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【晴れ、ときどきアスペルガー】6月14日:梅雨空の暗雲と光
近畿地方は6月の半ばになっても梅雨入りが発表されていない。また今年もそれぞれの季節らしい天候がやってこないようで、日本の季節感はすっかりかわりつつある。
ちょうどこの不順な天候と同じように、この数年の間はどんなに天気が良くても風が爽やかでも、僕の心が心底晴れることはなかった。
「3つの悩み」が常に心の中に居座り続け、生きることの喜びや楽しさを素直に感じることを妨害してきた。
人間のすべての悩みは、ざっくり言うと3つに分けられるのだそうだ。
1つ目は「人間関係」、2つ目は「お金」、そして3つ目は「健康」だ。
この3つの悩みのうち、1つだけならまだ自分一人で立ち向かうことが可能だ。
職場や隣人との人間関係に悩んでいるなら、残りの2つのお金と健康さえあれば、その力でもって対抗することができる。
しかし、これらのうち2つ、いや3つが同時に襲ってきたら、果たしてどれだけの人が冷静に対処することができるだろうか。
平成の30年間、僕の人生は常にこれら3つの悩みとの戦いだった。
どんな会社に行っても必ずよそ者扱いされ追い出されてしまう僕は、相談できる友人や知人を持たず、ただひとりきりでもがき手探りを続けた。
「いったい、どんな強靭な精神力と肉体を持っていたら、この難局を乗り切ることができるというのだろうか?そんな人は果たしてこの世の中にいるものなのか」
いつもいつも自分に対してこう問いかけ、その答えをずっと探してきた。
「明けない夜はない」と言った人がいる。「トンネルを抜ければ、そこにはきっと希望が待っている」とも。
しかし、ある文豪は「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった」と書き残し、自ら命を絶っている。
だが、その長い苦悩の日々もようやく終わりがきつつあることを、つい最近になってなんとなく感じられるようになってきた。
確信があるわけではない。冬からいきなり夏に変わるわけでもない。しかし、街を歩く自分の足取りがどこか自信に満ちて、一歩一歩着実に前に進んでいる気がする。
★★★
令和の世の中になってみると、新しい時代の到来と言われながら早くも平成時代の日本の綻びが一気に表面化しているように思える。
日本を代表する大企業による40歳代従業員のリストラや、100年間維持可能だと言われた年金制度の終焉を予感させる金融庁のレポートなど、かつてGDPで世界ランキングのトップ10に入っていた国とは思えないほど、急速な没落が国民の眼の前に晒されることとなった。
これまでは自分の発達障害が、「拭うことのできない欠陥」であると感じていた。
しかし、この先の見えない時代にあって、むしろ組織に属さず道なき道を突き進む自分が、かえって他の誰よりもしぶとく長く生き残れる人種なのではないかと思えてきた。
これからの情け容赦ない世の中を生き抜くためには、独り部屋に籠もり内なる自分と対話しながら、最も自分らしいと思える道を探すしかない。
それができるようになって初めて、梅雨空の隙間から差し込む僅かな光に希望を見出すことができるだろう。
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