3つめは、雲霧一党のなかで紅一点ともいえる「七化けのお千代」こと内山理名だ。
内山のインスタグラムなんかをチェックしてみてもわかるが、本当にきれいでかつ演技が艶っぽくて時代劇に合っているのである。
単にかわいらしいだけの女優さんはいくらでもいるが、演技力や存在感を同時に持ち合わせてた役者はそうそういるものではない。ましてや、時代劇に違和感なく演技できるとなると、これまた希少価値だ。
なんでも、以前にテレビで共演した吉田栄作との結婚話が週刊誌リークされたそうで、これから注目があつまりそうな予感はありますな。
けっきょく時代劇はきれいな女優さんが命なのだ
シリアスな論評かと思わせておいて実は内山理名のファンというオチ、みたいなくだらん文章になってしまった。
しかし、やはり男臭い雰囲気がただよう時代劇には、きれいな女優さんのひとりやふたり出てこないと愉しみがないというものだ(単に自分がルパン三世のような女好きなだけなのだが)。
もっとも、今の時代では「#Me Too運動」や「ジェンダー問題」への意識の高まりで、あまり女性がうんぬんという話は避けられるようになり肩身がせまい。
しかし自分のプライドのために最後につけくわえると、このドラマのキモはなんといっても盗賊のおかしらである雲霧仁左衛門と火付け盗賊改方長官の國村隼の対決だ。
ふたりとも映画俳優として第一線で活躍するトップクラスの俳優であり、風格とオーラが段違いだ。
コロナ禍での時代劇撮影は非常に困難のともなうものだと想像するが、なんとか頑張ってこれからもいい作品を創りつづけてほしい。